営業でテレワークや在宅勤務を浸透させるには?活用のコツを紹介

ICT(情報通信技術)の発達で時間・場所を選ばない柔軟な働き方ができるようになりました。最近は「テレワーク」を導入する企業が増加しており、営業職であってもインサイドセールスやテレワークを併用して効率的に業務に取り組んでいる企業もみられるようになりました。

営業活動の効率化や生産性の向上を目的として推進されるテレワークですが、企業の中にはテレワークを利用することが難しく、浸透していないケースも珍しくないでしょう。企業と従業員双方に多くのメリットがあるテレワークが浸透しない背景とは、一体何故なのでしょうか?

この記事では、一見するとテレワーク化は難しそうな営業職に着目し、営業職をテレワーク化するメリットやテレワークを浸透させるコツをご紹介します。

1.営業のテレワーク導入は徐々に進んでいる

テレワークは、ICTを活用した時間・場所に制限されない柔軟な働きのひとつです。総務省が発表した令和元年の「テレワークの導入やその効果に関する調査結果」によると、企業におけるテレワークの導入状況は、2018年度13.9%から2019年には19.1%と増加しています。企業規模で導入率を見てみると、従業員数が2,000人以上の大手企業ほど、テレワークの導入が進んでいます。

現在は大手企業を中心としてテレワークの導入が進んでいるため、大手企業の取引相手となる中小企業にも今後テレワークの導入が浸透していくと予想されます。営業職に関してはテレワークの中でも移動時間を有効活用する「モバイルワーク」との相性が良いため、テレワークが普及しやすい職種であることは間違いありません。

では、営業がテレワークを導入することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか?
(参考:総務省「平成27年通信利用動向調査」)

1.1 営業がテレワーク化するメリット

営業が1日の労働時間の内で、顧客先などへの移動に要している時間はおよそ2時間弱とされています。移動のための2時間という時間は、週の平均労働時間の約25%を占めます。そこで、テレワークを導入すると移動時間のために費やしていた時間を営業活動のため活用できるようになるのです。例えば、商談の時間や回数を増やしたり、契約書類の整備や提案書のブラッシュアップをしたりと、浮いた時間を利用して業務を効率化できます。


また、営業がオフィスにいる時間をなくすことは、あらゆるコストの削減にもつながります。営業活動にテレワークを導入することは、言い換えるとオフィスが営業活動の中心ではなくなるということです。従業員がオフィスに通わずに勤務するようになれば、オフィスの賃料・光熱費・諸経費の削減につながります。

さらに、移動時間が削減されて生産性が向上すれば、無駄な残業も減るでしょう。また、満員電車での移動などストレスがかかる環境から開放されるので、心身の健康をもたらしてワークライフバランスの改善に大きな効果を発揮します。営業のワークライフバランスを改善されると、長時間労働では生まれなかった、質の高いアウトプットが期待できるでしょう。

1.2 インサイドセールスの普及でリモート化が容易に

営業活動のリモート化には、新しい営業活動の方法として注目を集めている「インサイドセールス」を導入することでスムーズにテレワーク化できます。

インサイドセールスとは、電話やメールを使って遠隔で営業活動を行う営業手法です。電話やメールを使うことで、場所・時間を選ばずに営業活動を行えます。

テレワークの「時間・場所を選ばない」というメリットと、インサイドセールスの効率的な営業活動の実現による生産性の向上という目的は噛み合う部分が多いため、併用することでさらなる生産性の向上が期待できるでしょう。

2.導入しても利用者が少ない?浸透における課題点とは

さまざまなメリットがあるテレワークですが、テレワークが許可されている職場であっても従業員がテレワークを利用しない・活用できていないケースがあります。平成27年度総務省の「通信利用動向調査」によると、テレワークを導入している企業のうち、実際にテレワークを利用する従業員の割合は10~30%が多く、利用率は半数にも満たない状況です。この結果から、実際にテレワークを利用している人が少ないことから、テレワーク導入企業であったとしても、テレワークが浸透しているとは言い切れないことが分かります。

特に、営業職においては「対面のコミュニケーションがなければ成約に結びつかない」などの、昔ながらの営業スタイル・固定概念がテレワーク浸透の課題となっています。
(参考:総務省「平成27年通信利用動向調査」)

2.1 テレワークが使われづらい理由

テレワークが使われにくい理由の多くに「テレワークに対する上司の不理解」があります。

テレワークは移動先や自宅でも会社と同じ仕事ができる仕組みですが、企業や上司に「楽をしている」と捉えられてしまうこともあるようです。会社の上層部がこのような考えを持っていれば、部下はテレワークを利用しづらくなってしまうのは当然です。

その他にもテレワークが使われづらい理由はいくつかあります。以下のような要因が、テレワークの浸透を妨げる問題点とされています。

 

コミュニケーションの問題

テレワークの課題の1つが「コミュニケーションの質の低下」です。対面でのコミュニケーションが減ってしまうテレワークでは、表情や声色が見えなくなるデメリットがあります。基本的には文字を介したコミュニケーションになるため、認識の齟齬が生まれやすくもなります。コミュニケーション面の課題は、テレワークに向く業務支援ツールを活用して解消するのがいいでしょう。

 

マネジメント・労務管理の問題

テレワークを行ううえで、営業のマネジメント・労務管理の問題に課題を抱える方は少なくありません。オフィスにいれば、どのような仕事をしているかすぐに確認できますが、テレワークではそうはいきません。営業が見えないところで仕事を進めているかどうかは、生産性の観点からして非常に重要です。一方で、テレワークで働く側にとってもこの問題は負担となります。「営業活動が見えにくい分、結果を出さなければならない」と焦ってしまい、かえって長時間労働に陥ってしまうケースもあるようです。そのため、従来の方法ではなく、ツールを活用した管理方法の導入も必須となります。

 

ナレッジ共有・蓄積の問題

テレワークでは、ナレッジ共有・蓄積に関する問題も生じやすいです。従来の職場であれば口頭で社内共有できていたナレッジも、テレワーク環境下では共有がすぐに行えず、ナレッジを共有すること自体が疎かになってしまう恐れがあります。例えば、今までは業務中に確認できていた社内マニュアルの確認ができなくなってしまうケースが該当するでしょう。

社内マニュアルや業務上でのナレッジは、セキュリティの観点からも持ち出しが難しい場合も多く、対策を講じておかないと業務に支障が出ることも珍しくありません。ネット上で共有するにしても、セキュリティやアクセス環境の対策を講じる必要があります。

 

3.テレワークを浸透させるには?

テレワークの浸透を成功させるには、環境から改善する必要があります。まずは、テレワークをしやすい雰囲気作りから始めてみましょう。同時に、社員が仕事をしやすくなるよう、便利なツール導入と適切な労務管理の整備もしておきましょう。導入後もテレワークが維持されるように、問題点を洗い出して日々改善していくことも欠かせません。

では、ここからはテレワークを浸透させるための方法について、ひとつずつ掘り下げて説明します。

3.1 テレワークしやすい雰囲気作り

先に触れたように、テレワークを使いづらくしている大きな要因に「上司の理解不足」があります。上司が積極的にテレワークを利用していなければ、部下もテレワークを利用しづらくなるのは当然です。そこで、テレワークをしやすい雰囲気を社内に作るために、上司が率先してテレワークを実施するようにしましょう。

ある企業では、ひそかに「積極的にテレワークを利用したい」と考えていた方が多かったそうですが、上司はテレワークに対して理解を示してくれないだろうと、テレワーク利用の申請ができずにいました。

ところが、ある日の会議でテレワークの話題が上がった時、上司から積極的にテレワークを実施するよう促されたといいます。その上司は現場社員のテレワーク利用を推進するため、自ら週1回のテレワークを実施することをその場で決めました。その後、その企業ではテレワークを活用しやすい雰囲気の中で社員が働けるようになったそうです。

このように、テレワークをしやすい雰囲気を作るには、上に立つ人が積極的に牽引することが重要です。また、上司に忖度することなく、社員側からもテレワーク推進を声に出してみることがテレワークを浸透のためのポイントです。

3.2 営業進捗を共有できる仕組みの導入

営業職にテレワークを浸透させるうえで欠かせないのが、営業進捗を共有できる仕組み作りです。テレワークにおいても営業チーム内での営業進捗の共有は、業績獲得と業務効率化のためには必須です。

営業進捗を部署内で共有・管理する際には「SFA」という営業業務に特化した支援ツールの導入が必須でしょう。ちなみに、SFA(セールス・フォース・オートメーション)は営業支援システムのことを指し、営業活動の「可視化」をサポートするシステムです。SFAの機能の中でも、営業のテレワークに役立つ機能として、進捗管理の機能があります。営業進捗の共有機能では、リードの獲得から受注までの情報を詳細に共有できることが大きな特徴です。

対面での情報の共有ができないテレワークだからこそ、常に案件や商談の進捗を可視化できる仕組みは必要不可欠です。また、営業のステータスを常に把握できるようになると、他部署との連携も上手くいくことでしょう。テレワークで効率的な働き方をするためには、SFAといった営業支援ツールを導入し、運用する仕組みづくりが求められるのです。

3.3 コミュニケーションが取りやすい環境を作る

コミュニケーションの質が低下していては、営業活動の生産性向上や業務効率化は期待できません。そこで、営業職のテレワークでは、コミュニケーションが取りやすい環境づくりも必要です。
また、営業職に限らずとも、コミュニケーションの不足は孤独感をつのらせ、帰属意識を弱らせてしまいます。そのため、コミュニケーションの質を高める取り組みは、どのような企業であっても大切なことでしょう。コミュニケーション不足の解決策としては、ICTを積極的に活用した方法などがあります。

元来、テレワークとICTの相性は非常に良いとされています。その理由は、メールや電話にはないレスポンスの速さが挙げられます。特に、ICTの中でも「チャット」がコミュニケーションを取りやすい環境作りに適しています。これまでのビジネスシーンでは、メールが主なコミュニケーションツールとして用いられてきました。しかし、メールの作成に時間を要してしまう方も多く、マナーも多いためメールでのコミュニケーションが苦手という方も少なくありません。一方で、チャットを使ったコミュニケーションでは、メールよりもスピーディーに連絡を取り合うことが可能で、心理的なハードルも低くなります。

また、さらなるコミュニケーションの質向上を目的に、週に一度など定期的なタイミングで対面でのコミュニケーションを行うと良いでしょう。Web会議ツールやビデオ通話アプリを通じて、オンラインの対話を増やしてみるのがおすすめです。

3.4 インサイドセールスに対する不安の払拭

インサイドセールスを導入したばかりは、「インサイドセールスでこれまでのような営業活動ができるのだろうか?」という漠然とした不安感から、インサイドセールスを充分に利用できないケースも珍しくありません。

しかしながら、従来の訪問営業で培った能力や、「顧客の抱える問題を解決する」という営業の根本の部分はインサイドセールスになろうと変わりありません。インサイドセールスに対する不安を払拭するためには、「営業手法が変わっただけで、目的は変わっていない」という意識を啓蒙することが大切です。

3.5 実施者のフィードバックをもとに改善する

本来であれば、テレワークのような新しい働き方は時間をかけて職場内に浸透させることが望ましいです。しかし、早急にテレワークができる環境を整えて実施しなければならない企業もあるはずです。慌ててテレワークを導入するが故に別の問題が生まれ、改善しなければならない問題も増えることでしょう。しかし、そういった問題も必ず改善する方法が存在します。


まずはテレワークを実施したら問題点を洗い出し、どのようなツールやルール、仕組みを導入すればテレワークが浸透するかPDCAサイクルを回しながら改善を図っていきましょう。

4.まとめ

今回はテレワークを浸透させるためのポイントについて、営業職を軸にご紹介しました。

導入することはできても、なかなか浸透しづらいとされるテレワークですが、上手に活用できれば企業と従業員双方に大きなメリットが生まれます。これまでの働き方ではできなかった、より多くのことが実現できるようになり、ワークライフバランスの向上も期待できます。

そのためにも、今回ご紹介したポイントを参考に、テレワークを現場内に広く浸透させるための施策と工夫を取り入れてみてください。テレワークを上手く使いこなして、効率の良い働き方を目指しましょう。

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