営業職のリモートワーク推進の課題考察とツール3選【働き方改革】

2018年現在、各企業は「働き方改革」を掲げ、労働環境改善の一案としてリモートワークやフレックスタイムを導入しています。しかし実際には、そうした働き方の導入が難しいと考えられている職種もあります。そのひとつが営業です。
理由は、社内の人もしくは取引先と、リアルタイムにコミュニケーションをとるほうが効率的だからです。
営業の他にも、リアルタイム性が重要でリモートワークの採用が難しい職種はあります。本記事では、それらがリモートワークでは難しい理由、リモートワークを活性化するためのコミュニケーションツールを紹介していきます。

1. リモートワークのメリット

リモートワークとは、所属する会社のオフィスには出社せずに自宅などで仕事を行う勤務形態です。

テレワークとも言われ、指示やコミュニケーションは電話やメール、チャットツールなどを駆使して行います。ここでは、リモートワークを利用し仕事をしている社員側とリモートワークを導入する企業双方に生じるメリットをそれぞれご紹介します。

1.1リモートワークで働いている社員側のメリット

会社に通勤が必要な場合は、通勤に時間がかかるうえ、通勤ラッシュの電車やバスは非常にストレスがかかります。

通勤時の混雑はパーソナルスペースの確保ができないことから人は強いストレスを感じ、通勤時間が20分増加するごとに給料が30%カットされるのと同じストレスが生じると言われています。また、通勤時間が増えれば増えるほど睡眠時間と運動時間が減少するという調査結果もあり、通勤が生活および幸福度に与える影響は想像以上に大きなものです。

リモートワークを導入すれば、社員は通勤時間と混雑によるストレスから解放されます。リモートワークで働く場合でも勤務時間は出勤する場合と同様ですが、何より通勤・帰宅にかかる時間を削減できるので、自由時間が増えます。

また、通勤ラッシュによるストレスがなくなり、ラッシュを回避するために早起きする必要もなくなるので、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)が大幅に向上します。

さらに、自身が仕事のしやすい環境で作業することができるので精神的な余裕も生まれ、仕事効率も上がりストレスを感じることなく仕事に励むことができます。

最近は仕事をしながら親の介護をしなければいけない人が増加傾向にあります。さらに、十分に仕事のできる人材であっても疾患や障害によって毎日の通勤が難しい人もいます。しかし、リモートワークでの仕事であれば自宅にいながら作業できるので、介護や療養している社員も継続的に仕事をすることができます。

加えて、育児のために出勤して仕事を継続することが難しい人でも仕事と育児を両立することができるので、「ワーク・ライフ・バランス」の向上に繋がります。

1.2リモートワークを導入している企業側のメリット

企業側にとって一番のメリットは、社員の交通費手当や、仕事場の机や椅子といった備品などの費用を大幅に削減できる点です。また、社員全員が在籍できる広いオフィスをレンタルする必要もなくなるので、固定費も削減できます。

また、長時間満員電車で通勤することは、心身に大きな負担がかかりますし、インフルエンザなどの病気にかかるリスクも高くなります。しかし、リモートワークを導入することで通勤の負担を軽減すれば病欠などで欠勤する割合を減らすことができ、稼働率の向上が期待できます。社員もストレスから解放されて自宅などの働きやすい環境で仕事ができるため、生産性が向上してモチベーションアップも上がります。

さらに、リモートワークは優秀な人材が流出するのも防ぐことができます。従来は配偶者の転勤や、育児や介護などによって退職を余儀なくされていた従業員も、リモートワークであれば継続して雇用を続けることができます。

優秀な人材が「会社に出勤できない」ことだけを理由に退職するのは非常にもったいないことです。昨今は労働人口の減少が著しく、新たな人材の確保も容易ではなく、一から育成するにも時間がかかります。そのため、企業は今いる社員をなるべく手放さないような方策を打ち出していく必要があります。その1つの手段として、リモートワークは非常に有用な手段です。

その他にも、働き方改革が注目されている昨今では、リモートワークを導入する企業のイメージアップ効果が期待でき、優秀な人材確保においても優れた宣伝効果を発揮します。

2.リモートワークが難しいと考える“理由”とは

営業のほか、リモートワークの採用が難しいと(考えられている)担当や仕事として下記のような職種が挙げられます。

  • 訪問営業を受ける担当者
  • ヘルプデスクを開けていなければいけない職種
    (カスタマーサポート、カスタマーサクセスなど)
  • 運用や保守などの担当者

他にも、「社内でわからないことがあったらこの人に聞けばいいや」という立ち位置にある「総務」や「庶務」でも、リモートワークやフルフレックスで働いている人をあまりみかけません。総務省の調査によると、従業員規模が301人以上の企業の20.4%がリモートワーク(調査データの語ではテレワーク)を導入しているが、100人以下の企業は数%にとどまっているという報告があります。
導入しない企業はその理由として「テレワークに適した仕事がないから」と述べています(※1)。
しかし「適した仕事がない」という判断はあくまで主観的なもの。
上記の調査結果からも、各企業の働き方にはまだ工夫の余地があることが考えられます。

3.実はリモートワークと相性のいい「営業」。課題はコミュニケーション

リモートワークの導入が難しいと考えられている「営業」。実は2018年現在、もっともリモートワークが進んでいる職種です(※2)。
また経営課題の解決においては、従業員数が300名以下の企業では、リモートワーク未導入の企業よりも、導入企業のほうが直近3年間の経常利益が増加傾向にあるという調査結果も報告されています(※3)。
営業分野においては「新規顧客の開拓」「既存顧客の満足度向上」および「対応力向上」等にICTの活用が寄与しているようです(※4)。これにはSFA(営業支援ツール)や見積発行など、営業ツールのクラウド化が促進したことが背景にあり、客先訪問」の合間にカフェで仕事をする営業マンも多くなっています。
したがって営業マンは会社内に常駐していなくても業績には差し支えないことがわかります。一方でこの働き方には「社内コミュニケーションに難がある」と感じている企業も少なくありません。リモートワークを導入するとしたら、これまでと変わらないコミュニケーションを図りたいと思うのが正直なところ。そこで以下からは、リモートワークに適したコミュニケーションツールについて紹介していきます。

4.営業のリモートワークを支援するツール

リモートワークの懸念点として、コミュニケーションが困難になる、仕事の進捗が分からないなどが挙げられます。しかし、リモートワークの懸念点はツールを導入することで解消できます。場合によっては、ツールを併用したリモートワークによって、オフィスに出勤して業務を進めるよりも効率的に業務を行えることもあります。

ここでは、リモートワークで営業活動を行う際にサポートしてくれるツールを4つご紹介します。

4.1 SFA(営業支援システム)

リモートワークでは、勤務時間内の社員の仕事状況を確認することができません。出勤していれば様子を見ることもできますが、リモートワークでは様子が分かりません、そこで、営業支援システムを導入することで誰がどのような案件に取り組んでいるのかを可視化することができます。

SFA(Sales Force Automation)は、顧客との商談時のやり取りや顧客リストなどの営業活動において重要な情報を一元管理して共有する営業支援システムです。営業担当者個人の行動記録や実績が全て管理できるので、担当者ごとの営業プロセスを可視化してリアルタイムで確認ができます。

営業プロセスが可視化できることは、業務の属人化を防ぎ、ノウハウを社内で共有して営業部門全体のスキル向上にも繋がります。

また、売上を予測し月・年毎に売上予測をグラフ化する機能が備わっているシステムもあるので、予実管理が容易となり、目標達成のためのアクションを早い段階で打ち出すことができるようになります。

4.2 プロジェクト管理ツール

リモートワークでは、社員同士が机を並べて働くわけではないため、プロジェクトおよびチームの規模感が把握しづらいというデメリットがあります。また、営業活動は見込み客の発掘、アプローチ、商談、成約などいくつかのフローに分かれていますので、案件ごとにどこまで進んだのか細かく把握しておかないと、売上目標に到達するかどうかギリギリまで分からないといった状況になりがちです。

しかし、プロジェクト管理ツールによってこれらの課題を解消できます。

プロジェクト管理ツールは、営業プロジェクト全体の進捗を管理するツールです。チームで案件を進める必要があるケースでは、タスクや工数、スケジュール、担当者などさまざまな情報を整理して管理する必要がありますが、バラバラに管理しているとスムーズに共有・アクションを取ることができません。プロジェクト管理ツールであれば必要な情報を一覧で見ることができるので、スケジュールの遅れや目標の達成率を一目で把握することができます。

リモートワークだと個人がそれぞれに活動しているため、マンパワーが足りない業務が分かりづらい側面があります。しかし、プロジェクト管理ツールによってプロジェクトないし部門全体の進捗を管理していれば、遅れが出ている業務をすぐにフォローすることが可能となり、滞りなく業務を進めることができます。

4.3 クラウドPBX

リモートワークで電話営業する際は、電話に使う端末が異なるため電話番号が異なってしまい、企業の番号と違うことで顧客側に不安を与えてしまう課題がありました。また、自身の携帯電話か自宅の固定電話から電話をかけると、電話料金を都度清算する手間もかかります。

しかし、クラウドPBXを導入すれば企業が電話代を負担し、自身の携帯電話を営業活動用の電話として活用することができます。従来は、内線・外線通話、転送機能を活用したい場合はPBX(電話交換機)をオフィスに設置する必要がありましたが、クラウド上で完結できるので工事が必要なく、コストを抑えて導入することができます。

4.4 ファイル共有ツール

ファイル共有ツールは、ネット上のファイルを共有し、同じファイル共有システムを利用している人とファイルの送受信を自動的に行えるツールです。ネット環境が整っていればどこでもアクセスできますので、営業活動における情報をスムーズに共有できます。アクセス権限を制限できる機能をもったツールもありますので、セキュリティ面でも安心して運用することができます。

5.働き方改革に必須のコミュニケーションツール

働き方改革に必須である「コミュニケーションツール」。大切なことは「場面に適したツールを使う」ことです。電話やメール、グループウェアなどはすでに、社内に導入されているかもしれません。しかしリモートワークやフレックスタイムを許可するにあたっては、パフォーマンスが落ちないよう、新たなツールを導入する必要があります。

具体的には下記のようなものが挙げられます。

5.1 チャット

社内コミュニケーションツールとして非常に多く導入されているのがチャットです。電話やメールと比べ即時性と検索性に優れており、勤務時間が重ならない人同士のコミュニケーションもスムーズに行なえます。SNSに近い形式のもの、プロジェクトやタスクに紐付けられるもの、またSFAツールに付属していて商談や取引とチャット上の会話を紐づけられるものもあります。

5.2 Web会議システム

チャットは文字でのコミュニケーションですが、「音声」でコミュニケーションを取りたい場合はWeb会議システムが便利です。物理的にどんなに遠くにいても、インターネット環境さえあれば音声や映像・資料を共有することができます。
また、複数名が同席する会議に適しており、たとえば地方の拠点長をすべて集めて行う全体会議、新製品の発表のような社内セミナー・勉強会に向いています。会議にはファシリテーションが重要ですが、Web会議だとよりその傾向が顕著に現れます。ファシリテーターが場を仕切らないと、別々の拠点の人が同時に発言して音声が被るなど「本当は話したいことがあったのにうまく発言できない人」が生まれてしまいます。時間内できちんと終わらせることも重要です。「あの件どうだったっけ?」という確認をしづらいのが遠隔地との会議でありがちなこと。「言った・言わない」という揉めごとをなくすためにも、議事録を作成し、画面を共有できる機能が搭載されている会議システムを使いましょう。議事録自体を共有しながら進行することをおすすめします。

5.3 オンライン商談

最後に上記2つとは違い「社外」、とくに客先とのコミュニケーションに用いたいのがオンライン商談です。営業マンの(お客さまとの)コミュニケーション方法が、飛び込み営業→テレアポ→FAX→メールと進化してきた歴史の中で、一番新しいツールです。「顔がみえる」「リアルタイム性がある」「記録が残せる」などの点で、実際の客先訪問とその他のコミュニケーションツールのいいトコ取りができる使い勝手のよいものとなっています。

オンライン商談は大切なお客様と接続するため「はじめて触れる方にとって、抵抗なく受け入れられる程度の簡単さ」であることを念頭にツールの選定をする必要があります。

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6.ワークスタイルの変革にコミュニケーションツールを!

他にも、ワークスタイル変革に合わせてさまざまなツールやサービスが生まれています。何より大切なのは、リモートワークを断念する理由に「仕事内容的にムリ」だと判断しないことです。今回紹介したコミュニケーションツールを、自社の新たなインフラとして検討してみてはいかがでしょうか。とくに営業の場合は、インサイドセールスが進んでいる領域です。

リアルタイム性を維持しつつ、時間的・距離的制限がない効率的な仕事スタイルへと進化させていきましょう。

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