【セミナーレポート】インサイドセールスにおける最先端の営業マネジメントとは

2019年9月19日、WeWork 東京スクエアガーデンにおいて「インサイドセールスにおける最先端の営業マネジメントとは」と題したセミナーを開催いたしました。

近年、訪問せずともオンライン上で実施することができる「インサイドセールス」に注目が集まっています。企業に訪問せず商談を行うことで移動時間削減による商談数増加や、リードタイムの短縮、移動・宿泊経費の削減など大きなメリットがあります。

ただその一方で、営業は訪問してお客様と直接お会いすることが当たり前という文化も根強く、なかなかうまくいかないというケースも散見されます。インサイドセールスを成功させるためにはどういった組織づくりやマネジメントが必要とされているのでしょうか。

ベルフェイス株式会社でセールス・マーケティングチームの立ち上げを経験し、導入社数200社を2年間で900社まで増やすことに貢献したインサイドセールスチームのマネージャーである横山豊が、自身の経験に基づいた「売れるインサイドセールス組織」について紹介した内容をレポートいたします。

そもそもインサイドセールスとは何か、詳しく確認したい方はこちら

横山豊の写真
ベルフェイス株式会社 マーケティング事業部 インサイドセールスグループ マネージャー
横山豊(よこやま・ゆたか)
2012年に(株)オプトに入社。その後グループ会社のソウルドアウト(株)へ転籍し、延べ500社の中小・ベンチャー企業のWebマーケティング支援を担当。2017年2月、当時従業員数5名のベルフェイス(株)にジョインし、0からセールス・マーケティング事業の立ち上げを経験。入社当時の導入社数200社を2年間で900社まで増加させる。現在はマーケティングからセールスの連携強化を担う、インサイドセールスグループの立ち上げ・体制構築に従事。

日本で急速に普及するインサイドセールスとは?

インサイドセールスとは、電話・メール・Web会議ツールを駆使して「潜在顧客へのアプローチから契約含む全ての営業フローを訪問せずに社内で完結させること」を指します。特に国土の広いアメリカでは遠方へ出張せずとも商談することができる手段として以前から主流になっている手法ではありますが、日本では「国土が狭い」「訪問するのが当たり前の文化」といった理由からあまり馴染みがありませんでした。

しかし近年、消費者の購買プロセスの変化テクノロジーの発達「働き方改革」などの社会的要請といった背景に伴い、特にIT業界を中心にインサイドセールスを導入する企業が増えています

「インサイドセールス」の検索数が急激に増加していることを示すグラフ。

「ビデオ会議」などがあまり変わらないのに対しインサイドセールスのみが大きく上昇している。

営業に特化したWeb会議システムを提供するベルフェイスでも創業直後からインサイドセールスを組織していますが、日本のインサイドセールス組織におけるロールモデルになることも目指している同社での組織づくりにおけるポイントを紹介いたします。

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”売れる組織”の取り組みとは?

インサイドセールスチームのミッションは「商談の創出」です。インバウンドリードに対してコールを行い、セールスに商談を設定するまでが担当領域です。ベルフェイスのインサイドセールスは60%という高い売上貢献率を維持していますが、キーとなっているのは「分業」「データの活用」です。

分業:体制、フロー

分業とはマーケティングから受注後のカスタマーサクセスに至るまでの一連のフローを、業務毎に専任メンバーをつけて分担することです。マーケティングがリードを創出し、インサイドセールスのインバウンドチーム(SDR)がアポを取得、営業が商談をしてクローズをし、カスタマーサクセスが顧客フォローを担当します。

ベルフェイスの分業体制を表した組織図

横山:「弊社ではマーケチームが創出するリードが月に500~600件ありますが、それに対応するためのインサイドセールスは8名在籍しています。このメンバーは自分で受注をしたいです!というマインドを持ったメンバーではなく、自分がとったアポで誰かが受注してくれたら嬉しいというような、サッカーでいうところのトップ下みたいな性格の人材に担当してもらっています」。

1日約20件ある資料請求の初期対応は2名で行っており、リード獲得から3分以内にコールすることを目標としています。アポイントが取得できたらセールスへ、未コンタクトやアポ未獲得のリードはリスト化して追客コールのメンバー6名へ引き渡される仕組みとなっています。

セールスは顧客属性に合わせて『フィールドセールス』と『オンラインセールス』を組み合わせており、『オンラインセールス』のメンバーは自席でベルフェイスで商談を行います。また、マーケティングのリード獲得からカスタマーサクセスまでのフローを資料にして可視化することが非常に重要です。

横山:「フローを可視化しておくと新しく入ってきたメンバーに説明がし易いですし、マーケやセールスとのミーティングでどこのフローを改善すべきか、何が問題なのかを顕在化し易いので新規インサイドセールスの立ち上げを考えている企業様にはぜひ取り組んでいただきたいですね」

マーケティングのリード獲得からカスタマーサクセスまでのフロー図解

データの活用:良いKPIと悪いKPIの違い

次にSFA/CRMとの連携によるデータの活用方法としてKPIの考え方や設定方法、プロセスの設計について重要となるポイントを紹介しました。

横山:「KPI設定において最重要ポイントは『マーケティング・セールスと連動した目標設定になっているか』です。」

インサイドセールスのKPI項目としてコール数やコンタクト数を設けられている例がありますが、いくらコール数だけを増やしてもアポが取得できなければ商談の機会はなく、セールスにとって何のメリットもないため「連動できていないKPI」ということになります。ベルフェイスでは「商談数」「有効商談率」「売上金額」などをKPIの項目として設けています。

例えば有効商談率はセールスが営業をした後に検討が進んだ案件を対象としており、ベルフェイスの場合はこれが60%に設定されています。これが60%を切ってしまった場合にはアポ数は多いけれども商談後に検討が進んでいない、いわゆる質の悪いアポばかりをセールスにパスしてしまっているということになります。

また、最終的にクローズするのはセールスですが、インサイドセールスのKPIにも「売上金額」を設定することにより、自分が創出した商談がどれだけ売上に貢献しているのかを把握し、質の向上を意識させるように努めています。そしてKPIの設定プロセスは、まず過去の実績から有効商談受注率・アポ商談率などを算出しておき、セールスの売上目標から逆算して数字を決めています。

ファネル状のKPI設計

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インサイドセールスの心得とは?

ベルフェイスの8名のインサイドセールスメンバーが入社後に徹底して教育されるものに「インサイドセールスの心得」があります。「オペレーション」「テクニック」の2つに分類されているこれらについても紹介しました。

オペレーションについて

オペレーションについて定められたルールは下記5項目があります。

  • 資料請求や問い合わせに対しては3分以内にコールする
  • 5C2M(1リードに対する追客回数の指標、5回コール2回メール)
  • 追客は2週間のうちに
  • 状況・種別変更の徹底
  • 常に数字を意識

横山:「どれも重要なのですが、競合他社に勝つ、またお客様の温度感が高いうちにコンタクトするといった理由から”資料請求からのコールは3分以内”というのは必須です。また、”常に数字を意識”も重要で、うちのチームは毎日何度もSFAであるSalesforceのダッシュボードを見ます。お昼に見て”今日5アポ必要なのにまだ1アポしか取れてないよ!”といった会話がメンバー間で自然に発生して常に危機感をもって業務しています」

テクニックについて

テクニックについての心得も5項目あります。商談取得に必要なものばかりですが、その中でも重要なのが具体的な社名をあげることとうまくいかなかったコールこそ見返すことです。

  • 具体的な社名
  • 直近(本日か翌日)で商談を設定
  • 再コール日時を確認
  • リスケになったら即座に再調整
  • うまくいかなかったコールこそ隠さず共有しメンバーと確認し合う

横山:「そのお客様に近い業種や課題や境遇の事例を具体的な社名をあげて紹介します。お客様の競合他社であれば更に良く、”○○様はこういった施作で何%改善されました”と案内すると興味喚起させられて実際の提案を受けてみたいという気になっていただけます。

そのために事例の内容は全員にインプットしてもらいます。また、”とりあえず資料だけで”、”今回は結構です”となってしまったいわゆるうまくいかなかったコールこそ、メンバー全員で共有します。これをすると”次はこのトークにしよう”、”この事例がよかったのではないか”と周りがアドバイスをしてくれてメンバー全員のスキルアップに役立ちます」

リードランクとステータス管理について

これまで組織や全体的なフローについて紹介してきましたが、最後に実際の業務プロセスやポイントについてです。リードは発生した順番にコールすることが鉄則ではありますが、売上につながる商談を創出するため、また、8人という限られたリソースでベストなパフォーマンスを発揮するために必要な指標の1つとして「リードランク」「リードステータス」があります。

リードランク

リードランクとは自社にとってその企業がどれだけ商談として成立しやすいのかを過去の実績から格付けしたもので、ベルフェイスの場合には3段階に分けられています。例えば「Web会議システムを営業活用したいと思っているIT企業」は「Heavy」とランク付けされており、これはマーケやセールスと共通認識を持ち無駄なやり取りをなくすための指標でもあります。

共通言語化したリードランクの一覧

リードステータス

対する「リードステータス」は現在そのリードがどういったステージ(状態)にいるのかを示す指標で「未コンタクト」「アポ調整中」などといった8項目に分けられており、それぞれが優先度①~③に定義付けられています。

リードステータスの一覧

横山:「例えば1人のメンバーが未コール案件を20社かかえていたとすると全く優先順位がつけられていない状況ですし、”初動3分以内にコールする”が実践できていない証拠になりますのですぐに着手するよう指導する、といったマネジメントをしています。また、コンタクトステータスが多い場合には”アポがとれていない企業が多い”ということですので、”トークが悪いのではないか”といったことが推察されます。その場合にはロープレを実施したり興味喚起のための事例の再インプットをしたりします。」

コール時にお客様に伺うヒアリングは10項目と一見多いように感じられますが、このあとセールスが最短でクローズするには必要なものばかりで、特にこの後セールスにパスをすることを考慮すると「人柄」などといった項目が重要になるケースも多いです。

また、資料請求からアポ取得の手法としてベルフェイスではインサイドセールスだけでなく「商談予約カレンダー」というサービスサイト上の施作も活用しています。お客様が資料請求のフォームに入力をして送信ボタンを押すとサンクスページに表示されるというもので、お客様ご自身でカレンダーにオンライン商談の希望日を登録してもらうシステムです。

アポ調整効率化の図解

お客様側から営業の予定が見られるようになっており、このシステムから資料請求リードの約12%が予約されています。コール工数の削減に役立つ上に、お客様側で日時設定をしていただくことで日時変更や不在のリスクが減るといった利点もあります。

インサイドセールスの始め方。組織・ツールの導入方法を徹底解説

まとめ

この後実際のセミナーではご参加者様によるベルフェイス体験会が実施され、使用感の確認や自社導入に際してのご懸念点をご質問をいただきましたが、全体としてはトーク内容や組織、メンバー資質などの話でうなずきが多く見られました。

また、多くの方から「今回のセミナーで配布した資料がほしい!」という声をいただきました。そこで、本レポートをご覧になられた方限定でプレゼントいたします!ご希望の方は以下のフォームからお申し込みください。ベルフェイスが設定しているヒアリング項目、社内利用ツールなどなど、Webでは公開していない情報が盛りだくさんです!!

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また、ベルフェイスでは今後も定期的に各種セミナーを開催いたします。ご興味のある方はぜひ下記よりお申し込みください。

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