営業のファーストコンタクトはメール?それとも電話?

新しい見込み顧客に連絡する際には電話で相手の邪魔をするよりメールの方が安心するのですが、まず最初は電話の方が良いのでしょうか…?

営業電話はそれなりにエネルギーのいる作業です。この疑問について、気になったことはありませんか?

もしメールでのやり取りで契約まで進められ、かつ目標数字も十分達成できるようであれば、誰しもエネルギーの消費が少ないメールを選びたいと思うのが当たり前かもしれませんね。

しかし、「メールで連絡」をするということは本当に安心できることなのでしょうか?どんな結果を呼ぶことになるかご存知ですか?

そこで本日は、見込み顧客にファーストコンタクトを取る際には「メールがいいのか?それとも電話がいいのか?」というお話です。

1「安心する」とはどういうこと?

ほとんどの場合、営業担当が言うのは「こちらの方が拒絶されなくてすむ」ということです。おそらく断られる量はどちらも同じだとは思いますが、ただ電話で直接「いりません」と言われるのではないので、断られる時の「痛み」は少し和らぐと言えるかもしれません。

メールをしても単純にメールを無視されることもありますので。そういう意味で「安心する」のでしょう。ただでさえエネルギーを使うインサイドセールスの仕事です。できれば痛みは受けたくないですよね。

また電話だと落ち着いて話せないという人もいます。メールでのやり取りであれば自分の伝えたいことをじっくり練って相手に送ることができます。

2「相手を邪魔したくない」とはどういうこと?

そもそももしあなたの顧客があなたの電話で邪魔されていると感じることがあるのであれば、あなたの会話の導入トークをさらに磨く必要があるのです。

顧客が鬱陶しいと感じるタイミングは電話の最初の2、3秒です。その間にもし相手にイライラされるようであれば、あなたが不適切な顧客に電話をしているか、あなたの導入トークが力不足なのかのどちらかです。

その上でもメールを送る方が良いと思い、かつ目標数字も上げられているようであれば、確かにわざわざ方法を変える必要はないかもしれませんね。上手くいっていることはひたすら続けましょう。

ただ本当にこの方法をとっていて問題もなく成功している人がいるでしょうか?なぜなら最初にメールを送ると、とある問題を生んでしまう可能性もあるからです。

またもし目標数字を上げられていないようであれば、相手に断られてしまう問題を解決し、先に電話をするという方法を試してみたいと思うでしょう。それでも電話よりも相手にメールを送りたいと思う人の心を変えるかもしれないエピソードを共有します。

3メールから始めることの問題とは?

ある日興味があるサービスがあり、連絡をくれるようオンラインフォームから申請した人がいました。

そのサービスを提供する会社の営業担当からするとその人は「理想的なお客」であるはずです。なぜなら自分から興味があることを相手に伝えているのですから。

ただその会社は電話を取ることを怖がる営業担当しか持っていないのか、もしくは営業担当を必要としない優秀な自動システムでも持っているのでしょうか?驚くことにその人はその会社の営業担当から電話ではなく、いつまでたってもメールしかもらえていなかったのです。相手営業担当はメールでお客のリクエストに関して会話をする日を決めようとしていたのです。

ちなみにその人はその話を「昨日」したかったのです。しかしこれだけ興味があるにもかかわらず、彼はリクエストすることを辞めました。なぜか分かりますか?

彼には他にも選択肢があるからです。似たようなサービスを持っている会社はいくつもあったことでしょう。わざわざ精神をすり減らしながらこうした不毛なやり取りをすることに疲れたのです。

しかしもしあの時営業担当が電話を最初にくれていたら、そのまま話をしてその会社のサービスに決めていたはずでしょう。これがまさにメールでファーストコンタクトを取る際の問題です。

見込み顧客は「生物(ナマモノ)」です。営業担当はメールで連絡を取ろうとしている間にも顧客の「興味」の鮮度が下がり続けていっているという危機感を持つべきなのです。

4.営業における電話とメールの使い分け

電話よりもメールを使いたくなってしまうのは、「安心する」からだという人は、メールなら断られたときにあまり痛みを感じなくて済むと感じているようですね。

「相手を邪魔したくない」という人もいますが、相手が邪魔に感じるのは、そもそも興味を持っていない相手に電話していたり、電話の導入のトーク力が不足していたりするからです。

「安心する」にせよ、「相手を邪魔したくない」にせよ、気持ちとしてはわかりますが、電話をメールに切り替えても、根本的な問題の解決になりません。本当に営業成績を上げたいのなら、別の方法で対応するべきです。

しかし、メールを送信したほうが良い場合も確かにあります。営業が電話とメールをどのように使い分けたらよいのかをご紹介しましょう。

4.1 メールがふさわしいケース

以下のようなケースでは、電話よりもメールのほうが適しています。

一斉送信によるナーチャリング

 
見込み客を受注に向けて育成するフェーズでは、電話よりもメールがふさわしい場合があります。

見込み客のリストが小さいときは、全員に電話するか、電話とメールを両方使うのがよいでしょう。

リストが大きい場合、全員に電話するのは手間とコストの点で見合わなかったり、そもそも出来なかったりします。

そんなときは、顧客を重要度に応じてハイタッチ、ロータッチ、テックタッチの3つに分けて対応します。

ハイタッチとは非常に重要なので個別にフレキシブルに対応するべき顧客、ロータッチとはある程度重要なのでマニュアル的ではあるものの、電話など、人手で対応するべき顧客、テックタッチとは重要性が比較的低く、数も多いのでメールの一斉送信などテクノロジーの力を借りて対応するべき顧客です。テクノロジーを使って顧客にタッチするのでテックタッチというわけです。

比較的重要度が低いテックタッチの顧客は、コストを考えるとメールの一斉送信が最適の選択です。

詳しい情報を共有するとき

たとえばエクセルに入力された見積もり情報などを、電話だけで伝えることを考えてみてください。言葉で伝えるのはとても骨の折れる作業になってしまいます。1つ1つ伝えているうちに、どこまで伝わったか分からなくなってしまい、何度もはじめからやり直すことになるかもしれません。

細かな数字、データなどを伝達する場合は、メールの本文やメールに資料を添付したほうが、はるかに簡単で正確に伝わりますよね。

伝えたいことが商品やサービスの利点や革新性、相手企業にとってソリューションとなる提案のような概念的な情報ではなく、商品のスペックや契約内容など個別的で詳しい情報である場合、電話口で伝えるのはとても大変です。

詳しい情報を共有するときは、音声よりも文書のほうがはるかに適しています。

エビデンスを残したいとき

電話でエビデンスを残すのはとても大変です。会話内容を録音できたとしても、「その意味で”はい”と言ったわけではない」などと後になってはぐらかされてしまうことも考えられます。

詳しい情報を共有するときと同じように、エビデンスを残したいときにも、電話よりもメールが適しています。

電話でのやり取りは、その場ですぐに消えてしまうので、相手が音声を正しく聞き取ったか、聞き取った内容を理解できているのかなどということは、確かめようもありません。

正確性が重要となる契約の場面では、作成された文書に署名することが行われてきたのもそんな理由によります。

電話がつながらないとき

電話しても相手が多忙でつながらないときや、相手がメールで連絡するように指定している場合などは、メールを使うこともやむを得ません。

相手が多忙なときでもコンタクトをすぐにあきらめないで、メールを出しておけば、あとで相手に時間ができたときに、電話をかけてくれるかもしれません。

たとえば、メールの中で、「電話で説明したいのですがご都合よろしい時間がおしえてください」などとで相手に都合がいい時間を聞いておけば、メールを受け取った相手は安心して時間を教えてくれるでしょう。

4.2 電話がふさわしいケース

ほかにも、とくに電話がふさわしいケースをご紹介します。

ニュアンス・感情を伝えたいとき

文字では伝えきれないこともたくさんあります。この商品をつかうと部屋が明るくフレッシュな感じになるとか、自分が相手のビジネスを成功に導きたいという強い思いなどは、文字伝えるのはとても大変ですが、口調や声の抑揚など、表情豊かに話すと伝わりますよね。

営業の電話でも気持ちを込めることを忘れたくないものです。

私たちは、日常の何気ない会話の中で、相手に対するやさしい気持ちや元気づける気持ち、自分のうれしい気持などを伝え合っています。そのような感情やニュアンス、イメージや印象、雰囲気や趣(おもむき)などを、文字で伝えようとするととても悩んでしまいます。

ビジネスでもニュアンスや感情を伝えたい場面はたくさんあります。そんな時には迷わず電話を選択しましょう。

反応を確認したいとき

電話とメールの最大の違いは、電話はメールと違ってインタラクティブであること、双方向でやりとりできることです。

一方的に情報を伝達するのではなく、話ながら相手の理解を確認したいときや、相手のニーズを知ったうえでこちらの提案を調整したいときなどは、電話や、テレビ電話、直接訪問することなどによって、お互いに話し合える状況を確保しないことにはどうしようもありません。

反応を見ながらお互いに話し合いたいときには、メールでのやりとりはふさわしくありません。そういうときには電話を使うべきでしょう。

緊急時や急ぎのとき

メールは急いでいるときにも向きません。トラブルが発生して至急連絡する必要がある場合などは、すぐに電話して危険を回避しなければなりません。緊急の対応が必要なときや、急いでいるときには、まず電話です。

4.3 相手に合わせつつ、場面や緊急性によって使い分けが重要

営業における電話とメールの使い分けでは、電話とメールの長所・短所をよく理解して、目的や場面に合わせるとともに、相手の状況や事態の緊急性に応じて使い分ける必要があります。

営業は相手にソリューションを提供して対価をいただく仕事なので、相手の立場や考え方を十分に尊重しなければなりません。

多数の相手に情報を伝える必要があるときや、詳しい情報を伝えたいとき、エビデンスを残したいとき、電話がつながらないときにはメールを使い、それ以外の場合は電話を使うほうがよいでしょう。特に、ニュアンスや気持ちを伝えたい場合や話し合いが必要なときは、電話を使うほうが遥かに良い営業を行うことができます。

5まとめ

以上、「ファーストコンタクトでは「メール」と「電話」のどちらが良いのか?」についてのお話でした。

確かにメールの送信ボタンを押すことの方が幾分か簡単ではあります。ただ、自分のパイプラインを増やしたかったり、営業サイクルをできる限り短くしたいのであれば、まずは電話をすべきなのです。そしてすぐにメールやLinkedInなどを使って関係性を維持、強化していくという方が堅実だったりするのです。

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