世の中には”デキる”営業担当と呼ばれる人たちが存在します。いつも社内にいて仕事していないように見えて、営業部全体の売上の5割を担っている営業担当。そんなデキる営業担当が同じ社内にいませんか。
- デキる営業担当は普通の営業担当と何が違うのか
- デキる営業担当がどんな「営業スキル」を持っているのか
TOP営業が駆使しているスキルは一体何で、それらの能力をどのように磨いたのでしょうか?気になる営業の必須スキルを、分解して解説します。
デキる営業担当の必須スキルとは
普通の営業担当とデキる営業担当とでは具体的にどのような部分で差がついているのでしょうか。
また、デキる営業担当になるために”必ず”なくてはならない営業スキルとは一体何なのでしょうか。
お客様の立場で話を進める
営業担当として「課題発見能力」は特に必要とされます。これは、営業担当自身の課題発見、お客様の課題発見、両方にいえることでしょう。
しかし、課題を見つけただけではデキる営業担当とはいえません。営業担当がお客様の課題を発見し、お客様がその課題を認識しても課題と向き合う意志がなければ、それは課題を発見したとはいえません。
課題とはお客様の「理想」と「現実」のギャップともいえ、それをクライアントの立場で思考し、提案することが必要といえるでしょう。
相手の立場に立って行動することがまずはじめに必要なことといえます。
相手を知るためのヒアリング能力
「話し上手は聞き上手」ということわざがあります。このことわざがヒアリング能力そのものを表しています。
反対に「話し上手は聞き下手」ということわざもあります。どうやら”デキない”営業担当は「聞き下手」なタイプが多いようです。
ノルマ達成のための「売るため」のセールストーク一辺倒だとお客様は興味を示してはくれません。大事なことはクライアントが興味をもっている、「買いたいもの」の話をさせることです。つまり、ヒアリング能力とは話を聞く能力ではなく、相手に話をさせる能力といえるでしょう。
交渉・提案能力
交渉の場面で資料をポンッと顧客に渡して「どれを購入しますか?」では営業失格です。
まずは、「課題発見能力」と「ヒアリング能力」のスキルを使いお客様のソリューションとなる商品を、「今の話を伺った上でこちらがお役に立てると思いますがいかがでしょうか?」と提案し、クライアントと良好な関係を築くことを優先するべきでしょう。
決して無茶な提案を押し通す、という意味ではなく、「断る余地がない提案」をすることです。
取引間近のスムーズな対応力
お客様の課題解決に向き合う意志があり、解決に最も適した商品をヒアリングから導き出し、お客様が契約を断る理由を見つけられなくなった、契約のベストタイミングでデキる営業担当は意思表示を求めます。
いわゆるクロージングです。クロージングでは、最後に営業担当が顧客の背中を押すことも大切です。図々しいなどと思われるかもしれませんが、営業担当は「商品を売る」ことが仕事です。
デキる営業担当は、お客様の利益になる最適なタイミングと判断すれば、メリット・デメリットすべてを伝えた上でも、成約するでしょう。デキる営業担当は、商談開始~成約までに無駄な動きがありません。
クロージングスキルについてもっと詳しく知りたい方はこちら
【営業のクロージングとは】成約率を上げる15のコツとプロセスを解説
顧客の信頼を得るために重要なこととは?
「顧客からの信頼を得たい」「顧客に好かれるためにはどうしたらいいのだろうか」。おそらく、どんな営業担当者でも一度は考えたことがあることでしょう。
顧客の信頼を得るために重要なこととは何でしょうか?無理に好かれる必要はありません、顧客がして欲しいことをするのが重要です。
顧客の信頼を得るために重要となる基本項目を4つご紹介します。
顧客のサービスに関する十分な理解
顧客がどんなサービスを展開しているか、またどのような立場でどのような仕事をおこなっているのかを把握することは必須です。なぜなら、顧客は事業やニーズについて認識したうえでサービスや商品を提案して欲しいと考えているからです。
顧客のことを理解するというのは当たり前のことのようですが、準備に十分な時間を掛けられず、顧客に対する理解が万全ではないままで商談に臨んでしまうこともあるのではないでしょうか。
顧客のサービスを理解するためには、顧客の会社のホームページやニュース、プレスリリースなどを活用しましょう。
例えば、顧客が化粧品会社であれば、新商品のファンデーションの知識をホームページで情報収集しておくと、「最近御社で新しいファンデーション出されましたよね?素晴らしい商品だと思います」といったように、会話の切り出しにも使うことができるようになります。
もしくは顧客から「私達の会社で、新しいファンデーション出したのだけど知っていますか?」と聞かれるかもしれません。こうした場合に備えるためにも、顧客の事業やサービス内容については十分に理解しておきましょう。
課題発見力・課題解決力
課題を発見し、解決する方法を見つけ出す能力は、仕事をする上で基本となります。この能力が優れている営業担当は、顧客の商品やサービスに対して、課題を発見し、一緒に解決する方法を提案できます。
先程の例で、もし顧客が化粧品会社の商品宣伝部に所属している方なら、「この新作のファンデーション、美白有効成分も含まれていて性能的には良いのだけれど、価格が高いんだよね。何かいい宣伝方法ないかな?」と具体的にアドバイスを聞かれるかもしれません。
こうした時に、「価格が高いというところを逆手に取って、他社よりも高い美白効果を前面に出すのが良いかと思います」などと、顧客にあったアドバイスができるかもしれません。
どんな会社でも、より良い商品やサービスを提供することを目的としているので、このような提案ができる営業担当は顧客からの信頼を得ることができます。
提案するサービスについて知り尽くしている
次に、顧客からの信頼を得るために必要なこととして、営業担当が自身の提案するサービスについて十分な知識を持っていることが挙げられます。
顧客にサービス内容について聞かれたとき、十分な知識を持ってサービス内容を提案すると、顧客も安心して聞くことができ、納得して商品を購入する気持ちになります。
一方、商品知識が乏しい状態でサービス内容を提案すると、顧客は安心できず、疑心暗鬼になります。これでは、たとえ商品が良くても、購入する気持ちにはなれません。
例えば、薬の営業担当(MR)が顧客である医者から「君の所の販売している、Aという薬だけどどういう薬効があるのかな?」と聞かれたとします。
そこで営業担当は自信を持って「メインの効能としましてはBがあります。一方、補足的にCという効能もありますし、Dという効能もあります。」と言うことができれば、顧客は安心して商品を購入する気持ちになります。しかし、「えっと、Bがあったと思います…」という口調では、顧客は安心できず、商品は買わないでしょう。
このように、営業担当が提案するサービスについて十分な知識を持っていることは、顧客からの信頼を得るために最低限必要な項目です。
契約後も継続したサポート
契約した後に、営業担当の態度が急変し、途端にサポートが薄くなってしまうと、顧客からの信頼を大きく失ってしまいます。
例えば、契約をするまでは毎日のように連絡をとっていた営業担当が、契約した途端に一切の連絡がなくなる、といったケースです。営業にとっては商品が売れたらそこで終わりかもしれませんが、顧客側にとってはそこから商品を使い始めるスタートなのです。
こういった事態にならないためにも、契約成立後にカスタマーサクセスなどの別部門に適切に引き継ぐなど、自社と顧客の関係が良いものであり続けるように努力しましょう。
また、別部門の担当に移った途端、サポートの質が変わってしまったというケースもあります。担当が代わる場合は、成約までの経緯や顧客情報をしっかりと共有し、顧客に適切なサポートができるようにしましょう。
営業担当が持つ悩み
営業担当といえば、営業部で設定されたノルマに対し、日々様々な企業を訪問しながら新規顧客獲得に向けて奮闘しているイメージがあるかと思います。なかでも、デキる営業担当は、毎月ノルマ達成はもちろんのこと、目標を大幅に超え、営業部内でもトップクラスの成約数を持ちます。
そんななか、ノルマ達成にはハードルが高く、なかなか理想の営業担当に近づけず悩んでいる営業担当は少なくないでしょう。営業担当は、商談以外の移動時間で時間を費やすこともあれば、売上に直結しない雑務などに時間を取られることから、どこまで効率的に営業活動を行えるかが大切になります。
営業活動における営業担当の悩みを読み解き、デキる営業担当と違いの参考にしてみます。
営業活動においての拘束時間が長い
社員の口コミ、企業評価サイト「Vorkers」によると2016年度の調査では法人営業職の月間残業時間は55.94時間という調査結果が出ています。
これは労働基準法の「時間外労働の限度に関する基準」、1ヶ月45時間までを超えています。「働き方改革関連法案施行」の影響もあり、従業員のワークライフバランスを国を挙げて見直す機会が訪れており、企業内で営業活動の仕組みを見直す必要があるといえます。
アポイントメントからの成約率が伸び悩む
営業担当は、商談のアポイントをとり、その後企業へ訪問し、商品・サービスの提案をする流れになります。その中でも、商談中の提案は当然最も重要で、営業担当一人ひとりで実力が出る場面ともいえます。
一般的な営業担当は、商談を始めるためのアポイントを獲得するまでは容易にできる場合もありますが、提案がうまくいかず、結局のところ成約にはつながらないケースは多々あります。
「商談はできても、成約には至らない。」
個人の営業スキルに差が出てしまうがために、このような悩みを抱えている営業担当は少なくはありません。
営業スキルを向上するためには?
デキる営業担当の必須スキルをご紹介しましたが、日常業務をこなしながらのスキルアップし続けることはなかなか難しいでしょう。スキルアップするためにも効率化が求められます。
そこで、ここでは効果的な営業スキル向上のための方法をご紹介します。
明確な目標を据える
効果的に営業スキルの向上をしたい場合、まずは明確な目標を持つようにしましょう。目標がある方が、目標が無い場合や抽象的な場合よりも高い成果が得られます。
また、目標設定を行うことは、モチベーションを上げるのにも役立ちます。闇雲に取り組むのではなく、目標をきちんと決めて効率的に取り組むことが大事です。
方法の一つとして、OKR法というものがあります。「Objectives and Key Results」の略語で、大きな目標を1つ立てて、それに向かう具体的な成果指標を1~4つ設定していくという方法です。
例)
大目標:「英語ができるようになる」
⇒具体的な成果指標:「英単語を4,000個覚える」「英会話レッスンを月に8回受ける」「英語の文法の本を1冊購入して読み込む」など
となります。大きな目標から小さな目標まで落とし込むことができるので、目標がリンクしている状態になります。
達成に向けて行動しやすい小さな目標を遂行していくことで、自然と大きな目標の達成に向かって行動していくことが可能になります。
ビジネス本を読む
供給過多の現代では経済学でビジネスをドライブさせるのが難しくなっているといわれています。そこでビジネス心理学の本を手にとってみると良いでしょう。
顧客の心理を読み取ることができれば、顧客の視点、立場にたった行動の予測が可能になります。
デキる営業担当は無意識か意識的に営業活動にビジネス心理学を取り入れています。心理学といっても学術的な知識ではなく誰でもすぐに実践できる内容なので、すぐに商談に活かす事ができます。
商談ごとの振り返りをする
何も用意せずに今日から実践できる、営業スキル向上法があります。
それは商談後に「商談が終わった。早速次の商談の資料を電車の中で見直しておこう…」ではなく、「商談が終わった。今から5分間、今の商談の振り返りをして次に向かおう。」です。商談直後に短時間で集中して行うことが重要です。
商談が終わった直後の新鮮な感覚が残っているうちに、「顧客の反応」や「顧客の声色」などを振り返り、「顧客の心理を想像」します。
「どうやら、社内でうまく話を進めてくれそうだ」、「質問の反応が思ったほどではなかった、アプローチ方法を検討しよう」といったようにロジックではない、感覚的な感想を残すだけでも違います。振り返りを繰り返すことで、商談の雰囲気から顧客の心理を読み取れるようになれます。
ツールの導入を検討する
最近では、セールステックツールといわれ、営業活動支援を目的としたツールが、現在幅広い業種で活用されています。
ツールの目的 | 通称 |
Webマーケティングを自動化 | MA(Marketing Automation) |
顧客情報の管理・解析を行う | CRM(Customer Relationship Management) |
営業担当の営業活動を支援するセールステックツール | SFA(Sales Force Automation) |
SFAは営業活動の情報を記録・管理します。既存・見込み顧客とのアポイントメント状況、過去の商談の記録の参照、企業や担当者情報にアクセスできます。どの製品も概ねクラウド型のシステムを採用しており、外出先でスマートフォンやタブレットで情報の記録・閲覧が可能です。
SFAを利用することで、商談の情報を瞬時に社内と共有することができるようになりました。SFAなどのツールを活用することで、普段の業務を効率化することができ、商談や営業スキルを身に着ける時間に充てることができます。
まとめ
デキる営業担当の必須スキルと、スキル向上に必要な手段をご紹介しました。
以前は難しいとされてきた「デキる営業担当」の営業スキルをテクノロジーの力で可能にしたSalesforceやbellFaceといったセールステックツールが、現在は数多く存在します。
今後、コロナ禍に限らず、ますますインサイドセールスでの営業活動は活発化していくと予想されています。「働き方改革関連法案」が施行され従業員のワークライフバランスを雇用主が見直さなければいけない時代でもあります。
営業活動の生産性向上のみならず、ワークライフバランスを保ちながら営業担当がそのスキルを存分に発揮することのできるセールステックツールです。営業活動で悩みを抱えている方は、ぜひ導入を検討してみはいかがでしょうか。
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