2020年の新型コロナウイルスは世界中に大きな影響を与え、日本国内の私たちの生活も大きな変化を余儀なくされました。ビジネスにおいてもその影響は甚大で、今までのように自由に出社ができなくなってしまったため、やむなくテレワークの導入に踏み切る企業も続々と増えています。
とはいえ、そもそもテレワークは新型コロナウイルス以前から働き方改革の一環として推進されてきた新しい働き方の一つであり、業務効率アップやライフワークバランスの実現などさまざまな効果が期待されています。
そんな昨今の状況において、テレワークを可能にするWeb会議ツールへの関心が高まっています。完全にテレワークでの在宅勤務は難しくても、Web会議の導入を考える企業は非常に多いのではないでしょうか。
そこで、Web・オンライン会議や商談に役立つツールについて、その概要や、Webミーティングのメリットデメリット、導入に必要な設備や環境、さらにおすすめのツールなどについて詳しくお伝えします。
また、最後に、商談においてもWeb会議ツールは使えるのか、それとも商談には商談に特化したツールを選ぶべきかといった点もお伝えします。
需要が高まる「Web会議ツール」の基礎知識
コロナ禍で全国的にテレワークの導入が進んでいますが、それに伴って需要が高まっているのがテレワークを可能にするためのWeb会議ツールです。では、Web会議ツールとは具体的にどんなものなのか、どんなシーンで使えるのかを確認しておきましょう。
Web会議ツールとは離れた場所にいる人同士をつなぐツール
Web会議とは、文字通りインターネットを使ってリアルタイムで映像や音声を共有しながら、離れた場所にいる人同士が会議などビジネス上のコミュニケーションを図ることを指します。Web会議ツールとは、そのWeb会議をスムーズに行うためのツールです。
今なら特にツールを用意しなくても、各自のパソコンやスマホ、タブレットを駆使して簡単な会議や資料のやり取りはできるでしょう。
しかし、それでは大人数の会議を行うには不十分であり、各自の環境も異なるため何かと支障も出るものです。
その点、Web会議ツールがあれば、複数人が同時に、かつ、スムーズに会議を行ったり、資料を画面に表示してそれを各自の画面上で共有したりなどといったことが可能になります。
Web会議ツールの様々な活躍シーンはワークスタイルを大きく変える
Web会議ツールがどのようなシーンで有効なのか、具体的な活躍シーンを紹介しましょう。
まずは、在宅勤務やサテライトオフィス勤務など、テレワークをおこなっている場合です。
テレワークには勤務時間を短縮したり、勤務終了後に有効な時間活用ができたりといった利点がありますが、テレワーク中も同僚や取引先と顔を合わせてコミュニケーションを図る必要があります。
オフィスに出社しているメンバー、もしくは取引先企業の担当者とディスカッション等を行うのに有効なのがWeb会議ツールです。
Web会議ツールを使えば、打ち合わせや問い合わせなどコミュニケーションを取る必要がある際に、ツールを使ってすぐに会議を開くことができます。インターネット環境さえあれば、どこにいても会議に参加することができるのです。
テレワークだけでなく研修などにもWeb会議ツールは役立ちます。集合教育や社内研修などは日程を決めたり、開催場所を確保したりと本番の前々から調整しなければならないことがたくさんあります。主催側に負担がかかるのはもちろん、参加者にも移動など負担がかかります。
その点、Web会議ツールを使えば、各自が都合の良い環境で研修に参加できます。
わざわざ会場まで移動する必要がないため参加者への負担が少ないうえ、主催者にとっても、場所の確保が不要になることで余計な時間と手間がかからなくなるというメリットがあるのです。
また、少人数から大人数まで自由に参加人数を設定できるため、さまざまな規模の研修に活躍します。
その他にも、テレワーク中の人に向けてオフィスの様子を常に映像で流しておくことで、働いている様子を垣間見れたり、必要があれば話しかけて相談したりといった使い方も可能です。
同じ場所に居なくても、オフィスで働いている同僚との一体感が得られるでしょう。
営業活動においてもWeb会議ツールは活躍します。従来なら顧客のもとまで直接打ち合わせに出かけていたため、移動時間だけで数時間もかかっていたという企業も少なくないはずです。
かといって、電話やチャットでは十分なコミュニケーションがとれないことも多くあります。
そこで有効なのがWeb会議ツールです。Web会議ツールを使えばお互いが顔を合わせてコミュニケーションが図れるため、十分な意思疎通ができます。資料の共有も画面を通じて簡単にできるため、理解の齟齬がありません。
また、全国に支社を構える企業であれば、Web会議ツールを使って全体規模の会議を簡単に開催できます。以前は支社からわざわざ本社に来てもらう必要があったため、そう頻繁に開催できなかった全体会議も、ツールを使えばスケジュールが調整しやすくなるでしょう。
外国との打ち合わせにもWeb会議ツールは有効です。時差さえ考慮すれば、世界中どこにいようと場所の制約を受けずに、多国間での会議が手軽にできるようになります。
Web会議ツールを導入するメリット・デメリット
Web会議ツールでどのようなことができるのかがわかったところで、次に、ツールを導入することのメリットをさらに詳しく、また、デメリットにもついても見ていきましょう。
Web会議ツールのメリット
先ほども触れたように、Web会議ツールのメリットは場所の制約から解放されることです。地方の支社でも海外の取引先でも、移動することなくお互いの拠点にいたまま会議ができるのは、ツールを導入する大きなメリットではないでしょうか。
また、移動しなくてよいということは、それに伴う時間とコストもカットできるということです。会議や打ち合わせのために電車や飛行機を使って移動していたのなら、その交通費はかなりのコストになります。
また、移動時間が無駄に思えることもあったでしょう。遠方なら宿泊費も必要です。それらがすべてカットできるため、業務効率がアップするだけでなく余計な出費も大幅に削減できます。
Web会議ツールの導入は低コストで可能です。Web会議と似た種類のものにテレビ会議がありますが、こちらは専用のモニターや回線を必要とするため、導入にかなりのコストがかかるのがネックでした。
その点、Web会議ツールは既存のパソコンと回線を使ってすぐに使えるため、導入にかかるコストはテレビ会議よりも大幅に安く、実施までの手間と時間も少なくて済みます。
特に、クラウド型のWeb会議ツールなら、システム利用料を払うだけで運用やメンテナンスなどの面倒なことはすべてベンダーがやってくれるため、余計な手間をかけたくない方におすすめです。
また、Web会議ツールを導入すれば、会議の開催に時間がかからなくなるため、従来の会議よりも意思決定のスピードが大幅にアップするでしょう。
全員が同じ場所にそろうのを待つのと比べて、各自が自分の都合の良い環境で参加できるため、「その日は〇〇さんが出張で不在だから」といったスケジュールのすり合わせに苦労することがなくなります。
急を要することが起こっても、簡単に緊急会議が開けるため、企業としての意思決定がスピードアップするのは間違いありません。
さらに、従来は会議のための資料を準備するのに、人数分印刷して配布するなどと手間やコストを掛けていましたがが、Web会議ツールではその必要がありません。
Web会議ツールには各自のモニター上に同じ画面を表示できる機能があるため、人数分の資料を用意しなくても簡単に参加者同士で同じ資料が共有できるようになります。手間や時間が節約できるだけでなく、ペーパーレス化にもつながるのです。
Web会議ツールのデメリット
Web会議ツールは非常に便利なツールですが、導入にあたって冷静な判断を行うために、メリットだけではなくデメリットについても押さえておきましょう。
Web会議ツールの主要なデメリットとしては、各自のインターネット回線の通信状況に大きく左右される恐れがあることです。接続状況があまりに悪いと、会議中に通信が中断する可能性があります。中断とまではいかなくても、画質や音質が落ちることはよくあります。
このように、対面での会議では起こり得ないことが起こり得ることは、Web会議ツールのデメリットといえるでしょう。重要な会議をWeb会議ツールで行う場合は、事前に通信状況をテストするなど入念な準備をしておく方がよいでしょう。
また、Web会議ツールのなかには大人数での会議に対応したものもありますが、どちらかというと少人数向けで威力を発揮するものが多いと言えるでしょう。もちろん用途にもよりますが、あまり多くの人が参加すると、誰の発言かがわかりにくくなりますし、発言が重なって聞き取りにくくなることもあります。
さらに、リアルな会議なら、対面しているため各自の表情がよくわかり、発言だけでなく表情などが醸し出す全体の雰囲気からその人の気持ちを読み取ることができますが、Web会議ではそれが難しいのがデメリットです。
発言のみを材料に相手のことを判断しなくてはならないこともあるでしょう。軽い打ち合わせ程度ならともかく、重要な面談などでは対面をあえて選ぶ企業もあります。
Web会議ツールの導入にあたっての不安点
Web会議ツールのメリットとデメリットはわかりましたが、実際に導入するうえでの不安点もあります。生産性と業績への影響を考えてみましょう。
生産性への影響
対面での会議スタイルに慣れてしまっている場合、Web会議ツールを導入することで生産性が落ちるのではないかと不安に感じることもあるでしょう。
ところが、これは逆です。Web会議ツールを導入することで、むしろ生産性は上がると言えます。というのも、Web会議を導入すれば会議に参加するための移動時間を考えなくて済むようになるためです。
たとえば、各支社の責任者が会議を行うケースでは、以前なら本社などに全員が集まるしかありませんでした。そのため、遠方にいる人は会議に参加するために長時間の移動を強いられることになります。
その人自身にとっても無駄な時間ですし、また、その人が責任者なら、責任者が不在になる支社では、その間、意思決定ができなくなるようなことも考えられるでしょう。こうしたことが業務効率を悪化させ、生産性を低下させていたのではないでしょうか。
それがWeb会議ツールの導入で解消されるわけですから、会議で発生していたロスがなくなり、生産性はかえって上がると予想できるのです。
業績への影響
業績への影響の不安に対しても同じことが言えます。Web会議ツールを導入すると余計な移動時間が削減できるのが一点です。
また、Web会議が可能になることによって、会議そのものの意味を問い直すことにもつながります。簡単な打ち合わせ程度であれば、わざわざ集まって対面して話し合う必要はないかもしれません。
リアルな会議は、本当に重要なテーマのみ、リアルのコミュニケーションのみから生まれるアイデアに期待して行われるケースに限定されていくでしょう。
ただ、全体の業績を考えるうえでは、Web会議ツールの導入においてカットできるコストと発生するコストをよく比較しなければなりません。
たとえ余計な時間やコストなどのムダがカットできるといっても、高額なシステム利用料のために支出の方が上回ってしまっては意味がありません。
Web会議ツール導入の費用対効果については、事前に十分検討をおこなっておく必要があります。
Web会議ツールの導入に必要な設備
Web会議ツールの導入にはどのような設備が必要となるのでしょうか。特別な設備がなくても導入できますが、Web会議をスムーズに行うために押さえておきたいポイントがいくつかあります。
インターネット環境
Web会議ツールはインターネットに接続できる環境であればどこでも使えるのが大きなメリットですが、そのインターネット環境がどの程度のものなのかによって通話の品質が大きく左右されます。
生産性を上げるためにWeb会議ツールを導入したのに、貧弱なインターネット環境のために不具合が頻発するようでは、導入した意味がありません。
大企業はともかく、中小企業の中には、社内で使用するインターネット回線に一般的な共用回線を使っている場合もあるかもしれません。
最近ではそれらも高速化が進んでおり、通常業務において不便することはほとんど無いかもしれませんが、Web会議に備えて改めて見直しておく必要があります。
通話品質の低下など、スペック不足の印象を受ける場合は、法人向けに提供されている光回線プランを選ぶとよいでしょう。
また、プロバイダによっても通信状況が変わってきます。各プロバイダごとに保有する帯域は違っており、その大小で混雑具合も変わってきます。安さが売りのプロバイダのなかには帯域や転送量に制限を設けているところもあるので、スムーズなWeb会議を実現するには大手のプロバイダに乗り換えることも検討しましょう。
ご紹介したようなオフィスのインターネット環境だけでなく、最近ではテレワークの広がりにより、社員の各家庭のインターネット環境についても考慮する必要が出てきました。
通信速度が遅い、マンションで他家庭の使用状況にも影響されるなど、各家庭のインターネット環境はさまざまです。安定したWeb会議を実現するためにも、インターネット環境構築のサポートを行うなど、必要な対策を進めておきましょう。
Webカメラやマイク
わざわざ専用のWebカメラやマイクを用意しなくても、パソコンに内蔵されているものでもWeb会議は行えます。ただ、端末によってはそれらの品質があまり良くないこともありますので、必要に応じて外付けの製品を用意した方がよいでしょう。
Webカメラのポイント
まずはWebカメラについて、少し詳しく見ておきましょう。Webカメラの画質は、画素数とフレームレート、それに、画像伝送レートをチェックすればだいたいわかります。
画素数とは、カメラが出力する画像1枚に画素がいくつあるかを示す数値で、数字が大きくなるほど高精細な画質になります。100万画素あれば大丈夫ですが、画質にこだわるなら130万画素以上あった方がよいでしょう。
フレームレートとは、カメラが1秒間に出力する画像の枚数です。パラパラ漫画を想像するとわかるように、その枚数が多くなるほどスムーズな動きを可能にします。Webカメラの場合、30フレームを目安にしましょう。
画像伝送レートとは、「bps」の単位で表される1秒当たりのデータ出力量です。画素数とフレームレートが大きくなるほど画像伝送レートの数値も大きくなります。
ただし、bpsの数値が大きくなるほど、ネットワークへの負荷も高くなるということですので、場合によっては遅延などが起こることもあります。
それを解決するため、Webカメラには圧縮という技術が使われていますので、参考までに覚えておきましょう。
Webカメラは、これら3つの要素を頭に入れて選んでください。
マイクのポイント
続いてはマイクについて。マイクも、最近のパソコンやタブレットに内蔵のマイクは以前のものと比べてかなり性能が良くなっていますが、Web会議専用に外付けのマイクを用意した方がよりクリアな音声で会議に参加できるでしょう。
Web会議用のマイクを選ぶ際に押さえておきたいポイントは、主に以下の2つです。
まず1つ目は、何人でマイクを利用するか。Web会議に参加するのは自宅のパソコンからで、いつも1人で参加するという場合は、マイクとヘッドフォンが一体になったヘッドセットやマイク付きのイヤホンなどが便利です。
一方、たとえばオフィスのモニターを通じて複数人が同時にWeb会議に参加するケースも考えられるでしょう。
そのような場合におすすめなのがマイクスピーカーです。マイクスピーカーとは、その名の通り、集音マイクとスピーカーが一体になった機器で、複数人がハンズフリー状態で使うために活用されるものです。
対応人数はマイクの説明書に書いていますので、Web会議用にマイクスピーカーを買う場合は事前に確認しておきましょう。
ポイントの2つ目は、Web会議に参加する場所です。Web会議ツールを使えば、自宅やオフィスだけではなく、インターネットがつながるあらゆる場所でWeb会議に参加できますから、出先や移動中に参加することも考えられるでしょう。
そういう場合は、外の騒がしい環境のなかでもクリアに音声を拾うことのできるヘッドセットがおすすめです。
いずれにしても、カメラは自分を良く見せるものですが、マイクは会議・商談の相手がクリアな音声を聞けるかどうかを意識した、相手のためを考えたものでもあります。
もちろん必要な要件を決定した上でですが、PC内蔵のマイクのままでも良いか、それとも別途マイクを購入するか、そしてどんなマイクを購入するか、検討しましょう。
スマートフォンでの接続も可能
Web会議は基本的にパソコンで参加するものというイメージがありますが、多くのWeb会議ツールでは、スマートフォンやタブレットなどモバイル端末でも会議に参加できます。
つまり、外出中でパソコンが開けない場合でも、スマホを取り出すだけで会議に参加できるということです。
出先での作業中や移動中など、たとえ発言は難しい状況でも会議に参加して内容を把握できるので、外出が多い方にとっては重要なポイントと言えるでしょう。
その他あると便利なもの
Webカメラとマイクを用意すれば、そのほかに特に必要なものはありませんが、Web会議における自分のカメラ映りをより良くするポイントに照明があります。
どんなに良い機材を使っていても、照明の当たり具合によっては画質が悪く見えることもあります。Web会議に限らず、パソコンを通じてリモートで人と接する時は照明に気を使うようにしましょう。
とはいえ、専用の照明キットを買う必要はありません。光源とWebカメラの位置をちょっと工夫するだけで、画質は大幅に改善します。
まず基本は、カメラの後ろ側に光源が来るように、パソコンと照明の位置を調整することです。自分の後ろではなく、自分の前に光が来るように座るとよいでしょう。
例えば、昼間に大きな窓を背にして座ると逆光になってしまうので、他の参加者が見た時の映りがかなり悪くなってしまいます。仮にいつもの作業環境で配置がそうなっていたとしても、Web会議に参加する時は、窓に向かって座るようにしてください。モニターを通して見ると鮮明な画像に映っているはずです。
照明と並んで気をつけたいのが、Web会議中の周囲のノイズです。電化製品などの発するノイズもありますが、それより気になるのが、どこが発生源なのかわからない「ブーン」や「キーン」というノイズです。
また、ノイズではないものの、自分の声が反響したり遅れて聞こえたりしてスムーズな会話を邪魔するという事態もよくあります。
こういった事が起きてしまっていないかなど、自分の環境における通話品質について問題がないか、同僚とも事前に確認し合っておきましょう。
Web会議ツールの選び方
では、いよいよWeb会議ツールの選び方をお伝えします。コロナ禍で注目されて以降、さまざまな製品が出ており、機能や料金プランもさまざまです。項目ごとに分けてツール選びのポイントを見ていきましょう。
料金体系
Web会議ツールには、月額料金のかからない買い切り型(オンプレミス型)のツールもありますが、最近のトレンドは月額料金制のクラウド型です。
Web会議の規模が大きく、回数も頻繁で参加者も多い、また、自社でカスタマイズしたいなどの要望があるなら、自社のネットワーク内にサーバーを構築するオンプレミス型のシステムもよいでしょう。
しかし、余計なコストや手間をかけずに簡単にWeb会議ができるようになりたいなら、月額料金制のクラウド型をおすすめします。
月額料金制のツールはたくさんありますが、多くのツールにはプランがいろいろあって、無料版と有料版があるものもあります。無料版を選べば確かにコストはかかりませんが、機能が制限されていることが多いので注意しましょう。
また、有料プランを提供するツールにも、プランごとに利用可能な機能を差別化していたりさまざまな工夫がされています。もちろん高額なプランを選ぶ方が機能的に不安はありませんが、そもそもそのすべての機能を必要とするのか、費用対効果はどうかをよく考えなければなりません。
料金プランが複数あるツールで選ぶなら、まず月単位の会議の回数や時間を割り出し、どれが最適なのかを検討してみましょう。月によって会議の回数や時間が変動するなら、年間でのざっくりした時間を計算してみてください。
Web会議ツールの料金プランには、大きくわけて3つの種類があります。
一つは、利用した分だけ料金が発生する完全従量制。その反対が、月額料金だけで使い放題の完全定額制。その中間に、一定時間以内の利用が定額で、超過した時に料金が発生する一部定額制があります。
額面だけを比べると完全定額制が高く見えますが、今後、Web会議を大々的に導入して社内全体で続けていきたい場合は、完全定額制が結果的に最もお得になるでしょう。
参加可能人数
Web会議を通常、何人で実施するのかはもちろん企業ごとに違いますし、会議の目的によっても変わってくるでしょう。
ただ、なるべくなら同時に接続できるアカウント数が多いツールを選んでおいた方がよいです。会議だけでなく研修やセミナーにもツールを活用する可能性があるなら、ある程度の人数が参加できることを条件に選ばなければなりません。
Web会議への参加可能人数は、製品によっても違えば、料金プランによっても大きな違いがあります。ただ、無料版があるツールでは、無料のままでは参加人数にもかなりの制限を受けることは覚えておきましょう。
企業がWeb会議に利用するのであれば有料プランを選び、必要な人数枠を確保しなければなりません。最大参加人数は最初にチェックしておくべきポイントの一つとなります。
また、一つの会議への同時参加人数と同時に、一つのツールで同時に会議を実施できる数もチェックしておく必要があります。ツールによっては、この同時会議数をもとにして契約プランを決定するものもあります。
あまり同じ時間に会議が重なることがないのであれば、お得に利用できるプランとなるでしょう。
このあたりの仕様は製品やプランごとに千差万別であり、どれが自社の状況にふさわしいかを見極めるにはなるべくたくさんのツールを比較する必要があります。
通話可能時間
Web会議ツールの通話時間も、参加可能人数と同じく製品やプランによって差があります。
無料で利用できるツールの場合、参加人数だけでなく1会議あたりの会議時間にも制限があることがあります。長時間に及びそうな会議や、参加人数多数のセミナーや研修に利用するのであれば、やはり時間無制限のプランのある有料ツールを選ぶ必要があります。
会議への招待・参加方法
Web会議を開くのに手間や時間がかかったり、参加に手間取るようなツールは、会議の参加者全員が使いこなせるようになるまでに相当な時間がかかってしまいます。
そのために、Web会議が自社に定着しなかったなどという結果になっては困りますので、なるべく会議への招待や参加の方法が簡単なツールを選びましょう。
数回のクリックで会議を実施できるツールや、招待URLを送った相手はアカウントがなくてもブラウザで会議に参加できるツールなど、使い勝手を重視したものがいろいろありますので、複数のツールを比較して検討してください。
セキュリティ面
Web会議であっても、社内の会議である以上、秘匿性の高い情報を扱うことはきっとあるでしょう。顧客の個人情報など外部に漏れてはいけない情報をやり取りする可能性もあります。
Web会議はインターネット上で行う会議ですから、セキュリティには十分に注意しなければなりません。対策の不十分なツールを選んでしまうと、悪意のある人間に盗聴されるリスクがあります。
通信の暗号化や専用サーバーを介する方法など、Web会議ツールのなかにもセキュリティ対策に力を入れているものは多いですが、セキュリティレベルも有料版と無料版、各プラン間で違っている場合があります。なるべくコストを抑えたい気持ちは当然ですが、セキュリティ対策だけはくれぐれも注意してください。
通話品質
先ほども述べたように、通話品質はWeb会議において非常に重要なポイントです。映像が乱れたり音声に途切れや遅延があったりすると、会議の円滑な進行に支障をきたします。
画質はともかく音声に問題があると、「重要な情報を伝えたつもりだったのに、実は伝わっていなかった」などという重大ミスも起こりかねません。
Web会議ツールの通話品質は、使用するネットワークの状況に依存することは先ほどもお伝えしたとおりです。ただ、ツールによっても、たとえば無料版と有料版では、無料版の方が通信が不安定になりやすいなどの違いが見られます。
ビジネスで用いるなら、やはり有料プランのあるツールを選んだ方がよいでしょう。
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Web会議ツールで商談も可能?
Web会議ツールを使えば、遠隔地の人同士がコミュニケーションを取れるようになります。ということは、社内の会議や研修だけでなく、対外的な商談にも使えるだろうと考えるのは自然なことです。
もちろん商談にWeb会議ツールを使うことは可能です。とはいえ、商談には商談に特化したツールも存在します。そこで、Web会議ツールを商談に使うメリットとデメリット、商談に特化したツールを利用するメリットなどを詳しくお伝えしましょう。
Web会議ツールで商談を行うメリット・デメリット
Web会議ツールも、電話やメールでやり取りする場合と比べると、商談にとって多くのメリットを発揮します。
たとえば、画面共有の機能を使えば、事前に先方に資料を送るような手間もなく、すぐに必要な資料を画面上に映すことができるのです。マウスをポインター代わりにして資料の説明もできるので、相手の理解を確かめながら商談を進められるでしょう。
また、この画面共有の機能は、こちら側から顧客に何かを説明する時だけでなく、先方の意図や要望を正しく把握するのにも有効です。
たとえば、顧客が資料を用意しているような場合、メールで事前に送ってもらうよりも、商談中に画面共有で具体的なイメージを提示してもらう方が、こちらの説明が相手にわかりやすいのと同じく、向こうの説明も理解しやすくなります。商談だけでなく、顧客のアフターサポート等にも活用できるでしょう。
Web会議ツールにはこんな使い方もあります。
たとえば、商談の最中に担当の自分には対処し切れない専門的な話になったとしましょう。通常のリアルな場での商談なら、そういうことがあった時には、疑問を一度社内に持ち帰り専門職の人間に確認して、改めて顧客を訪問するか電話やメールなどで説明するかという迂遠な対応を取るしかありませんでした。
その点、Web会議ツールを使って会議中、顧客が専門的なポイントで疑問を感じた時も、社内にいるならすぐに担当の人間を呼び、代わりに説明してもらうということが可能です。
必要なら最初から同席してもらうことも、Web会議ツールを使えば簡単でしょう。商談中の疑問をすぐに解決できることは、営業力のアップにつながります。
このように商談でも便利なWeb会議ツールですが、商談に使用する場合においては少々不都合に感じるデメリットとなる面も存在します。
たとえば、通信の安定性です。インターネット回線を利用するWeb会議ツールは、回線の状況等に影響を受けやすいことはすでにお伝えしたとおりです。大事な商談中に音声が途切れるリスクがあるのは大きなデメリットでしょう。
もう一つ、Web会議ツールでの商談でデメリットになる点が、先方に時間と手間を取らせることです。ツールによっては、使用する前にシステムをインストールしたり登録が必要だったりするものもあります。
社内の人間同士ならそれでもかまいませんが、顧客にわざわざそれをやってもらうのは少々気が引けるのではないでしょうか。技術的な問題で先方が手間取るようなことがあったら、商談どころではありません。
商談に特化したツールを利用するメリット
上記のように、Web会議ツールを使って商談をすることには、メリットもある反面、無視できないデメリットもあります。そのデメリットを解消するのが、商談に特化したツールであり、その代表候補が後ほど改めて紹介する「ベルフェイス」です。
商談に特化したツールを使うことのメリットは、商談の成功率を高めるための様々な機能が搭載されていること、そして会議の参加が簡単にできるなどが挙げられます。
商談に特化したツールだけあって、Web会議ツールにはない多くのメリットがほかにもありますが、それらは項を改めて「ベルフェイス」を例に説明していきましょう。
オンライン商談ツール「ベルフェイス」
ベルフェイスとは、業界でトップクラスの導入率を誇るオンライン商談ツールです。Web会議ツールのように、利用までにさまざまな登録などのプロセスを経ることなく、お使いのブラウザですぐに利用できます。
独自の技術によって、IDの発行やソフトウェアのインストールなしでの利用を可能にしました。商談相手が必ずしもITリテラシーの高い方ばかりではないですから、ブラウザですぐに使えるメリットは非常に大きいです。
また、Web会議ツールのようにインターネット回線のみ依存する形だけでなく、電話での音声通話+ベルフェイスでの画面共有といった形の使い方も可能。電話による営業やサポート対応に視覚的情報を補完することができます。
また、この方法であれば、万が一インターネット回線が不安定でも、音声は安定して届けられるため、大事な商談が回線状況に影響されてしまう心配がありません。
Web会議ツールのような画面共有の機能ももちろん備えています。むしろ、多くのWeb会議ツールよりも資料の共有は簡単です。画面上に資料を表示させている状態で、お互いのマウスがどこを指しているかわかるうえ、お互いが資料のページをめくることもできます。
また、営業側の画面には資料のスクリプトを表示させる機能があるので、いざという時にそれをカンペのように見ることも、トップの営業パーソンのトークを資料にして新人の教育に使うことも可能です。
セールスログ機能もベルフェイスの便利なポイントです。商談の始まりから終わりまで自動でデータに残すことができるため、商談に参加していない人にも内容を簡単にシェアできますし、自分の商談の進め方、たとえば説明のわかりやすさ、資料を提示するタイミング、改善できそうなポイントを振り返るのにも役立ちます。倍速再生が可能で、短時間で商談を振り返るのにおすすめの機能です。
カスタマーサポートが充実していることも、ベルフェイスが選ばれる理由の一つです。有償ユーザーには専任のコンサル担当者が付き、導入のための打ち合わせから活用例の提案、導入後の営業目標に向けた進捗確認などを支援してくれます。
また、3か月に約1回のペースで大規模なユーザー会を開催しており、ベルフェイスをいかに活用して成果につなげているかを、先に導入して活用に成功している企業から学ぶ機会も用意されています。
詳細な料金は、公式サイトから資料をダウンロードすれば確認できます。問い合わせを行えば、実際にベルフェイスを使って商談の場が設けられるので、受け側の印象も確かめることができます。また、契約する前に体験利用を行うことも可能です。
一般的なWeb会議ツールではなく、簡単に利用できてクオリティの高い商談に特化したツールをお探しなら、ぜひベルフェイスをご検討ください。
まとめ
新型コロナウイルスの影響で導入が進むWeb会議ツールですが、たとえコロナ禍が収束しても、Web会議自体は新しいビジネスのあり方の一つして定着するのではないでしょうか。便利なツールも続々登場しているので、ITには自信がないという方でも簡単に利用できる製品が見つかることでしょう。
ただし、Web会議ツールにはさまざまな製品があり、同じ製品でも料金ごとにプランが分かれているものが多くあります。料金やプランによって使える機能などに違いがあるので、ツール選びの際は注意してください。
また、Web会議ツールは商談にも利用可能ですが、よりクオリティーの高い商談を実現するのなら、商談に特化したツールを選びましょう。なかでもベルフェイスは、業界一の導入実績と豊富な機能、手厚いカスタマーサポートで大注目の存在です。この機会に、会議だけでなく商談のあり方も見直したい企業におすすめします。
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