セールス特化型MAツールのプロに聞く!デジタルの活用でアナログ時間を作り出す、お客様から感謝されるデジタル営業体制の姿とは?

コロナ禍となって半年以上が経ち、日々のセールス活動にオンライン商談やメール配信によるフォローアップを取り入れ、「デジタル営業」にチャレンジし始めた企業は多いのではないでしょうか。その一方で、ツールや仕組みは取り入れたけれど、なかなか成果につながらないという声も多数。

そこで今回は、全国各地を支える企業に対して「デジタル営業」の伴走・支援を行うMarketing-Robotics社の畠 雅弥氏にインタビュー。同社の提供する営業体制の変化を現場から起こせる、営業パーソンのためのMAツール「マーケロボ」や、「デジタル営業」の必要性、そして導入時の注意点や、営業のデジタル化がもたらす未来について伺いました。

Marketing-Robotics株式会社 営業部長 執行役員 畠 雅弥さん
1987年福岡県生まれ。福岡のベンチャー企業で営業メンバーとして活躍後、人材派遣・紹介会社に入社。史上最速、最年少で支店立ち上げを成し遂げ、2年後には北九州支店立ち上げにも携わる。2018年、結婚と子育てを機に働き方を見つめ直しスキルアップするため、タクセル(現Marketing-Robotics)へ入社。インサイドセールス・フィールドセールスの責任者に就任。2018年9月より現職。

【営業DX】今こそ営業部門のデジタル化に取り組むべき理由

デジタル途上のセールスの現場をわかりやすい形に変え伴走するサポートを目指す

――御社が提供するMAツール『マーケロボ』の強みや、ソリューションの特徴についてお教えください。

「マーケロボ」は現場の営業目線で開発された、営業特化型のMAツールです。アポイント獲得率や成約率の向上を目的とし、現場の営業パーソンが使いやすいシンプルなUI/UXを採用しています。

通常のMAツールはマーケター向けで、専門性の高いことが多く、それほど規模の大きくない中小企業では使いこなせないことも多々あります。しかし多くの企業では現場の営業パーソン自身が見込み客へのアプローチやデジタル広告出稿などマーケターの役割を担っているでしょう。

そこで「マーケロボ」はできるだけマーケティング用語を使わず、営業パーソン自身が自らマーケティングができるよう設計しています。お客様は100~300人規模の製造業を中心とした、地域に根ざして事業をおこなっている企業が中心です。営業チームは20~30人規模のことが多いですね。

当社の大きな特徴は、こうしたお客様に対してビジネスの現場に入り込んでツールの運用をサポートする点です。どれだけ優れたツールがあっても、現場のみなさんが使いこなし、変化が実感できなければ導入した意味がありません。

顧客リストの取り込みから、メールマガジンの文面作成、ウェブサイトの動線設計やシナリオ設定を行い、顧客の動きが変わるところを実感していただくことを大切にしています。

―― 畠さんのミッションは?

営業部長として、セールス、マーケティング、クリエイティブのすべてを統括しています。マーケティングの観点から考えると、デジタル広告の出稿やお客様とのコミュニケーションに、クリエイティブの力が欠かせません。セールスのみならず、マーケティングもクリエイティブも一気通貫して統括しています。

畠 雅弥さんの写真

―― コロナ禍に突入して半年以上経ちましたが、「デジタル営業」はどれぐらい浸透してきましたか。

個人的な感覚ですが、まだそれほど浸透しているようには感じられません。さすがにベルフェイスをはじめとするオンライン商談ツールを導入する企業は増えましたが、それだけでは「デジタル営業」ができているとは言い難いように思います。

未だにエクセルやスプレッドシートで顧客管理を行い、顧客情報の可視化や共有ができていない企業がたくさんあるのが現状です。まずは属人的な営業手法を見直し、自社の顧客数や、その検討フェーズを把握するところからはじめてもいいのではないでしょうか。

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デジタル営業で真の課題が可視化されて社内全員が納得することが可能に

―― 「デジタル営業」の導入がうまくいかない企業にはどのような共通点があるでしょうか。

社内に分断があることです。上層部は「デジタル営業」を取り入れたいと思っていても、現場はいままで通りでかまわないと思っていたり、逆に現場は「はやくデジタル営業をはじめなければ」と強い危機感を持っているのに、経営陣に危機感が薄かったりするケースが多いんです。

その場合、社内全体の足並みがそろわないため、なかなか「デジタル営業」が浸透しにくいと思います。

―― 実際に「デジタル営業」を導入した後、成果につなげるために何が必要でしょうか。

大きく2つあると思います。

1つは自社の真の課題を明らかにすること。多くの企業では現状の営業活動が「ベストではない」とわかっていても、何が課題で、どのように改善すれば成果につながるか見えていないことがほとんどです。

もちろん企業ごとに営業のあり方や、扱っている商品も顧客層も異なるので、対処方法は様々です。自社のセールスにおいてどのフェーズに、どのような形でツールを組み込み、どのように成約率を高めるかについてきめ細かくシナリオ設計を行う必要があるでしょう。

とはいえ、そうしたシナリオ設計を、企業が自社内で行うのは難しいように思います。その点について、当社をはじめとする外部パートナーに客観的なアドバイスをもらいながら、二人三脚で真の課題を明らかにしていくとよいのではないでしょうか。

2つ目は、適切な数値設定を行うことです。従来の営業方法では商談10件中、5件が成約していたけれども、「デジタル営業」を導入したところ商談は6件に減り成約も4件に減った――このとき「成約件数が減ったぞ!」と表面的にとらえてしまう経営陣やマネージャーがとても多いんです。

実際はデジタル営業を導入後の方が、約67%と高い成約率を出しているのに、目先の数字に振り回され、「仕事をしていない」「コロナだから受注が取れない」と早計な判断をしてしまう。デジタル営業の導入と同時に、営業の成果をどの数字で図るのか、すなわちKPI設定も見直さなければならないでしょう。

畠雅弥さんの写真

見ている数字は適切か? 「デジタル営業」の落とし穴

―― デジタル営業を行う上で、どのような数字に着目すべきだと思いますか。

「数」だけでなく「率」にも注目することです。「デジタル営業」にシフトすると、可視化できる数値が増え、様々な数字に目が向いてしまいます。

しかし重要なのは、コール数や訪問数といった目先の行動量だけでなく、アポイントから商談へ進んだ割合はどれぐらいなのか、商談からの成約率はどれぐらいなのかといった、営業フローの各フェーズの「移行率」にも着目すること。

MAツールなどを用いて細かく数値を見ていくと、成約に寄与していたのが実はアポイント獲得率や商談化率などの、移行率であることがわかるはずです。それによって、自社のセールスの「質」を見極めることができるでしょう。

あるいはオンライン商談を行うようになると、それまで移動を含めて3時間かかっていた商談が、移動時間がなくなるため1時間で済むようになります。そのとき、極端な話、これまでと比べて商談化率が3分の1以下になっていなければ、生産性は上がっているととらえて問題ありません。

こうした数値を適切に設定しなければ、営業支援チームや営業事務など間接部署の方と遠隔でやり取りする際もスムーズにできなくなってしまいます。見るべき数値も、数値の見方も大きく転換すべきだと思います。

―― デジタル営業の導入・浸透に成功している企業の「ゴールデンルール」はありますか?

ツールだけに頼っていないことです。営業のデジタル化というと、すべてツールが自動的にうまくやってくれると勘違いしてしまいがちです。しかしMAツールも含めたテクノロジーの役割は、「生産性を上げ、人が人にしかできないことに専念する時間をつくり出すこと」です。

ツールの導入によって新しく生まれた時間でお客様とのコミュニケーションに時間を割き、提案資料の作成に力を入れる。このように人にしかできないことをデジタル営業に組み込み、営業の「質」を高めるためにリソースを使うことのできている企業はデジタル営業もうまくいくと思います。

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―― デジタル営業が成功したお客様の事例をお教えいただけますか。

従業員20人ほどのある介護関連のサービスを提供している企業では、当社のMAツール「マーケロボ」を活用してウェブサイト上の顧客行動の可視化からリード獲得、メール配信による顧客フォロー、クロージングまで一貫して当社がセールス活動を伴走しています。

それまで同社では一日何百件も架電してアポ取りをおこなっており、営業パーソンは疲弊していたそうです。ウェブサイトからの問合せは1年に1件もあれば良い方だったといいます。

そこでまず、「マーケロボ」すべての顧客情報を登録していただき、ウェブサイトもリニューアル。動線設計の抜本的な改善を行いました。

その結果、メール配信や資料ダウンロードをしてくださったお客様に対して、適切なタイミングで営業パーソンがアプローチできるようになり、現在では自社サイトに月間30件以上の問合せが寄せられ、営業パーソン1人あたり月間1,000万円ずつ売上をあげられるようになったそうです。

いまでは架電の目的も変化。架電は認知獲得を行うための資料送付が目的となり、ウェブサイトに訪問した「興味・関心」層にセールスを行うという新しい営業体制を確立することができました。

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セールスパーソンもお客様も幸せに デジアナ融合のあるべき姿

―― 営業のデジアナ融合が進むと、どのような営業活動が実現すると思いますか。

営業パーソン、お客様の双方のストレス軽減が実現できると思います。デジタルとアナログの融合が進めば、お客様にアプローチする最適なタイミングがわかり、興味・関心のない段階のアプローチは不要になります。

そこへアナログ営業で培ったお客様への心遣いやあたたかいコミュニケーションを組み込めば、営業活動のつらさも、「いらないと言っているのにしつこく営業してくる」といったお客様とのトラブルもなくなるはずです。

営業とは本来、お客様の困りごとを改善したり解決したりすることで、多くの人に感謝されるすばらしい仕事のはずです。しかしいまは嫌がられる仕事になってしまっています。その現状から脱却できたらいいなと思っています。

これから先、まだパンデミックは続くかも知れませんし、予測できない事態に直面する可能性は充分にあります。VUCAの時代(不確実性の時代)と言われるこれからの時代を乗りこなすためには、デジタル営業の仕組みを確立し、新しい手法を柔軟に取り入れなければならないでしょう。

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