本記事では、Sales Tech Hub運営企業である弊社ベルフェイス株式会社でセールスチームのマネージャーを務める浪岡英生に、「ベルフェイスの営業チームが6ヶ月連続で目標を達成し続けている理由」を聞きました。
ベルフェイス株式会社インサイドセールス支援事業部
セールスチームマネージャー 浪岡英生
1985年生、神奈川県出身。飲食店勤務から営業へ。株式会社リクルートライフスタイルにて3年半ホットペッパービューティの広告営業に従事し数々の賞を受賞。その後、現職であるベルフェイス株式会社に入社。オンラインセールスに従事し入社後6ヶ月でリーダー、15ヶ月でマネージャーに就任。現在も事業部の受注数・受注金額ともに最高記録を連続更新している。
営業に特化したWeb会議システム「ベルフェイス」
──浪岡さんのチームではどういうサービスを販売しているんですか?
浪岡:営業に特化したWeb会議システム「ベルフェイス」を販売しています。これまで営業と言うと訪問が当たり前で、「足で稼いでなんぼ」の世界でしたが、そういった訪問営業では全く見込みのないお客様に片道1時間かけて訪問することもあり、非効率になってしまうこともあります。
これから人材不足が深刻化していき、生産性向上が全企業の重要なテーマとなる日本の営業において、訪問をせずに商談をし、契約を獲得するためのシステムを提供している会社です。
──よくあるWeb会議システムの営業版ということですね。具体的にどういうところが「営業版」なのでしょうか。
浪岡:ベルフェイスの1番の特長は圧倒的に接続が簡単という点にあります。世の中無料で使えるWeb会議システムはたくさんありますが、接続するためにはアプリのインストールやID発行が必要なものが大半です。
中にはそれらが不要でURLをクリックするだけで接続が開始できるものもありますが、そういったものは特定のブラウザ・特定のデバイスからしか開けないという制約があります。
浪岡:社内会議で使う分には、「事前にこのアプリをインストールしておいてください」「PCでGoogle Chromeを使ってこのURLを開いてください」と伝えておけばよいのですが、営業シーンではそうもいきません。
まだ話したこともないお客様にアプリインストールを依頼しても、「面倒だから来てくれ」となりかねませんし、実際に接続を試みたら非対応の環境でつなげなかったとなっては大事な商談機会を逃してしまいます。
浪岡:その点ベルフェイスは、お客様側のアプリインストールやID発行は一切不要で、ブラウザやデバイスの制限もありません。インターネットにつながったパソコン、タブレット、スマホさえあれば、誰とでも5秒で接続を開始できるのが最大のウリです。
浪岡:そういった接続の簡単さや、音声は電話回線を使って安定させているところ、他にもトークスクリプトや録画機能など様々な部分が評価され、おかげさまで3,000社(2021/1/1時点)以上にご導入いただいています。
数字へのコミットが強いメンバー達
ベルフェイスの営業チームは現在6ヶ月連続で目標を達成していると聞きました。世の中目標が達成できず悩んでいる営業責任者の方はたくさんいらっしゃると思うので、今日はなぜ浪岡さんのチームが目標を達成し続けているのか、組織と体制、利用するセールステック、施策の3つの観点で聞きたいと思います。
──浪岡さんのチームは今何人の営業がいらっしゃるんですか?
浪岡:私を除いて6人のチームです。インバウンドの営業担当が5人、アウトバウンドの営業担当が1人です。
──その5人に共通するバックグラウンドや強みはありますか?
浪岡:バックグラウンドに関しては特にないですね。全員営業経験者ではありますが、年齢や前職の業界は様々です。1つ言えることとしては、数字へのコミット意識が異常に高い点は全員に共通しているかもしれません。
ですので、1つ1つの商談への本気具合は見ていていつも驚かされます。毎日4~5件の商談を抱えているのに、1つたりとも手を抜きません。そのあたりは自分のチームながら営業のプロフェッショナルが集まった良いチームだなあと感心しています。
インバウンドの営業は99%オンラインで完結
次に体制についてお伺いします。6人の営業がいる浪岡さんのチームでは、インバウンドに取り組む営業が5人、そしてアウトバウンドに取り組む営業が1人という構成になっています。まずはインバウンドの体制から確認していきます。
──リードが発生してから契約に至るまでの簡単なプロセスをお伺いできますか?
浪岡:契約を獲得するプロセスに関わるのは主に3チームです。オンライン・オフラインでのリード獲得を担うマーケティングチーム、マーケが獲得したリードの質を精査しヒアリングと商談化を担うSDRチーム、そして商談を行いクロージングを担う営業チームです。
──直近オンライン・オフラインのリードを合わせると月間1,000件以上のリードを獲得されているそうですが、インバウンド営業は5人で回っているのでしょうか。
浪岡:はい。むしろこの人数でもっとリード欲しいくらいですね(笑)。
浪岡:ベルフェイスの営業チームの強みは、ベルフェイスを売っているので当たり前と言えば当たり前なんですが、商談の99%はオンラインで完結する点にあります。訪問だと1人の営業が1日にこなせる商談は3件くらいが上限だと思うのですが、ベルフェイスの営業は1日で平均4~5件の商談をこなします。7~8件の対応も可能です。
──なるほど、ほぼオンラインで完結させることで生産性を上げているんですね。
浪岡:はい。月額数万~十数万円の商材の年間契約なら、問題なくオンラインで完結できます。ごくたまに、2回目以降の商談で複数人にベルフェイスのデモを行いたい場合に限って、訪問することもありますが、ほんの一部ですね。
アウトバウンドは1社1社にカスタマイズした手紙を作成
──アウトバウンドの取り組みは最近始めたそうですが、どういったことをやっているのですか?
浪岡:ベルフェイスと相性の良さそうな大企業をピックアップして、その企業の営業責任者に手紙を送っています。
浪岡:手紙の内容は1社1社カスタマイズしてかなりこだわっていますね。その会社のWebサイトやIR情報などを見て、「貴社だとこういう使い方ができると感じました」「インタビュー記事を拝見させていただきました」といったメッセージを書いています。そのあとコールして商談につなげています。
──アウトバウンドの取り組みを始めた目的はどういったところにありますか?
浪岡:1つはWeb上からは獲得できない大企業へのアプローチのためですね。ベルフェイスと非常に相性良くてきっと使いこなしてくれそうだけど、アウトバウンドのアクションをしないと獲得できない企業はやはりあると思っています。
浪岡:そしてもう1つは営業主導で売上を確保するチャネルを確立するためです。今受注の大半はWeb上からの資料請求に頼っていますが、これはつまりマーケチームやSDRチームが目標を達成できなかったらそれと連動して営業チームも目標を達成できない可能性が高くなる構造になってしまっています。
インバウンドのメリットはたくさんあるのですが、そういったデメリットもあるため、営業だけで完結して売上を確保する動きは今後強化していきたいと考えています。
──実際成果も出てきているんですか?
浪岡:今取り組みを始めて3ヶ月くらいですが、すでに成果は出ています。これから売上の1つの柱として確立していく土台ができてきたような段階ですね。
オススメのセールステックはベルフェイスとクラウドサイン
次に、ベルフェイスで活用されていて、売上向上や生産性改善につながったセールステックについてお伺いします。
──チームで活用しているセールステックツールで、他の会社の皆さんにオススメしたいものはありますか?
浪岡:まずは宣伝みたいになってしまいますが、弊社の製品ベルフェイスですね(笑)。いま約3,000社(2021/1/1時点)にご利用いただいていますが、多くの企業で売上が向上したという実績が出ています。
浪岡:ベルフェイスのメリットは、移動削減による商談数増加やコストカットがわかりやすいのですが、それに加えて営業のデータ化による受注率向上や教育の活性化もあります。
ベルフェイス上で行われた商談は録画録音できるため、後から振り返ったり同僚や上司に共有してフィードバックをもらうこともできます。
商談をオンラインにしたら受注率が下がるんじゃないの?と聞かれることがあるんですが、そんなことはなくて、ほぼ変わらない、もしくは上がったというお客様もいます。それはそういった営業のデータ化による商談スキルの洗練が要因になっているのです。
浪岡:あともう1つは弁護士ドットコムさんが運営するクラウドサインですね。このツールはベルフェイスと非常に相性がいいんです。もちろんベルフェイスを使っていない企業でも役立ちます。
浪岡:クラウドサインはクラウド上で契約書を締結することができるツールです。本来契約書はメールでお送りして、お客様が印刷・記入捺印・スキャン・返送という流れで締結されますが、この作業って結構面倒ですよね。
大抵の人が契約書が送られてきたタイミングでとりあえず保存だけしておいて、一旦放置すると思います。それがクラウドサインなら、メールで送られてきたURLをクリックして、いくつかの項目をクラウド上で入力すれば、すぐに契約が締結できます。このツールがあれば契約書回収のスピードが格段に上がります。
浪岡:ベルフェイスとクラウドサインを組み合わせれば、インバウンドリードに対して、「今日の夕方30分商談できますか?」とつなげ、その商談で合意が取れれば「では今からクラウドサイン送るので締結お願いします!」とリードタイム0日での受注も可能なんです。これぞセールステックの力、ですよね。
目標達成のポイントは有効商談の見極め
──6ヶ月間連続で目標を達成したとのことだったのですが、6ヶ月前におこなった施策で最も有効だったものは何なのでしょうか。
浪岡:これは有効商談の見極めですね。
浪岡:そもそも弊社では、お客様に関する情報は全てSalesForceにまとめるよう心がけています。リードが発生してから、契約しカスタマーサクセスに至るまで、全てのプロセスでSalesForce上に情報が記録されるようになっています。
目標未達に終わった7ヶ月前に、達成のためには何が必要なのかを分析した結果、有効な商談の見極めが必須だなということがわかりました。
──営業のデータを細かく管理して分析しているんですね。実際その時はデータ分析からどういうことがわかったのでしょうか。
浪岡:当時営業は1人1日7商談くらいを平均でこなしていました。その状態から商談数を増やすのは人員を増やさない限りは難しかったので、受注率を上げる方法はないかとデータを深掘りしてみました。すると2つのことがわかったんです。
- 見込みのない商談が発生している
- その結果商談数が膨らみ、見込み顧客との商談の事前準備や商談後フォローに十分時間を使えていない
浪岡:このことから、まずは「ほぼ受注につながらないリードの条件」を調査しました。業界・企業規模・検討の目的など、様々な要素とその後の受注率の相関を見た結果、ベルフェイスの商談においては、大前提「営業目的で検討しているか」という点が重要だということがわかりました。
浪岡:ベルフェイスは営業に特化したWeb会議システムですが、やはりWeb会議は社内会議での利用を検討している方も多くいらっしゃいます。最近だとそれ以外にも採用面接での利用も増えてきているようです。
リードの中には一定そういったお客様がいらっしゃったので、そういったお客様とも商談していたのですが、実は営業目的での利用検討ではないお客様は100社商談して1社受注するくらいの受注率だということが判明しました。
浪岡:その他にも、やはり業界というのは受注率に大きく関わります。東京に1拠点だけあるクラウドサービスを運営する会社などはオンライン商談の必要性を強く感じていることが多く、受注の可能性も高まります。そこで、利用目的と業界という2つの軸でリードをA~Cの3ランクに分類するようにしました。
浪岡:同時に、それまでは営業チーム内でリードに対して架電して商談化するチームを設けていたのですが、別途SDRチーム(※リードの質を精査しヒアリングと商談化を担う)を独立して立ち上げることによって、リードのランク分けはそのSDRチームが担う体制を作りました。
SDRチームが1件1件リードに対して架電を行い、ランクを判断した上で一部はすぐに商談化しないというフローにしたことによって、営業チームは確度の高い商談の率を上げることができるようになりました。
そうするともともとほぼ受注することができなかった商談が減った分、残りの商談に対する事前準備や商談後フォローに使える時間が増え、結果として受注率向上と6ヶ月連続での目標達成をできるようになったのです。
まとめ
今回はベルフェイスの営業マネージャー浪岡に「6ヶ月連続でベルフェイスの営業チームが目標を達成している理由」についてインタビューをしました。
数字へのコミット意識をメンバー1人1人が持っていること、そしてセールステックを活用することでデータドリブンで効率の良いアプローチができていること、この2つがベルフェイスの営業チームの特長というように感じました。
受注率を上げるために、受注率と相関する商談の条件を探し、見込みのない商談はブロックするという施策に関しても、他社様でも応用できるものかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。