コロナ禍はビジネスの進め方にも大きな影響をもたらしています。感染リスクを避けるため、在宅ワークを行うと共に、営業もリモートで行う企業が多くなっているのもその一つの表れです。
とはいえ、オンライン商談を始めてみたものの、思うようにうまく話を進められない、成果が上がらないと悩んでいる経営者も少なくありません。そこで今回は、リモート商談における問題点や、効果的な対策についてまとめました。
【基礎編】オンライン商談・リモート営業を成功させるコツ
オンライン営業を成功させるためには、この営業方法特有の問題点を把握して、それぞれの解決策を考えることが必要です。
ほとんどの問題は、環境作りや事前の準備によって解決できるものです。ちょっとした努力や工夫をするだけで、リモート商談のメリットを最大限に生かせるような業務が可能となります。そのコツをチェックしてみましょう。
インターネット環境を整備しよう
オンライン営業ツールを使うためには、インターネット環境をしっかりと整備することが欠かせません。オフィスからオンライン商談を行うのであれば、容量の大きな回線を契約しているはずなので、それほど心配する必要はありません。
しかし、コロナ禍にあって多くの社員が在宅ワークを行うようになっています。個人宅のインターネット回線は、それぞれの家庭でかなり差があるのが現状です。ADSLやポケットWiFiなどを使っている社員も多いことが想定されます。
こうした環境では、オンライン営業ツールのビデオ通話をスムーズに行えないこともあります。また、そもそも自宅に固定のインターネット回線を引いていない社員もいるかもしれません。
そのような場合は、会社として安定したネット回線の整備の支援を行う必要が出てきます。やはり、光回線によるインターネット接続が望ましいです。
多くのツールでは、ある程度接続帯域が狭くなっても、画像の解像度を下げるなどして、少なくても会話が続けられるように調整を行います。
しかし、営業をしている時に、画像が不鮮明になってしまうと、やはり印象が悪くなってしまいますし、音声に不具合が出てしまうと情報が正確に伝わらない恐れも出てきます。安定したインターネット回線が導入されていれば、安定した環境でビデオ通話を続けることができます。
自分のカメラ写りの確認をしよう
リモート営業では、自分の顔がアップになって相手に映るため、対面での会話よりも相手に見られているという意識を高く持つ必要があります。
どうしてもリラックスしたくなる自宅からの接続ということですが、しっかりと身だしなみには気を付けて、清潔感のある装いやメイクをしましょう。
また、背景に映るものにも気を付けましょう。部屋の構造や大きさなどによって、どうしても自宅の私物が映りこんでしまうのはしょうがないケースもありますが、できる限り余計なものが入らないようにカメラの位置や私物の場所を調整しておく必要があります。
さらに、商談をしている時の視線や映り具合も確認しましょう。対面での会話と同じように、画面越しでも視線が定まっていないと集中しにくく感じたり、真剣さを感じられなかったりします。また、顔がカメラに近すぎると滑稽に見えてしまうことがありますし、逆に遠いと表情が分からなくなります。
同じように、照明の位置にも気を配りましょう。ライトが顔の後ろ側にあると逆光となり、表情が暗くて見えなくなります。パソコンと照明の位置関係をずらせない場合は、スタンドライトを正面に置くなどして、顔が明るく映るように工夫できます。
マイクテストも抜かりなく
音声の入り具合によっては、声が割れてしまったり、逆に聞こえづらかったりします。そこで、商談がスタートする前にマイクテストをしましょう。
ツールによっては、マイクテスト機能が付いていますので、ツールを立ち上げた後、メニューから簡単にテストができます。これにより音量のチェックや、自分の音声を録音してどのように聞こえているのかを確認できるようになっています。
もし、こうした機能がないのであれば、事前に同僚と接続するなどして、しっかりと聞こえるかを確認してもらいましょう。
パソコンやモバイル端末に装備されているマイクだけでは、あまりクリアに音声を拾えないことがあります。そんな時は、外付けのマイクを購入して使うというのも一つの手です。
USBなどで接続でき、簡単に使えるので導入を検討してみましょう。そのほかにも、マイク付きのイヤホンやヘッドセットを活用するのもおすすめです。
商談資料の準備は万全に
リモート商談では、紙ベースの資料を直接渡せないので、画面共有の機能を使って資料を見せることになります。すぐに表示できるように、ファイルに分かりやすい名前を付けて保存しておきましょう。
オンライン営業では資料を表示しても、多少見づらい印象を与えてしまうことがあります。原因の一つに、手などで指し示して視線を誘導することができないという点が挙げられます。
対策として、まず資料を作る際に、1ページ内にたくさんの情報を詰め込まないように気を付けましょう。紙を印刷する必要がないので、1ページあたり1情報と割り切ってしまうのも良い方法です(「1スライド1メッセージ」の広告手法と同じです!)。
また、マウスポインタの動きを表示するなど、視線誘導ができる機能が備わっているかどうかも確認しましょう。
【発展編】オンライン商談・リモート営業を成功させるコツ
準備をしっかり整えたら、いざ本番です。会話を盛り上げ、必要な情報をスムーズに伝えるためのいくつかのコツを覚えておけば、より良い商談が実現できるでしょう。オンライン商談を成功に導くためのポイントをいくつかご紹介します。
自己紹介の準備
まず、初対面であれば、自己紹介に力を入れましょう。オンライン商談の場合は名刺を交換することができないので、それに代わる印象深いものを用意しましょう。自己紹介用のウェブサイトが簡単に作れるサービスも存在しますので、そういったツールを活用してみるのも良い方法です。
トークスクリプトの精査
トークスクリプトは、オンライン営業用に調整して作り込んでおきましょう。その上で、何回も口に出して練習して、よどみなく、かつ感情を込めて話せるようにします。
オンライン商談ツールによっては、自分の画面上にトークスクリプト表示しておけるものもありますので、こうした機能を上手に使うための練習もしておくと良いでしょう。
ただし、トークスクリプトを作り込んだからといって、自分が話すことにばかり意識が向かってしまい、ヒアリングが疎かになってしまうようなことがあってはいけません。
オンライン商談では、対面営業の場合よりも相手が「受け身」の姿勢で臨んでいることが多くあります。相手の発言を促すためにも、トークの中に意図的に合間を作り、「ここまでの説明でご不明な点はございますか」と尋ねるなど、ヒアリングを欠かさないような工夫をしましょう。
リモートでロールプレイング
やはり実際に練習しておくことと、第三者からの評価というのはスキルを上げるために欠かせません。仲間内でオンラインツールを使ってロールプレイングをしておくと、より本番に近い形で練習ができます。
また、話している内容をレコーディングして、後で振り返ってみるのも役に立ちます。細かな点に注目してお互いにどんなところを改善するともっと良くなるかなどを、じっくりと話し合ってみましょう。
オンライン商談・リモート営業のメリット
運用においていくつか課題があるとはいえ、オンライン商談にはそれを上回るメリットがあります。まず、営業部門の効率アップにつながる点です。
リモート営業では、先方のオフィスまで物理的に行く必要がありませんので、移動のための時間を実質的にゼロにできます。その分、それぞれの営業社員がアプローチできる件数が多くなります。
社員数を増やすことなく、短い時間でより多くの見込み客にアプローチできるわけですから、生産性はぐっと高くなります。
さらに、オンライン商談ツールを賢く使えば、営業の質も向上できるというメリットも生まれます。まず、単純に移動のための体力的な負担や時間を減らせますので、その時間を使って商談準備をより入念に行えます。多くのツールにはプレゼンを支援するための便利な機能が付いていますので、それらを活用することで、よりスムーズな話の進め方ができるのです。
また、商談内容をレコーディングして、それを研修教材として利用するなどの活用方法もあります。ベテラン営業社員のトークを、実際の映像を通して学ぶなどして、経験の少ない社員でも営業スキルを高めていけるというメリットがあるのです。
企業として、社員の満足度向上に役立てられるという点もあります。営業社員は、どうしても外回りで体力を消耗しがちですし、残業が多くなってしまうこともあります。
しかし、オンライン商談を営業に取り入れることで、移動による大変さを大きく軽減でき、効率よく商談を重ねられるため業務にかかる時間の短縮にもつながります。
精神的また身体的な負担を減らした働きやすい環境が実現することで、社員の仕事に対する満足度を高め、チームの士気向上といった効果も期待できるでしょう。
まとめ
リモート商談には特有の難しさが存在します。しかし、事前の準備と使いやすいツールの選定、そして練習によってカバーすることができます。オンライン商談は、生産性の向上が期待できるメリットの大きな営業スタイルですので、そのメリットが最大限生かせるよう、効果的に取り入れるようにしましょう。
ベルフェイスなど、使いやすく営業社員をサポートできるツールを選ぶことで、より効果的な営業が可能となります。