営業パーソンのみなさん、毎日何時間残業していますか?
2019年4月1日から働き方改革関連法案が順次施行されていることもあり、近年は営業職に限らず労働者の働き方に非常に注目が集まっています。
「働き方」という言葉には様々な要素が含まれていますが、残業時間も働きやすさを左右する非常に重要な要素の1つです。では、営業パーソンは平均でどれくらい残業をしているのでしょうか。
本メディアSalesTechHub(セールステックハブ)を運営するベルフェイス株式会社は、オンライン商談ツール「ベルフェイス」を提供し、営業マンの無駄な移動時間を削減することで営業効率を上げることを支援しています。
そこでこの度、営業パーソン1,000人に対して、残業時間に関する調査を行いました。この記事では、営業マンの年齢や世帯年収・家族構成別にどのくらい残業しているかの調査結果を公開いたします。
【調査概要】
調査方法:インターネットリサーチ
調査時期:2019年3月15日 ~ 2019年3月18日
調査対象:全国の営業職に従事する、20歳~69歳の男女1,000人
セールス全体の残業時間
まず最初に、特にセグメント分けをせずに全体の平均残業時間を算出しました。その結果がこちらです。
平均の残業時間は、1日あたり1.79時間という結果に。
9時出社で18時が定時の会社で働いているとすると、平均で大体19時45分くらいに帰るような結果です。また、1ヶ月の営業日は約20日なので、1日1.79時間残業をするということは、1ヶ月で約35.8時間の残業をしていることになります。
「多い」「少ない」の感じ方は人によってそれぞれかとは思います。しかし、大企業では2019年4月に・中小企業では2020年4月に施行される働き方改革関連法案では、原則として月45時間・年360時間を残業の上限としています。
月45時間を20営業日で割ると1日2.25時間になるため、少なくとも25%、多くて約半数はこの原則にひっかかることになります。
年代別の残業時間
次に、年代別に残業時間を集計してみました。その結果がこちらです。
まず平均残業時間から見ると、20代は1.3時間なのに対して、30~50代は約1.8時間という結果になっています。60代になると1.5時間ほどに減りますが、社会人になって数年後に残業が増え、しばらくはそのままという傾向にあるようです。
残業時間の人数割合を見ても、20代は0時間で帰っている人が20%強いるのに対して、30代40代とその割合は減っていきます。一方で2時間以上残業する人の割合が多くなる結果となっています。
理由は色々あるかと思いますが、基本的に年齢が高い方ほど、役職もあり責任範囲の広い仕事をしているケースが多いことがまず考えられます。役職が上がらずとも、自身の売上目標がどんどん上がっていくために働く時間もなるのかもしれません。
また、20代の最初の頃は先輩の営業に同行をする業務がメインで、自分の数値目標等を追っていないので比較的早く帰りやすいという理由も考えられます。
この結果をそのまま受け取ると、20代のうちはまだ楽、30~50代はずっと1日2時間弱の残業が必要、60代になったらまた少し楽になる。ということになります。基本的に楽にはならず、しばらくはずっとこの残業が続く、と思うと少し憂鬱な気持ちになる結果なのかもしれません。
世帯年収×残業時間
次に、世帯年収と残業時間の関係性について調べてみました。こちらも面白い結果になっています。
これを見ていただくとわかる通り、残業は年収とともに多くなります。ただし、800万を超えるとあまり大差なくなるようです。
転職で年収を上げるという選択肢を除いて考えると、営業マンが年収を上げる方法は大きく2つが考えられます。
- マネージャーなど営業の責任者として昇進する
- 売上を伸ばしてインセンティブ等をもらう
どちらの結果として年収が上がるにせよ、仕事が大変になることは明らかです。そのため、やはり調査の結果としてもこのように年収が上がるほど残業時間は多くなる傾向にあるようです。
家族構成×残業時間
ここまで、年齢が上がると残業は増える、年収を上げると残業が増える、ということを紹介しました。次に、家族構成と残業時間の関連性を集計しました。
この結果を見ると、未婚の方よりも既婚の方が、子供のいない方より子供のいる方が、長く働いているということになります。結婚したら残業が増えるという因果関係はあまり考えられませんので、この結果はどちらかというと上2つの結果が影響を及ぼしていると考えられます。
つまり、年齢の高い人の方が既婚で子供もいらっしゃる割合が高くなるので残業時間が長くなり、加えて既婚で子供がいらっしゃる人ほど年収を上げるための努力をして長く働く、ということが考えられます。
ここまでの調査結果自体は、どれも妥当なものというか、予想に反するものはありませんでした。しかし、あらためて結果を見てみると、営業マンという職種においては、年齢とともに残業は増え、年収を上げるにも残業を増やさなければいけないので、結婚しても子供が生まれても早くは帰れないことが多い、という悲しい結果になりました。
残業は減らせないのでしょうか。次に、営業マンが残業を減らう可能性を探るために以下の調査を実施しました。
もっと効率よくやりたい業務はなんですか?
営業マン1,000人に、自身の業務の中で無駄に感じる業務・効率を上げたい業務について質問してみました。複数回答OKで、「効率を上げたい」と回答した割合をグラフにしました。
そうすると、最も多くの人が「効率を上げたい」と応えたのは、社内会議という結果になりました。次いで商談の事前準備と移動時間がトップ3という結果になっています。
社内会議を減らすには
では、社内会議をもっと効率的に行うにはどうすればよいのでしょうか。それは、社内会議の目的を確認することから始まります。無駄に感じる会議があったら、「この会議の目的をもう一度確認しませんか?」と投げかけてみてください。その会議が本当に無駄なら、「えっと…」と参加者全員が戸惑うはずです。
営業マンが参加する社内会議で多いものは、上司への進捗報告の会議かと思います。例としてこの類の会議について考えます。
上司への進捗報告会議の目的は、主に「自分の売上実績を数字で把握」し、「それを上司と共有」することで、「目標達成が危ない場合はリカバリーアクションを検討する」という部分にあることが多いことでしょう。この目的に沿って考えると、まず目標達成ペースで特にリカバリーアクションが必要ないときはこの会議をなくしてもよいかもしれません。
また、「上司と共有」の部分に関しては、会議で行わずとも事前に社内のコミュニケーションツール上で共有しておくこともできます。そうすると会議のアジェンダが減って早く終わらせることもできるかもしれません。
さらに、会議の頻度が適切かも考えます。毎日行っている場合、リカバリーアクションが結局毎日同じことを言ってるだけになっているかもしれません。数字の共有は毎日行いつつ、大きくリカバリーアクションの方針を変える必要がある時だけ会議を行う、という形式でもうまく回る可能性があります。
このように、会議の目的を考えることで、頻度や内容を削ることができるかもしれません。
- その目的は本当に参加者全員の時間を一度におさえないと達成できないのか
- その目的を果たす上で今の頻度で会議を行う必要があるのか
を、今一度疑ってみるとよいでしょう。
商談の事前準備を減らすには
商談の事前準備には、商談相手に関する調査(業界やビジネスモデル・担当者の課題等)や、資料作成などが含まれます。場合によってはこれも上司と一緒にミーティングでおこなっている方もいるかもしれません。
当たり前のことですが、この事前準備にかかる時間を減らすには、なるべく準備を仕組み化していくことです。調査の流れをテンプレ化し、アウトプットに関してもテンプレ化する。また、いつも調査する内容が固定されてるのであれば、それを簡単に調べられるツールを探してみるのもよいかもしれません。
商談に伴う移動時間を減らすには
1日3アポをこなす営業マンは、1アポの平均移動時間を往復80分と仮定すると、1日に240分=4時間を移動に費やしていることになります。月間で約80時間を移動していることになるため、残業が発生するのも当然なのかもしれません。
近年の人材不足などを背景として、こういった移動時間を削減するための営業として普及してきているのが、「インサイドセールス」です。日本では単なるテレアポや見込み顧客のナーチャリングという文脈で使われがちですが、本来は「潜在顧客へのアプローチから契約含む全ての営業フローを訪問せずに社内で完結させること」を意味します。
訪問せずに営業?と疑問はあるかと思いますが、コロナ禍による在宅勤務やテレワークなどの対策によって、日本のDXは10年早まったとも言われています。
弊社が提供するベルフェイスは、営業に特化したWeb会議システムで、オンライン上で訪問と同等の質の商談を可能にします。
商談をオンラインで行うことによって、移動時間を削減することができます。その分の時間を使ってもっと商談を増やしたり、商談後フォローに割く時間を増やすこともできます。
まとめ
以上、営業マンの残業時間に関する調査結果をご紹介しました。営業という仕事は人と人とのコミュニケーションに尽きるので、結局年齢とともに責任範囲が増えたり、年収が上がったりするにはどうしても残業が必要になります。
しかし、人材不足も叫ばれる昨今では、1人あたりの生産性を上げて、より働きやすい環境を整えることが非常に重要です。自分の業務の中で効率化できるところは何かを再確認し、残業を減らしながら成果を出していく取り組みを行い続けることが、これからの営業マンに必要なことなのでしょう。