「働き方改革」開始から5年、多くの企業が営業生産性向上に取り組んでいます。しかし、営業スキルの平準化や優秀者のスキル共有に課題を感じる方も多いのではないでしょうか?
そのようなお悩みにお答えするため、ベルフェイスが実践した営業生産性10倍に至るまでに行ったセールスマニュアルの整備や運用方法についてご紹介するウェビナーを開催しましたので、内容をご紹介します!
ウェビナー講師
ベルフェイス株式会社 第二事業部 グロースビジネスディビジョン 松原 裕汰(まつばら ゆうた)
2021年にベルフェイスへ入社。インサイドセールス、カスタマーサクセスに従事したのち、エンタープライズグループに所属。
大手通信業界・BPO業界向けのアカウントエグゼクティブに従事し、各社のコールセンター高度化を支援。現在はグロースビジネスディビジョンで中小企業〜大企業まで幅広く担当を受け持つ。
営業マニュアル作成の背景と重要性
ベルフェイスはコロナ禍での業績悪化を受けて、管理部門では営業管理の強化と営業プロセスの再構築を行いました。営業現場では、ターゲットとする顧客層がSMBからエンタープライズへ変化したことに伴い、従来の営業手法が機能しなくなり、案件をスムーズに進めるために営業マニュアルの作成が必要になりました。
営業マニュアルを作成する理由は企業ごとに異なりますが、成果を出すための行動の型化(営業マニュアル)は、営業生産性向上に非常に重要です。
これからマニュアルを作成する方や、マニュアルを現場でうまく運用したい方の参考になれば幸いです。
営業マニュアル作成時のポイント
営業マニュアル作成にあたり、当社が作成時に重要視したポイントを紹介します。
1. マニュアル作成チームの役割分担を明確にする
まずは、マニュアル作成における役割を明文化して、組織全体で認識を合わせました。
そうすることで、案件の話をするときは全てマニュアルに基づいて話ができる体制を組織全体で作ることができました。具体例として、各役割は以下のとおりです。
2. 自社の成功案件をベースにする
自社の成功案件には、標準化してマニュアル化すべきエッセンスが詰まっています。
方法としては、まず自社の成功事例を数件ピックアップし、そこで使用した資料、提案対象者や実際のトーク内容を、該当案件の営業担当者、成績優秀な営業担当者、全体管理責任者との間で議論をしながら標準化すべき項目をとりまとめました。
この時、成功事例の営業フローをブレイクダウンすることで、抜け漏れなく型化できるのでおすすめです。
以下、マニュアル化したトーク・アクション、資料の一例をご紹介します。
参考例
①トーク・アクション例
以下は案件を進めるために必要な決裁者に上申できる担当者(当社では「チャンピオン」と呼んでいます)を見つけるための質問事項を記載したマニュアルの一部抜粋です。
具体的な質問内容やトークを記載し、商談の最後にそのまま使えるよう口語体に落とし込んでいます。
③アクション例:
そして、決裁者の方に上申できる担当者(当社では「チャンピオン」と呼んでいます)との接点を持つためのアクションを記載しているページの一部抜粋です。
②資料例:
お客様とのベルフェイス活用シーン(当社では「ユースケース」と呼んでいます)を壁打ちする際の資料の一部抜粋です。具体的なシーン別に、お客様の状況に合わせて該当する資料を取り出し、提案資料に差し込めるよう、マニュアルと一緒に格納されています。
3. スモールスタートでPDCAを回しながら段階的に現場へ導入する
次に、マニュアルの現場展開のタイミングについてです。
マニュアルは100%完成してから展開するのではなく70%ほど完成した段階でいくつかの案件で試し、実際の商談で検証しながら仕上げることをおすすめします。
作成したマニュアルがすべての営業担当者やお客様にフィットするかは、実際に使ってみるまでわかりません。現場の反応やフィードバックを基に改善点を特定し、内容を適宜更新することで、自社に最適なマニュアルが作成できます。
営業マニュアルを活用した、営業生産性を上げる取り組み
マニュアルは作って終わりではなく、確実に営業活動の指針とならなくてはなりません。
当社が行っている、営業生産性向上のために機能するマニュアルを維持するためのポイントをお伝えします。
1. 社内会議の中で定常的にマニュアルの効果を検証する
商談後すぐに、10分〜15分の会議を開催し、商談の内容とともにマニュアルの効果を振り返ります。また、朝会や月次の振り返りではトピックを準備し、マニュアルに焦点を当てて議論を行います。このようにしてチーム全体で常にアップデートを行っています。
2. 顧客関係管理ツール(CRM)との連携を行う
マニュアルの実践結果をCRMに商談履歴として残すことで、案件フェーズが進行する仕組みを作っています。入力項目をマニュアルの管理と粒度を合わせて調整することで、案件の進行に合致したマニュアルの適用が可能になります。
3. お客様属性に応じた提供価値を常に更新する
お客様が解決したいことと自社が解決できることを整理し、お客様の業界や特性に合わせてマニュアル内に記載していきます。
受注率に直結するような重要なデータなので、常にアップデートしていくことが非常に重要です。
4. マニュアル順守チェックリストを作成する
営業担当者がマニュアルに沿った営業活動ができているかを簡単に振り返ることができるようなチェックリストがあると、現在地をしっかり把握し、これからやるべき事が明確になるのでおすすめです。長期案件においても、営業活動の振り返りがしやすくなります。
営業マニュアルを形骸化させないために
マニュアルアップデートの課題
マニュアルを作成した後も、常にアップデートが必要であることを強調してきました。しかし、作成したマニュアルがアップデートされず活用されなくなり、形骸化するという悩みもよく聞かれます。
主な課題は以下の通りです。
・成績優秀な営業担当者に営業同行やナレッジ共有の協力を取り付けるのが難しかったりする場合、マニュアルがアップデートできない
・作成したマニュアルやトークの流れが守られているかを確認できず、マニュアルの正確性を検証、アップデートすることが難しい
マニュアル形骸化を防ぐための手段として
そこで、成績優秀な営業担当者との営業同行や、マニュアルやトークの中身が検証できないといった課題を解決できるツールが、当社が新たに発表したbellSalesAI(ベルセールスAI)です。
ベルセールスAIは、スマートフォン一つでオフィスにいながら成績優秀者の商談をリアルタイムで聞くことができ、マニュアルに則ったトークができているかの確認やアップデートのための検証を容易にします。
さらに、対面商談の場で録音された商談データをAIが自社のCRMの項目に適合させることができるため、現場のCRM入力の負担を大幅に軽減させ、案件フェーズの進行がスムーズになります。
最後に
営業組織全体の営業生産性向上のためにはマニュアルが不可欠です。マニュアル作成と活用のためには成績優秀な営業担当者のノウハウの言語化や、プロセスが順守されているかを可視化、アップデートを続けることの重要性をお話させていただきました。そして最後に、マニュアルアップデートを促進するツールとしてbellSalesAIを紹介しました。
ぜひ、今回紹介したポイントを一つでもお試しいただけば幸いです。
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