商談を見える化して次の一手を変える—STAYGOLD がSalesforce×AIで描くリピーター戦略

中古ブランド品の買取・販売を展開する株式会社STAYGOLD(以下:STAYGOLD)では、顧客体験の向上と再来店促進に取り組まれています。

本記事では、同社がbellSalesAIを導入し営業課題をどのように解決したのか、テクノロジー推進室 システム開発課 課長 島本さま、テクノロジー戦略部長 吉村さま、営業企画部 営業企画課長 木村さまにお伺いしました。

1.導入前の課題──記録の標準化とリピーター戦略の仕組み不足

STAYGOLDでは、以下のような課題が営業現場に顕在化していました。

  • 記録・証跡の不足
    • 不成約商談の記録が十分に残らず、再来店時にゼロからの対応になるケースが頻発。高額取引でも情報が不十分で、トラブル抑止力に欠けていました。
  • 入力のばらつき
    • Salesforceを2018年に導入していたものの、店舗や担当者ごとに入力内容の質と量に差があり、商談情報の活用度合いにも偏りがありました。
  • 営業コストの高さ
    • Google広告などで新規顧客を獲得する場合、1件あたり2〜3万円のコストが発生。広告費用を削減しながら、再来店数を維持・確保できる仕組みづくりが急務でした。

こうした中で、コンプライアンスの強化・顧客情報の品質向上・リピーター獲得を目的に、まずは成約率やリピーター率が低い店舗からbellSalesAIの導入・活用をスタートしました。

2.選定の経緯──bellSalesAIを選んだ理由

他社ツールも比較検討した結果、STAYGOLDはbellSalesAIを選びました。その理由は次の通りです。

  • 外部音やBGMを拾いにくい録音精度
  • 買取時の法令遵守チェックを自動化し、証跡を確実に残せる点
  • 会話から必要情報をAIが抽出し、Salesforceにワンクリックで連携が可能であること
  • 項目ごとのプロンプト設計により、取得情報を標準化・網羅化できる
  • 管理職が商談Live機能を通じて複数店舗の接客状況をリアルタイムに把握し、Slackで即時指示を出せる運用が可能であったこと

このように「現場で使えるリアルな運用感」と「証跡確保・品質管理の徹底」の両立が導入の決め手となりました。

3.活用方法 ── “会話を資産化” する仕組み

STAYGOLDでは、bellSalesAIを次のように活用しています。

店舗・出張バイヤー

商談を録音 → AIによる要約・キーデータ抽出 → Salesforceへ自動入力。成約点数・金額・次のアクションも自動でデータベース登録されるほか、とりとめもない会話内容や潜在商材の情報も残しています。

管理職・SV

「商談Live」機能で複数店舗の状況をリアルタイムに把握。困っている接客を見つけた際はSlackで即指示し、商談中にフォロー可能。オペレーション遵守率の数値化や教育用データとしても活用されています。

本部

接客の可視化によりフローの改善点やサービス向上をはかれる点を検知し、改善。商談時間の自動計測で人員配置や生産性分析にも活用しています。

4.成果──入力削減と顧客体験向上

導入効果は定量・定性の両面で現れています。

  • 定量効果
    • 従来かかっていた商談情報の入力工数削減(1件あたり5〜10分の削減。そもそも入力していないケースや記録内容が十分でなかったケースも含めると、それ以上の削減効果も)
    • 200万円超の高額取引でも正確な記録を残し、トラブルを回避
  • 定性効果
    • 査定点数・金額の口頭確認が徹底され、営業の標準化が進行
    • 記録の優先度が低かった「雑談や不成約理由」も漏れなく記録されるようになったことで、再来店時の応対満足度が向上
    • 新人教育に実商談データを活用し、立ち上がりを短縮
    • 「記録が残っている」ことで、顧客に安心感を与える

上記の効果により、お客様にリピーターとなっていただくためのきめ細やかな対応に必要な情報が、現場の負担をかけることなくSalesforceに蓄積されるようになりました。

5.営業現場の声──商談Liveの活用が好評

営業現場からは次のような声が上がっています。

  • 入力自動化の効果
    • 「Salesforceへの手入力の負担が減り、接客に集中できるようになった」
  • 商談Liveの便利さ
    • 「1画面で複数店舗の接客を俯瞰でき、問題のある商談に即時フォローできるのが便利」
    • 「現場に設置しているライブカメラでは実現できないリアルタイムでの把握・フォローが可能になった」

これにより、管理者が効率的に指導できるだけでなく、現場の安心感や接客の質の向上にもつながっています。

6.今後の展望──全店展開と自動化の深化

STAYGOLDは現在12店舗で導入済み。年内には全店および系列店舗への展開を進める予定です。

  • bellSalesAIで抽出された情報を活用したメールやLINEの自動送信を開始予定
  • リピーター獲得に向けた営業フローのブラッシュアップ
  • 来店受付〜商談完了までの所要時間を可視化し、混雑状況を共有して案内を最適化
  • 不成約商談の理由を追跡し、適切な再提案を行う仕組みの強化

STAYGOLDはbellSalesAIの導入により、証跡の確実化・入力削減・営業標準化・顧客体験向上を実現しました。

今後は全店展開と自動化の深化を通じて、「前回来店時の文脈を活かした接客」を当たり前とする体制を築き、高度なリピーター確保戦略を構築しようとしています。

商談を資産化し、顧客との長期的な関係を強化していく同社の取り組みは、業界における先進的なモデルケースといえるでしょう。

商談内容をSalesforceにAI入力 「bellSalesAI(ベルセールスAI)」

 

bellSalesAIの特徴

商談の会話データからSalesforceに入力したい項目をAIが自動抽出することで、営業担当者の工数削減・案件管理の精度向上を実現します。

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