本記事ではシステム構築・運用事業を展開する株式会社北海道日立システムズの営業企画本部 本部長 北原さま 社会・プラットフォーム営業本部 課長 高木さまに bellSalesAIを活用した営業変革の取り組みについて伺いました。
1.営業活動の「質」と「量」、両面での変革が急務に
株式会社北海道日立システムズでは、北海道という地域特性を生かしながら、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)、生成AIといった先進領域での提案活動の加速をめざしています。こうした事業展開の中で、同社は営業活動において以下の課題を抱えていました。
よりお客さま課題を深く捉えた提案の実現
DX・GX・生成AIといったテーマを取り扱う構造変革型の複雑な提案では、顧客の理解と共創が不可欠であり、より的確な提案力に加え、顧客満足度の向上や新たな価値の創出が求められていました。
お客さま接点の拡大と営業の効率向上
事業の加速化をめざす中で、それに比例してお客さまとの接点拡大が必要で、営業生産性の改善が求められていました。
こうした背景から、「より多くのお客さまとの接点を創出するため、顧客商談数のさらなる伸長」「お客さまの課題を深く理解し、的確な提案を行うため商談の質の底上げ」「営業活動の効率化を図り、提案準備や顧客対応に注力するため、商談記録作成やCRMへの入力工数削減」「チーム全体でお客さまのニーズを共有し、連携を強化するため商談の可視化」といった具体的な課題の解決が重要となってきました。営業活動の「量」と「質」の両面でさらなる強化を図るべく、営業変革に取り組むことにしました。
2.営業スタイルの変革を推進するためbellSalesAIを導入
これらの課題を解決し、データドリブンな営業組織への変革を実現するため、bellSalesAIの導入検討をはじめました。
「誰でも簡単に使えること」「商談後の事務作業の工数を削減できること」「情報が適切に蓄積され、商談内容が可視化されることで営業ひとりひとりの質を向上できること」といった点を評価しました。
特に、商談記録の作成が容易である点、自社で設定した項目に沿ってデータを抽出できる点、さらに現在利用しているCRM(kintone)へスムーズに情報を転記できる点などから、抽出精度の高さも含めて導入を決定しました。
3. 営業から企画・マネジメントまで、役割を越えて広がるbellSalesAIの活用
bellSalesAIの活用は、営業現場だけでなく、企画部門やマネジメント層にまで幅広く浸透しています。
- 営業部門:商談内容の記録や議事録の作成に活用。
- 企画部門:bellSalesAIで抽出されたデータをもとに、顧客ニーズや市場動向を分析。
- マネジメント層:ヒアリング実施率の可視化により、現場に対して適切なフィードバックを実施。
4. 定量・定性で証明された改善効果
bellSalesAI導入による成果は、定量面・定性面の両方で表れています。
営業報告資料の作成時間を67%削減、創出時間で商談数も拡大
bellSalesAIの導入により、営業現場の業務効率は飛躍的に向上しました。
たとえば、1時間の打ち合わせに対する営業報告資料の作成時間は、従来の約1時間から20分未満へと短縮され、67%の削減を実現。これにより、1人あたり月間で約6. 6時間分の作業時間が創出されました。削減された時間は、お客さまとの接点拡大や新規商談の創出に活用されており、商談数の増加という目に見える成果にもつながっています。
また、管理職においても業務時間の大幅な短縮が実現しています。1時間分の打ち合わせ内容を確認する時間は、従来の5分から1分へと80%削減。その結果、戦略的な営業支援や顧客対応に、より多くの時間を割けるようになりました。
組織全体への波及効果
これまで営業担当者によってばらつきがあった商談記録の粒度が、bellSalesAIの自動情報抽出により均一化されました。
これにより、すべての営業担当者が一定の水準で詳細な情報を記録できる体制が整いました。
さらに、bellSalesAIで記録したログを共有することで、商談に同席しなくても、リアルな商談内容や声のトーン、商談時の雰囲気を共有することができるため、担当営業間の情報連携がスムーズになりました。こうした取り組みが組織全体の生産性向上にもつながっています。
AIを活用したマネジメント品質の向上
CRM/SFA上の項目に基づいて商談内容を確認できるようになったことで、管理職と担当者が同じ視点、統一された粒度で要点を把握できる体制が整いました。
さらに、抽出された情報をもとに、営業担当者ごとの課題を可視化・分析することで、個々に最適化された指導と支援が可能になりました。この仕組みにより、フィードバックの精度が向上し、行動改善を促す本質的なマネジメントが実現しています。
5. 営業現場の声: AI導入への不安から確信へ
実際にbellSalesAIを活用している現場営業からは、業務改善を実感する声が上がっています。
営業本部長: 各営業担当者がどのような商談を行ったか能動的に把握することができ、フォローや指導を迅速に行えるようになりました。お互いに報告と確認の負担が軽減されるため、他の業務に割ける時間が増えました。今後は営業メンバーのスキルアップにも活用していきたいです。
主任: 導入後は議事録作成の手間がなくなり、商談に集中できるようになりました。これまで議事録作成に充てていた時間を提案準備や顧客との関係構築に活用できています。
担当者: 当初は商談の記録に抵抗感がありましたが、文字起こしや要約の精度が高く、今では安心して活用しています。商談中に提案商材と同じくらいbellsalesAIに関心を示す方もいて、お客さまの反応も良好です。
6. AIとデータが導く、顧客に寄り添う次世代型の営業組織へ
北海道日立システムズでは今後もbellSalesAIを活用し、お客さま接点の拡大はもちろん、CRMに蓄積された商談記録を生かした営業の質的向上・底上げをめざします。
お客さまごとの課題を深くとらえ、また多様なニーズを、より的確に把握し、お客さまに寄り添った価値ある提案につなげていく方針です。