【調査レポート】証券購入における3つの壁 ~信頼構築と手軽さの両立がCX向上のカギに~

日本は資産運用に対して消極的だと言われています。事実、金融庁のレポートによると日本の家計金融資産において株式・投資信託投資が占める割合は、アメリカ46.2%に対して日本18.6%と、27.6%も低いという結果が出ています。
出典:「平成28事務年度金融レポート」(2017年)(金融庁) (50p)を元に作成

なぜ日本は証券購入に対して消極的なのか明らかにするために、ベルフェイス独自に証券購入に関する意識調査を実施しました。
本レポートでは調査結果を元に、消費者が証券購入において感じる3つの壁と、それを突破する2つのキーワードをご紹介します。

調査対象

・証券会社の営業担当者を介して購入したことがある人
・ネットなどで直接購入したことがある人
・証券を購入したことがない人

 

消費者が感じるお金にまつわる困りごとは? ~証券購入経験者と未経験者で比較~

証券購入のニーズとなる「お金にまつわる困りごと」を見ていきましょう。まず、証券を購入したことがある人の回答は、”老後資金”、”資産形成”、”資産運用”の3つが半分近くを占めています。”あてはまるものはない”(困りごとはない)と回答した人はそれぞれ8.4%と6.8%と少数派となっています。

一方、証券を購入したことがない人の回答は、”老後資金”が22.3%と1位は変わりませんが、2位が”収入”で14.3%、3位が”あてはまるものはない”で13.8%(購入経験者層より5~7%高い)という結果になっています。
一見すると証券を購入したことがない人はお金にまつわる困りごとが少ないように見えますが、内訳を見てみると”資産形成”と”資産運用”が購入経験者層と比べて5~7%低く、これが”あてはまるものはない”という回答が多くなった要因のひとつであることがわかります。
資産形成や資産運用のニーズを生み出すであろう”老後資金”、”病気や介護に備える資金”、”子どもの学費”は証券購入者層と同じ、もしくは高い結果になっています。証券が解決策のひとつになり得ることを認識していないだけで、潜在的なニーズは伺えます。

証券購入の決め手は? ~証券購入を決める2つの要素~

証券購入の決め手が何か明らかにするために、「証券に興味が持てない理由」「購入に至らなかった理由」と、「証券購入に至った理由」を比較してみましょう。
まずは証券を購入したことがない人の「証券に興味が持てない理由」「購入に至らなかった理由」です。”知識面での不安”や”商品内容が難しそう”、”損をするのが不安”といった金融リテラシー面での不安に対する回答が多い結果となっています。
一方、担当者を介して購入したことがある人の「証券購入に至った理由」を見ると、”商品内容の理解””担当者への信頼”が購入の決め手になっているようです。ネットなどで直接購入したことがある人は”購入方法や手続きがわかりやすかったから”というCX(顧客体験)に関わる回答が多くなっています。
いずれも知識面での不安に対するサポートが重要であるという結果になりました。
以上を踏まえると、営業担当者に直接話を聞きながら理解を深めることが証券購入に繋がると考えられます。では、消費者が営業担当者に求めることは何でしょうか?

消費者が証券営業担当者に求めることは? ~証券購入経験/未経験者に共通する3つのポイント~

消費者が営業担当者に求めることは証券購入経験の有無で変わるのでしょうか?
結果としては、担当者を介して購入したことがある人、ネットなどで直接購入したことがある人、購入したことがない人、共通して”専門知識の豊富さ””説明の分かりやすさ””リスク管理”がTOP3になりました。3者とも担当者に対して求めることはかなり近いようです。

ネットなどで直接購入したことがある人も、担当者に対して知識面でのフォローを求めていることがわかりました。では、なぜ担当者を介して購入しないのでしょうか?

営業担当者を介して購入しない理由は? ~相反する2つの課題が浮き彫りに~

担当者を介して購入しない理由を明らかにするために、購入したことがない人に「担当者を介さずホームページなどで購入したい理由」と「担当者を介して購入したい理由」を、購入したことがある人に「実際に担当者を介して購入した理由」を聞きました。
まず購入したことがない人の回答を見てみると、“担当を介すると押し売りされそうなイメージがあるから”という回答が半数を超えています。信頼関係の構築が大きな課題となりそうです。
それ以外の点だと”店舗に出向きたくない”、”話を聞く時間がない”という回答が目立ちます。店舗に出向く手間など、時間的な制約が大きなネックとなっていそうです。手数料など金額面に対する懸念は少ないようです。
一方、担当者を介して購入したい理由は、これまで出てきた知識面の不安である”専門的な知識がないから”が61.5%となり、次いで”じっくり話を聞きたいから”が17.9%となりました。こちらも同様に時間が重要なカギになりそうです。

※「もし証券を購入するとしたら、担当者を介して購入したいですか?それとも担当者を介さずホームページなどで購入したいですか?」に対する回答者数
・担当者を介さずホームページなどで購入したい:321人(64.2%)
・担当者を介して購入したい:179人(35.8%)

次に、「実際に担当者を介して購入した理由」は”じっくり話を聞きたいから”が25.2%で購入したことがない人の回答より7.3%多くなっており、時間をかけることの重要性がより顕著に現れた結果となりました。担当者からじっくり話を聞き、商品を理解したうえで判断をしたいというニーズが伺えます。
また、担当者を介さずネットなどで直接購入した理由として「気軽に自分の都合の良い時間帯に出来るから」(50代 大阪府 女性)という声もありました。時間的な自由度にメリットを感じているようです。

まとめると、担当者を介して購入したくない理由として“担当を介すると押し売りされそうなイメージがあるから”という回答が半数を超えており、そのイメージを払拭するためには信頼関係の構築が大きな課題となることがわかりました。
しかし、一方で信頼関係の構築には時間が必要となり、時間的制約に対する懸念が大きいという相反する課題が浮き彫りになりました。

相反する2つの課題を解決する「対面とオンラインのいいとこ取り接客」

証券購入において消費者が感じる3つの壁として「証券に対して感じるハードルの高さ・知識面での不安」「損をするかもしれないという不安」「時間的な制約」があり、これらの問題に対して「信頼関係の構築」と「時間的制約の解消」という相反する2つの課題が浮き彫りになりました。
本章ではその相反する2つの課題に対する解決策となり得る「対面とオンラインのいいとこ取り接客」をご紹介します。

「対面とオンラインのいいとこ取り接客」とは、対面とオンラインの弱点を補い合うことでお客様が真に求める接客を実現する営業スタイルです。
お客様が対面接客に感じている“負”とは、「窓口に行って話を聞かなければ行けないのは、面倒」(30代 大阪 女性)や「営業担当者と会う時間を合わせられない」(40代 千葉県 男性)といった“手軽さに欠けた接客である”という点です。
一方、お客様がオンライン接客に感じている“負”とは、「画面越しだと表情が読み取りにくいから嘘をつかれそうな気がする」(30代 福岡県 男性)や「対面の方がすっと話が入ってくる。 オンラインは慣れないし 難しく感じる。」(30代 奈良県 女性)など、“信頼構築や情報理解が難しい接客である”という点です。
お客様対応において発生するお互いの“負”を解消し合いながら、いいとこ取りをした営業手法こそお客様が求めるものであり、金融業界において取り組むべき「新時代の営業スタイル」です。
事実、調査結果内でもお客様が真に求めるのは「部分的なオンライン接客」であることがわかっています。調査結果の詳細と具体的な実現方法については、金融・保険商品購入者が真に求める、対面とオンラインの「いいとこ取り」接客とは をご覧ください。

対面とオンラインのいいとこ取りで「信頼関係の構築」と「時間的制約の解消」の課題を同時に解決しましょう!

オンラインに慣れないお客様に対しては?

対面とオンラインのいいとこ取りとは言っても、金融業界の営業では高齢者を中心にシステム関連へのリテラシーが高いとは言えないお客様を抱えていることも多いと思います。
緊急事態宣言も含め感染症対策への対応を考えれば、お客様も営業担当者もオンライン接客に切り替えたいのはやまやまですが、ツールの接続やアプリケーションのインストール、初期設定の方法がわからない方にはオンライン接客を敬遠されることもあります。
この問題への解決策は、お客様側でのアプリケーションのインストールや事前準備が一切不要なツールを使用することです。オンライン商談に特化したbellFaceのようなオンライン営業ツールであれば、上記の要件に適うことはもちろん、電話をしながら簡単に接続することができます。
オンラインでのやりとりに慣れていないお客様も、電話+αのコミュニケーションなら難しいことはまずありません。どんなお客様も取りこぼさず、アナログとデジタルの両面からフォローすることが可能です。
お客様のストレスを最小限に減らす”電話+αのコミュニケーション”でCX(顧客体験)を向上する方法については、生損保業界における電話でCXを向上させる顧客コミュニケーション をご覧ください。

まとめ

本レポートでは、「証券購入において消費者が感じる3つの壁」があり「3つの壁を突破をする2つのキーワード」が解決の糸口となり得ることをお伝えしました。

証券購入において消費者が感じる3つの壁

  • ①証券に対して感じるハードルの高さ・知識面での不安
  • ②損をするかもしれないという不安
  • ③時間的な制約

3つの壁を突破をする2つのキーワード

  • 信頼関係の構築
  • 時間的制約の解消(手軽さの実現)

“手軽さの実現”で消費者が証券商品に向き合う時間を生み出し、営業担当者がそのサポートをすることで”信頼関係の構築”に繋げる、その結果として証券購入に結びつく…。しかし、”手軽さの実現”と”信頼関係の構築”の両立は容易ではありません。
そこで1つの解決策として考えられるのが「対面とオンラインのいいとこ取り接客」です。対面とオンラインのいいとこ取りで、手軽さとお客様との信頼関係構築の両立を実現しましょう。
(詳細は、金融・保険商品購入者が真に求める、対面とオンラインの「いいとこ取り」接客とは をご覧ください)

本レポートが金融業界の方々の一助となることを願っております。

この記事を読んだ方におすすめ

    (補足)アンケート回答データ

    Q. お金にまつわる不安や困りごとで当てはまるものをすべてお選びください
    担当者を介して証券を購入したことがある人(N=2,291)

    担当者を介さずにホームページなどで証券を購入したことがある人(N=3,620)

    証券を購入したことがない人(N=14,089)

    Q. 証券に興味が持てない理由は何ですか?当てはまるものをすべてお選びください
    証券を購入したことがない×検討したこともない人(N=371)

    Q. 証券の購入に至らなかった理由は何ですか?当てはまるものをすべてお選びください
    証券を購入したことがない×検討したことはある人(N=129)

    Q. 証券の購入に至った理由は何ですか?当てはまるものをすべてお選びください
    担当者を介して証券を購入したことがある人(N=500)

    担当者を介さずにホームページなどで証券を購入したことがある人(N=500)

    Q. 担当者に求めることは何ですか?当てはまるものを3つまでお選びください
    担当者を介して証券を購入したことがある人(N=500)

    担当者を介さずにホームページなどで証券を購入したことがある人(N=500)

    証券を購入したことがない人(N=500)

    Q. 担当者を介さずホームページなどで購入したいと答えた理由は何ですか?1つお選びください
    証券を購入したことがない×もし購入するなら担当者を介さず購入したい人(N=321)

    Q. 担当者を介して購入したいと答えた理由は何ですか?1つお選びください
    証券を購入したことがない×もし購入するなら担当者を介して購入したい人(N=179)

    Q. 担当者を介して証券を購入した理由は何ですか?当てはまるものを1つお選びください
    担当者を介して証券を購入したことがある人(N=500)

    【調査概要】
    調査方法:インターネットリサーチ
    ■スクリーニング調査
    調査対象:全国の25歳~85歳 男女
    調査時期:2021年8月31日~2021年9月1日
    サンプル数:20,000
    ■本調査
    調査対象:スクリーニング該当者
    調査時期:2021年9月1日~2021年9月1日
    回答数:1,500
    *「担当者を介して証券の購入をしたことはありますか?」の設問に対し、「担当者を介して購入したことがある」「担当者を介さず、ホームページなどで購入したことがある」「証券の購入はしたことがない」と回答した人それぞれ500人(計1,500人)に本調査を配信

    本レポートは寄稿記事として金融ビジネスメディア「The Finance」に掲載されました。
    https://thefinance.jp/marketing/211025

     

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    ・インサイドセールスを導入して営業生産性向上に取り組みたい
    このような経営課題でお悩みの企業様は、是非オンライン営業システム「bellFace(ベルフェイス)」にご相談ください。

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