関西地域に根ざした地方銀行である株式会社池田泉州銀行(以下:池田泉州銀行)では、個人・法人向けに幅広い金融サービスを提供されています。本記事では、同行がどのようにして営業活動における課題を解決し、早期に営業生産性の向上を達成させたのか、リテール営業部 次長 中井さまにお伺いしました。
営業の質を左右する「記録作業」における課題
池田泉州銀行では、営業担当者が面談内容をCRMに登録する業務に多くの時間を割いていました。1日に複数件の面談を行う中、記憶を頼りに記録するケースも多く、情報の正確性や記録の詳細さにばらつきが生じていたといいます。
その結果、記録作業の負担が増大し、営業効率の低下を招いていました。時間と労力を記録業務に取られることで、本来注力すべきお客さまとの関係構築や提案活動に充てる時間が削られていたのです。こうした状況を踏まえ、同行のリテール営業部では、営業活動の質と効率を両立させるため、業務のあり方を見直し、課題解決につながる新たな仕組みの導入を検討しました。
精度と実用性が選定のポイントに
導入検討の過程では、複数のAIサービスを比較検討しました。その中でbellSalesAIが選ばれた決め手は、他社ツールと比較して文字起こしの精度が高く、 AIによる要約機能が実用的なレベルに達していたことです。実際の営業現場で使える品質の要約が生成されることで、CRM登録時間の大幅削減が見込めると判断し、導入に至りました。
営業から育成、事務効率化まで多面的に広がるbellSalesAIの活用
bellSalesAIは、営業用スマートフォンを保有する担当者が、主にお客さまとの面談時に活用しています。録音された内容は、CRMへの記録や面談内容の振り返りに活用され、営業効率の向上に寄与しています。さらに、営業活動だけでなく、各支店におけるOJT(On-the-Job Training:職場内研修)の場面でも活用が進んでいます。ロールプレイの内容を録音・共有し、フィードバックに役立てることで、育成効率の向上にも貢献しています。加えて、営業店での会議の議事録作成にも活用されており、事務作業全般の効率化にもつながっています。
bellSalesAIの活用で実現した3つの成果
bellSalesAIの活用により、以下の定量・定性的な成果を実現しました。
1.本導入から1ヶ月で面談件数が20%増加
まず、試験導入の段階で、CRMへの登録時間が25%削減されるという具体的な成果を出すことができました。さらに、本導入後の検証では、bellSalesAIを活用した支店において、導入月の面談件数はその前月の面談件数と比較して、20%増加という成果が得られました。
2.提案品質と顧客満足度の向上
営業担当者は、お客さまのニーズや要望の聞き漏らしがないかを確認できるため、より的確な提案につながっています。また、面談中にメモを取る必要がなくなったことで、お客さまとの対話に集中できるようになり、提案の質や顧客満足度の向上につながっています。加えて、記録したログを後から聞き返すことで、自身の提案内容を客観的に振り返ることができるようになりました。
3.営業活動を超えた業務効率化への貢献
bellSalesAIは、当初は営業活動の効率化を目的に導入されましたが、現在では営業店での会議の議事録作成などにも活用されており、事務作業全般の効率化にも貢献しています。これにより、店舗全体の生産性向上という副次的な効果も生まれています。
営業担当者の声から見える、bellSalesAIの効果と価値
実際にbellSalesAIを使用している営業担当者からは、
- 「AIが非常に優秀で上手に要約をまとめてくれるのでCRM登録時間削減につながっている」
- 「日々の面談でなくてはならないものになっている」
- 「お客さまとの会話に、より集中できるようになった。」
という声が寄せられています。
さらなる顧客満足度の向上とデジタル戦略体制の強化を目指して
池田泉州銀行では、bellSalesAIの活用をさらに拡大し、営業活動の更なる高度化を目指しています。現在は面談記録や議事録作成が主な用途ですが、将来的にはお客さまのニーズ分析や提案内容の最適化など、より戦略的な活用も視野に入れています。
同行は今後もお客さまの多様なニーズに応えるため、 DX推進を通じて組織の生産性を高めていく方針です。