電話営業の成果は「事前準備」と「電話のコツ」で決まる

入社したばかりの営業パーソンのほとんどは、最初に「電話営業」を任されます。新人営業職にとっては、研修を終えたばかりでいきなり電話での営業を任されることに「失敗したくない」という不安が頭をよぎることでしょう。

営業全体に言えることですが、ポイントは「この営業と関係を続けることでなんらかの価値がある」と顧客に思わせること。しかし電話営業の場合には限られた時間内で、かつ音声のみでそうした関係性を築く必要があるため、ある程度のコツが重要になってきます。

ここでは「事前準備」「電話における営業トークのコツ」の2つに分けて、電話営業の担当者なら得ておきたい知識を紹介していきます。

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【事前準備】営業フローや質問・回答集を用意する

知らない企業や人に電話を掛けることもあり、「当たって砕けろ」の精神で買い手のことを調査せずにいきなり電話営業を行う方もいます。しかし、それは大きな間違いです。

営業は基本的に、お客さまに「どのようなニーズがあるか」を知り、そのニーズを満たすための提案を行う仕事です。買い手のニーズを調査しないことは、アポイントや契約につながる可能性を大幅に低くしてしまいます。

少しでも確度を高めるためにも、これから紹介するような内容を理解しておきましょう。

電話営業のゴールまでのフローを把握する

電話営業におけるゴールは「アポイント」や「受注」です。こうしたゴールに近づくためにも、まずは基本的なフローを把握しておきましょう。電話営業のフローは主に以下のようになります。

  • 挨拶・自己紹介
  • 担当者につないでもらう
  • 商材の説明
  • ニーズの確認
  • アポイント(契約・クロージング)

お客様から「競合他社との違いは?」といった質問を受けたり、担当者が不在だったりするときにはフローの変更が余儀なくされます。途中で何を話せばいいのかで迷ってしまわないためにも、主なフローは把握しておきましょう。

電話先の企業を調べておく

事前準備で何より大切なのが「電話先の企業を調査すること」です。電話をかける企業は、自社内ですでにリストアップされている場合もあるでしょう。しかしそのリストだけでは情報が不足しているケースもあるため、しっかりと事前に調べておきましょう。最低でも以下のような項目は押さえておきましょう。

  • 会社名
  • 会社規模
  • 組織図
  • 事業内容(商材)
  • (確認できるなら)担当者・キーマン

場合によっては、「商材」や「担当者・キーマン」の情報を深堀して調べる必要があります。しかし電話営業において重要なのは「事前準備」と「トーク」とのバランスです
たとえば1つの会社の調査に数時間費やしても、実際に電話をして「必要ない」と言われれば、それまでだからです。

そのため事前準備では、情報のボリュームを制限することも大切になります。効率的な方法としては費やした時間を計測しておくことが挙げられます。成約に至った「事前準備」と「トーク」にかかった時間のバランスをデータ化していくことで、時間のかけかたが見えてくるでしょう。

台本(トークスクリプト)を用意する

はじめて営業を行うかたの場合、電話の内容を具体的に台本としてテキスト化しておきましょう。実際に「では、御社の製品(サービス)はどのようなものか教えてください」と言われたときに、即座に説明できますか?

相手に「何度も同じことを言っている」「自信がなさそう」と思われてしまってはせっかくのチャンスを潰してしまいます。

スクリプトを作るうえで注意しておきたいのが、「場面ごとの目的を意識する」ということです。たとえば電話の流れによっては、電話を受けた方と担当者それぞれに「商材の説明」を行うケースがあります。

しかし前者の場合は「電話を掛けた背景を知ってもらうため」、後者の場合は「商品・サービスを知ってもらうため」と、その目的が異なります。こうした目的の違いを頭の中で考えながら話すよりも、用意した台本に沿って話すほうが、より相手に伝わりやすくなるのです。

「よくある質問とその回答」を用意する

台本に近いものですが、お客様から「よくある質問表とその回答」を用意しておくことも欠かせません。営業パーソンにとって、お客様からの質問に対処できることは何よりも重要なスキルです

ちなみに質問が生じない場合は、お客様が製品もしくはサービスにほとんど関心を寄せていないと思ってよいでしょう。

電話を掛ける前に、相手の立場になって製品やサービスに関する疑問点を考え、列挙しましょう。また他の営業パーソンに「よくある質問」を共有してもらうことも良いかもしれません。そうしてまとめた質問とその回答を利用することで、ある程度の質問を対処できるようになるはずです。

また場合によっては、お客さんから製品やサービスに対する「反対意見」をいただくこともあります。こちらも質問と回答と同様に、反対意見のひとつひとつと対処法をセットで書いた台本を記録していきましょう。

【電話のコツ】挨拶からヒアリングまでの営業トーク

挨拶は聞き取りやすい「ソ」の音階を意識する

電話営業の最初のステップ は「挨拶」です。電話営業の場合には“よく知らないお客さま”を相手にすることがほとんど。

「第一印象は最初の数秒で決まる」と言われています。少しでも心証を良くするため、相手が聞き取りやすい声で挨拶をするようにしましょう。また「ソ」の音階は相手の印象が良くなると言われていますので、意識することをオススメします。

会話は句点(。)で終わらせる

電話で話している際に「~なので」や「~ですが」のように読点(、)で終わってしまうと、相手に不安やストレスを与えてしまうことがあります。台本を読み上げるだけだったとしても、しっかりと句点(。)で終わらせるようにしましょう。

しっかりと話すのは一部の人だけ

電話営業の場合、1日に数十人~数百人という方々と話す機会があります。少しでも結果を残したいと考えて、すべての人に熱を入れて話したいと思うかもしれません。しかし、それは効率の面からいえば、得策とはいえません。

お客様の中には「すでに同じような商品を利用している」「商品の使いどころがわからない」など、売り込むのが難しい特性を持った企業もあります。そうしたところに粘って売り込んでも、成約にはつながりませんし、お互いにとって時間のムダになります。

商品に関心を寄せている方にのみ集中して“しっかりと話す”ようにしましょう。勝負はそこからだといっても過言ではありません。

説明の中の無駄をなくす

せっかく話を聞いてもらえるチャンスを得ても、長々と回りくどく商品の説明をしていては、相手がストレスを感じてしまい、マイナスなイメージを持たれてしまうかもしれません。相手が決裁権を持っている担当者だった場合、話すら聞いてもらえないこともあります。

また、営業トークに焦ってしまい、必要のないことまで説明すると、相手が切り返してくる隙を与えることにもなってしまいます。不用意な説明は受け取り手の情報量を増やすことになってしまい、肝心なことが伝わりにくくなります。

電話営業をするときは、「簡潔に、要点だけをまとめて伝える」ことを意識しましょう

どうしても説明することが多く、時間がかってしまう商材の場合は仕方がありませんが、そういったケースは稀です。その場合も、あまり電話営業で全てを説明しようとせず、細かい点は資料の活用や対面営業の際に話すなど、別の機会につなげるのも有効です。

手短に説明するための事前準備として、会話のフローやトークスクリプトを用意しておくようにすると営業トークが長くなりがちになるのを防ぐ効果があります。

質問はチャンス。あらゆる質問に即答できるようにしよう

トークスクリプトを用意しておくといい、とお伝えしましたが、トークスクリプトの効果は端的に説明ができるようになるだけではありません。さまざまな質問に対してスムーズに答えられるようにもなります。

質問があった場合、無言になったり返答に時間がかかったりしてしまうと相手に不信感や頼りない印象を与えてしまいます。不信感を与えたままではクロージングの成功率がぐっと低くなります。ある程度予測ができる質問は、事前にリストにまとめておいてすぐに確認できる状態にしておきましょう

どうしてもその場で答えることができないようなイレギュラーな質問をされた場合には、一旦宿題にして、次回のアポイントメントのときに返答するようにすると良いでしょう。こうすることで次回のアポイントメントを取る口実にもなるので、その場で答えられない質問もチャンスに変えられるよう有効活用しましょう。

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「声を聞く」のも営業の必須スキル

営業に携わる方は「一つでも多くのモノを売りたい」という気持ちから、自分のペースで話をしようとする傾向が強いです。しかし場合によっては顧客の声に耳を傾けることも重要になってきます。

たとえば「商品に興味があるが、どのように活用したらいいのかわからない」と言われるケースもあります。そうした場合には、お客様の課題に耳を傾け、一緒に解決することに徹しましょう。

セールスといえば、自ら売り込むことが仕事のように感じがちですが、率先して相手の声を聞くことも必須のスキルです。相手の話を聞いて一緒に問題解決を行うことで、お客さまに信頼していただけるでしょう。

電話営業で意識するべきこと

電話営業は、断られることが非常に多い営業手法の一つです。100件電話をかけても、話を聞いてくれるのは10件以下なんてこともよくある話です。

受付担当者が新規の営業を取り次がないように教育されていることも多く、声のみでコミュニケーションをとるため、ぞんざいに扱われてしまうこともあります。「断られるのが怖い」「冷たくあしらわれるのが嫌だ」といった理由で営業をやめる人も少なくありません。

そういった状況で大切なのは、「いかに前向きでいるか」です。99件連続で断られたとしても、100件目の電話は明るく話さなければいけません。電話営業ではトーク力だけでなく、モチベーションの保ち方も身につける必要があります。

モチベーションの保ち方をつくる

人間は何度も断られていると、まるで自分自身を否定されている気がしてきてしまいます。当然気持ちは沈み込んでしまい、声にも覇気がなくなってきます。それでも次の営業先に電話をかけるときは明るく振る舞わなければならないため、自分でモチベーションをコントロールすることが必要になってきます。

モチベーションをコントロールするには、外面からのアプローチと、内面からのアプローチの2つの方法が存在します。

外面的アプローチの方法

外面からのアプローチは主に肉体に刺激を与えることで、食事・運動・睡眠の質を高めることです。3日間徹夜でろくに食事もとっていない人よりも、毎日きちんと食事と睡眠をとって、適度に運動している人の方がモチベーションを維持できるのは当たり前の話です。

また、心拍数を上げると人間はポジティブになるので、お断りが続いてモチベーションが下がったときは一旦休憩を取り、会社の周りを早足で散歩するといいリフレッシュになります

内面的アプローチの方法

内面からのアプローチは、考え方を変え、物事を違った角度から見る方法です。ロジカルな思考ができるようになったり、メンタルのトレーニングになったりします。
例えば、「1日50件電話をかける」というような達成するのが難しくない小さな目標を立てると効果があります。確実に達成できる目標を立てたらそれをクリアするように心がけます。

小さな成功が積み重なることで自信に繋がり、モチベーションが低下したときにこそ何かの目標を達成することでまた前向きな気持ちに戻ることができます。営業を断られた、という事実をどのように捉えるかによって、モチベーションの維持がぐっと楽になります。

断られても、成功のための糧にする

「あぁ、また断られてしまった」と落ち込むだけではせっかく営業にかけた時間が無駄になってしまいます。断られたときでも、なぜ断られたのだろうと考えるようにしましょう。

  • 予算に合わない
  • タイミングが合わなかった
  • そもそも興味がなかった

等々、営業トークを振り返り、要点は伝えられたか、相手はどんな反応をしたか、どんな質問をきてきたかなどをメモやリストにまとめるとよいでしょう。

「まただめだった」のではなく「まだだめだ」なのです。トライアンドエラーを繰り返し、溜まったリストを基に作られたトークスクリプトは営業の成功率を上げることになるでしょう。

考えすぎない、悩みすぎない

営業を振り返り分析するのはよいことですが、「相手に迷惑だったかな」「なんで話を聞いてくれないんだ」と引きずりすぎることは、精神衛生上あまり良いことではありません。

電話営業は商品を探している会社を探す仕事です。テレアポの勝率が低いのは当たり前のことで、失敗したことを根に持つようにいつまでも引きずると次の営業にも影響がでてきます。

断られたとしても深刻に考えすぎず、分析を終えたらすぐに次の営業先に取りかかれるよう日頃から意識しましょう。

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Q&A

Q.電話営業は事前準備として何をしたら良い?

A.フローや質問・回答集(トークスクリプト)を用意しましょう。挨拶からはじまり、何をどのような順番で話し、どのような質問が想定されるのか、といったマニュアルを作り、なおかつ日々の営業の中でさらに改良を加えていくことがおすすめです。

Q.電話営業のコツは?

A.相手に聞き取りやすい声で印象良く話すことが基本ですが、すべての電話相手に一生懸命になりすぎないようにしたほうが良いでしょう。手を抜いてよいという意味ではなく、商品・サービスがまったく合わないと感じている方にどれだけ粘っても意味がなく、疲弊感だけが残ってしまうためです。興味がありそうかの見極めをできるだけ早期に察知できるようにしましょう。

Q.でも、電話営業がつらいです。

A.電話営業は、自社商品を探している人を探す、1種のマッチングです。ですから、断られて当たり前です。決してあなたのせいではないので、成功率を上げるための分析やスクリプト改良はした方が良いですが、1件1件を深刻に受け止めるのはおすすめできません。食事と休息は必ず十分に取り、自分なりのリフレッシュ方法も用意しておきましょう。

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