会社の花形とも言われ、文系科目を卒業した新卒者に人気な営業職。「成長できそう」「給料が良さそう」といった明るいイメージを持たれがちな反面、「飛び込みや訪問が大変そう」「数字に追われてノルマが大変そう」といったネガティブなイメージもあります。
この記事では、営業の大変だと感じるポイントと、その改善案をご紹介していきます。
営業が大変と感じる大きな理由
営業は取引先にとって自社の窓口になるため、特に大変だと感じることが多いのではないでしょうか。営業が大変と思うポイントをいくつか見ていきましょう。
お断りされることが多い
新規のお客様に営業をする場合、自社の商品をまったく知らない人や興味を持っていない人にアプローチしていくことがあります。どれだけ魅力的に商品を紹介しても買ってもらえるかわからない、そもそも話を聞いてもらえるかどうかもわからないのです。
「そういうのは結構です」とお断りされることが続くと気持ちも落ち込みますし、自分自身を否定されたと感じてしまうかもしれません。経験を重ねることで断られることにも慣れてきますが、やはりメンタル面でのタフさがなければ大変です。
しかし、いくら気持ちが落ち込んでいても、営業するときは明るく前向きでいることが求められます。特に飛び込みやテレアポをする場合は、どんどん見込み客にアプローチしていかなければなりません。もし暗い表情や声でお客様と話をしていたら印象は悪くなりますし、信頼関係も築けません。落ち込んでいるときでも気持ちを切り替えて次の営業に向かうところが営業の大変な部分です。
営業ノルマに追われる
営業職にノルマはつきものです。営業は自社の商品やサービスを売ることで、会社の利益や売上に貢献する役目を担っています。そのため、やみくもにお客様のところを回るのではなく、常に数字を意識して仕事をする必要があります。
それぞれの営業担当者には売上目標、つまりノルマが課せられているところも多く、ノルマがプレッシャーになって「仕事がつらい」「辞めたい」と思うようになる人も少なくありません。ノルマを達成することでインセンティブ、いわゆる報奨金が出る企業もあります。それがやる気や、次へのモチベーションへつながれば良いですが、かえってプレッシャーに感じてしまう方もいるようです。
リード獲得にも一苦労
営業でいう「リード」とは見込み客のことを言います。リードを集める方法は会社によって様々です。だからこそ、自社に合った方法を探していくことが必要です。そのために、多くの会社がとっている手法がアンケート調査です。人が多く集まる場所で行うのが効果的で、大都市では駅前や百貨店、人口密度の低い田舎などの地方は地域イベントやお祭りなどが該当します。
しかし、アンケートを実施してもそれに答えることが目的ではない人が大半なので、答えてもらうためにポケットティッシュや生活用品などの簡単なプレゼントを用意することもあります。
その他にも、すでに商品を買っている、サービスを利用しているお客様の知人を紹介してもらうキャンペーンやダイレクトメールもリード獲得手法として使われています。
どのような手法をとるにしても、見込み客が自社の商品・サービスに興味を持っている段階でアプローチをかけなければならないので、スピードが重要です。場合によっては電話をかけ、アポをとって直接会うために足を運ぶ必要もあります。それでも確実にリード獲得できるわけではないところが苦労するポイントです。
出張や移動の多さ
営業はとにかく移動が多い職種です。1日の移動時間を2時間として、1週間で10時間。週40時間働くとしたら、4分の1は移動に時間を費やしていることになります。仕事の4分の1が移動だとそれだけ時間を無駄にしてしまっていると感じる人も多いです。
さらに営業先が遠方だったり、渋滞や遅延などが起きたりすると、もっと時間がかかってしまいます。出張で地方に行く場合はいつもより早い時間に家をでなければならず、始発に乗って行くこともあります。普段より早い時間から仕事のために行動するため、拘束時間が長くなってしまいがちです。
取引先へ訪問し打ち合わせが終わったら帰宅、となれば移動が多いのも苦ではないかもしれませんが、営業職は訪問が終わったあとに会社に戻り、事務作業を行うところがほとんどです。日中は外にいることが多い営業は、顧客の業務時間が終わったあとにデスクワークに取り組むことになります。
出張先や移動中の隙間にできることが限られていることから、自分が抱えている仕事に取り組める時間が前後してしまい、ライフワークバランスが取りづらいことが大変と言われる要因です。
非効率が営業の邪魔をする
営業には非効率な部分も多くあります。例えば、社内会議や商談に伴う移動時間が非効率であると考える人が多くいます。現在、働き方改革が声高に叫ばれていますが、過半数を超える職場で、本格的な取り組みができていません。
しかし、多くの営業職員が、無駄な業務を削減して、営業活動の時間を増やしたいと切実に考えています。具体的には、「商談」「商談の事前準備」「商談後の顧客フォロー」に時間を割きたいというのが本音です。
そのためにも、営業活動以外の業務である、社内会議や商談に伴う移動時間を削減し、非効率な仕事をなくす努力が大切なのです。
社内会議
社内会議が非効率であるという意見が非常に多くあります。実際、日本企業では、「無駄な会議」が非常に多いと言われています。この無駄な時間は、結局のところ、社員のモチベーションまで低下させてしまいます。
例えば、慣例となっている定例会議や報告会議があります。意見交換をして、決めるべき議案が無い場合の会議は、無駄です。メールによる情報共有で事足りるため会議を開く必要がない場合もあるでしょう。
また、会議の時間を守らないことも、大きな無駄となります。議論が白熱するあまり、予定していた会議の時間を大幅に過ぎてしまう経験をされた方も多いはずです。良い案がなかなか出ないからといって、ただ会議を続けていては意味がありません。
さらに、資料がやたらと多いことも、資料を用意する社員と読む社員の双方に大きな負担となります。思い切って資料を無くすか、大きく減らす努力をして、話し合いに集中できる会議を目指すとよいでしょう。
商談に伴う移動時間
商談に伴う移動時間を無駄に感じる営業マンは多くいます。朝早くから営業に行くために車に乗り、定時ギリギリに営業所に戻ってくることは、ざらにあります。遠方まで営業に向かったのに、お客さんが不在で、時間だけが無駄に過ぎ去っていくことも、しばしば起こり得ます。
営業は、顧客と面と向かって話すことに意味があるので、移動時間を消耗する毎日で本当に良いのかと自問自答することもあるでしょう。一日の仕事のうち、移動時間がどれだけ結果に結びついているのか、疑問に思う営業パーソンが多いのも、うなずけます。
大変な営業活動を改善する4つの方法
コンスタントに成果を出すために、営業活動の効率化を図る企業が増えてきています。個々の営業担当者の負担を減らし、業務に当てられる時間を増やすために組織全体で改善に取り組み、ツールを導入して移動時間の削減をおこなっています。
以下、より効率的な営業活動を行えるポイントを4つ紹介していきます。
組織内の営業力向上を図る
営業は個人プレーと思われがちです。確かに、商談も契約も、やろうと思えば1人で出来てしまいます。しかし、それではいつまでたっても個々の力でしか売れず、成果が安定して出せません。組織全体で営業力の向上を図ることによってそれまでになかったメリットが生まれます。
例えば、各営業担当者の長所と短所を把握することによって、スキルの共有や向上ができるようになります。営業トークが苦手なメンバーにロールプレイングをしてもらうことで、本人の短所の克服や、周りのメンバーに新たな気づきが生まれるかもしれません。新人を教育する場合にも、教育担当者の自己流ではなく組織で統一された教え方をすることである程度の基礎力が把握でき、マネジメントしやすくなります。
SFA、CRM、MAなど各種ツールの導入
インターネットの普及により、様々なシステムが流通していますが、営業活動のマーケティングにも効率化を図るツールが導入されてきています。代表される3つのツールがSFA・CRM・MAと言われるものであり、それぞれに役割があります。
SFA
セールスフォースオートメーションの略で、営業担当者を支援するためのツールです。
SFAでは業務の可視化・効率化が可能となり、営業担当者がいつ、どの企業の、どの担当者と、なんの商談をしたのかといった記録や、次にどんなアクションをとるかを残すことで商談の優先順位や状況把握ができるようになります。
また、担当者同士で情報の共有ができるので、担当者間の引き継ぎやノウハウの共有による人材育成にも役立ちます。
CRM
カスタマーリレーションシップマネジメントの略で、顧客関係の構築・維持ができるようになるツールです。CRMでは顧客の氏名、年齢、性別、電話番号といった基本情報から、購買履歴に関する顧客データを管理することができます。
それらの情報を分析して、既存顧客のニーズに沿ったアプローチを行っていきます。また、SFAのように営業担当者が商談履歴を残し、クレーム対応の履歴を残すことも可能です。
MA
マーケティングオートメーションの略で、マーケティング施策をシステムにより自動化することができるツールです。MAのメール一括送信機能を利用したメルマガ配信や、ホームページへの訪問者情報の分析、スコアリング(リードの熱量を数値化する機能)によるリードの見込み度合いの判別やターゲットリストの作成などが行えます。
従来は人の手で行っていたルーティーン作業や、時間とコストのかかる複雑な作業を自動化することで、効率的なマーケティングが行えます。
SFA・CRM・MAはそれぞれ異なる特徴を持っており、得意とするマーケティングや営業の段階があります。
MA(リード獲得・育成)→SFA(商談)→CRM(顧客維持)のように、それぞれが独立しているのではなく、一連の流れの中で、各段階のサポートに使います。
組織の営業プロセスを見直す
営業プロセスとは、営業担当者が行う業務をプロセスで表現したもので、顧客へのアプローチから受注までにどのような段階があるかをまとめたものです。
以前は営業プロセスがそこまで重視されず、営業活動は個々のスキルや経験に頼っていました。
しかし、現在は人手不足などにより少ないリソースで成果を上げなければならず、それに伴って社内で営業プロセスを見直す必要が出てきました。すでに営業プロセスを活用している企業の中には、第三者が提案したプロセスをそのまま使っているところも少なくありません。
また、営業担当者が社内のプロセスを勝手に変更して使っている場合もあります。営業プロセスは各企業によって異なり、扱う商材や目標売上、顧客の購買プロセスに合わせて整理する必要があります。
Web会議システムを利用する
IT社会となった現代、インターネットを用いた営業方法も広まっています。Web会議システムのメリットは社内に居ながら遠方の顧客と顔を合わせているように商談ができることです。
足を運んで顧客のところまで行き商談を終えて会社に戻る、顧客がこちらに来る場合は、来客応対スペースの確保、お出迎えからお茶出し、商談、お見送りといった商談に付随する作業をする時間が削減され、これまで移動などに使っていた時間を他の業務に当てることができるようになります。
まとめ
これまでは「きつい仕事」と思われがちだった営業ですが、新たなシステムにより負担が大幅に減り、それまでのイメージがガラッと変わってきています。bellFaceを導入することで、効率的・ストレスの少ない営業活動へ変えていきましょう。
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