月間300商談を生み出すインサイドセールスチームの全て【体制・オペレーション編】

近年インサイドセールスという営業手法が日本でも急速に拡大しています。

もともとインサイドセールスとは、見込み顧客の獲得から受注までを社内にいながら完結させる内勤型営業の意で、国土の広いアメリカやヨーロッパで広まってきた営業手法です。

近年は、日本でも働き方改革や営業生産性向上の経営課題を背景に徐々に浸透してきており、特に2020年4月の緊急事態宣言発令以降「DX待ったなし」の状況になり、インサイドセールスに取り組む企業がどんどん増えてきています。

営業に特化したWeb会議システム「ベルフェイス」を提供する弊社ベルフェイス株式会社では、3,000社(2021/1/1時点)のインサイドセールスを支援しており、そのノウハウを発信しています。

今回は、インサイドセールスの中でも、商談獲得までを担い、アポ数やそこからの受注金額の最大化を目指す分業型インサイドセールスについて、弊社インサイドセールスチーム マネージャーの横山にインタビューしました。3回の連載企画として、ベルフェイス株式会社がおこなっているインサイドセールス(SDR)の取り組みの全てを公開していきたいと思います。

  • The Modelのような分業体制をこれから構築される企業の方
  • もしくは、構築し始めていて最適解を模索中の企業の方
  • リード獲得以降の商談数の最大化に悩みを抱えている方
  • 質の高い商談の設定に悩みを抱えている方

などにとって最適な記事です。ぜひご一読ください。

この連載企画は、

の3部構成でお届けします。今回はその第1弾「体制・オペレーション編」です。

横山豊のインタビュー時の写真
ベルフェイス株式会社 マーケティング事業部 インサイドセールスグループ マネージャー
横山豊
2012年に(株)オプト入社。その後グループ会社のソウルドアウト(株)へ転籍、延べ500社の中小・ベンチャー企業のWebマーケティング支援を担当。2017年2月、当時従業員数5名のベルフェイス(株)に入社し、0からセールス・マーケティング事業の立ち上げを経験。入社当時の導入社数200社を2年間で900社まで増加させる。現在はマーケティングからセールスの連携強化を担う、インサイドセールスチームの立ち上げ・体制構築に従事。

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役割は商談の数と質の最大化

――まず、ベルフェイスのインサイドセールスチームのミッションを教えてください。

横山:一言でいうと、ベルフェイスの商談機会の量と質を最大化することです。ベルフェイスは現状インバウンド営業がメインの営業手法です。マーケティングチームがオンライン/オフラインでリードを獲得し、セールスチームが商談を行うため、その2チームの間の架け橋となって、商談設定を担っています。商談の数を増やし、質を高めることがメインのミッションです。

横山:それ以外にも、とにかくたくさんお客様と接する機会を持つことができるチームなので、社内の人材育成チームとしての役割もあると考えています。加えてベルフェイスはインサイドセールスを日本に普及させ、推奨していく立場でもあるため、そのベルフェイスのインサイドセールスチームは日本のインサイドセールス組織のロールモデルでもありたいと考えていますね。

――そんなインサイドセールスチームの役割を教えてください。

横山:こちらが弊社の分業体制を簡単に示した図です。「SDR」と記載している真ん中左のポジションが、私が見ているインサイドセールスチームです。

ベルフェイスの分業体制を表した図解画像

横山:役割としては、マーケチームがWebサイトやイベントで獲得した新規リードや、ナーチャリングによって再度上がってきた既存リードに対してコールを行い、ベルフェイスの興味喚起と入念なヒアリングをおこなった後、セールスチームに商談をパスすることです。

――何人のチームですか?

横山:現在は8人のチームです。正社員・アルバイト・インターンなど様々な人が所属しています。人材育成チームとしての役割もあると先ほど言ったとおり、ゆくゆくは別チームに配属される人が所属しているケースもあり、人材の出入りは非常に激しいチームですね。どこのチームも結局はそうなのですが、インサイドセールスチームは特に仕組み化やメンバー間のトークの均質化などが重要なチームだと思っています。

成果最大化のポイントはスピードと優先度付け

対応スピードと成果の相関

――ズバリ、商談の質と数を最大化するためのポイントを最初に教えてください。

横山:これは一言で言うとスピードと優先度付けです。当たり前のことなんですが、確度・モチベーションの高いユーザーに、なるべく速くコールし商談につなげる。インサイドセールスはこれに尽きます。

横山:これは弊社のデータではありませんが、とある海外の企業が出したデータです。リード発生からの経過時間と、アポ獲得率の変化を示しています。これを見ていただくと、経過時間とアポ獲得率は明確に相関していることがわかりますよね。

リード発生からの経過時間と、アポ獲得率の変化を示す画像(引用)

(出典:Finally! A Call Cadence For Your BDC That Produces More Appointments And Sales.

横山:おそらくインサイドセールスに関わったことがある方なら、誰でも肌感として気づいていると思います。「リード発生からすぐコールしたほうが担当者のモチベーションが高い」ということに。考えてみれば当たり前のことですよね。

Web上でわざわざ資料請求したりお問い合わせしてくれている人は、その瞬間が1番モチベーションは高いはずなのです。そこから時間が経てば経つほど、モチベーションは下がっていきます。他にも様々な業務を抱えていて他のことに興味が移ったりもしますし、体制や業務が変わってそもそもそのサービスを検討する必要はなくなったり、ということもあるからです。

横山:なので、とにかくインサイドセールスにはスピードが重要なのです。他にも重要なことは様々ありますが、これはいかなる業界・規模の会社であれ全てのインサイドセールス組織に言えることです。

優先度付けが重要な理由

――次に優先度付けについても教えてください。

横山:これは、例えば月100件のリードを数人のインサイドセールスチームでさばくような、全てのリードに十分当たり切る工数を確保できるチームなら特に必要ないかもしれません。しかし、成長企業であれば常に増えていくリード数に対応していかなければなりませんし、生産性向上は多くの企業の課題でもあります。そんな時は、対応リードの優先度付けが必要です。

横山:弊社では、

  • リード獲得チャネル
  • 初回コールor追客コール
  • 対応ステータス

の3つの側面で優先度付けをおこなっています。

対応リードの優先度付けについて話す横山豊

リード獲得チャネルと初回接触を意識した役割分担

――上記の優先度付けに対して、具体的にどのような対策をおこなっているのでしょうか。

横山:まず1つはチーム内の役割分担です。役割を大きく3つにわけています。

  • 資料請求×初回コール
  • MQL×初回コール
  • 追客コール

の3つです。資料請求・MQLというのはリードチャネルを表しています。かなりざっくりとした説明ですが、資料請求は新規で獲得したリードなのに対して、MQLは過去に資料請求等行っていただいたもののその時は商談に至らなかった既存リードです。

この2種類にリードを分類し、それぞれに初回コールを行う役割を用意しています。そして、初回コールでは対応できなかったお客様に対応するのが追客コールの役割です。ちなみに「初回コール」は弊社ではリード発生当日内のコールという意味で使っています。

――この役割分担が優先度付けとどう関連するのですか?

横山:先程インサイドセールスはスピードが全てだと言いました。想像してみてほしいのですが、初回コールも追客コールも行う役割を持った人がいると、当然追客コールを行う対象リストの方がどんどん増えていくので、初回コールにかけられる時間が減り、対応スピードが落ちてしまいます。リストをさばくことを優先してしまって、初回コールをなおざりにしてしまうのです。

横山:しかし、リード発生からの初回接触が遅れてしまうことはかなり致命的です。チームのパフォーマンスを左右する最重要タスクには「専任を設ける」ことが効果的だと考えており、そのためこのような役割分担にしています。常にリード発生に張っている担当者がいることで、優先度の高い初回コールの対応スピードを担保することができます。

――なるほど。ではリードチャネル(資料請求とMQL)で担当を分けている理由は何でしょう。

横山:これはトークスキルの洗練という意味でわけています。資料請求をした人と、過去に資料請求した掘り起こしリストではベルフェイスへのモチベーションは当然異なります。ユーザーのモチベーションが異なればトーク内容が異なるため、担当をわけてそれぞれでトークを洗練しているためですね。

CRMでのステータス管理で優先度を常に明らかに

――優先度については、「対応ステータス」という要素もありましたが、こちらについては具体的にどのようなことをおこなっているのでしょうか。

横山:対応ステータスというのは、リードが発生してから商談を獲得するまでの状況を細分化しているものです。具体的にはこの表のように分類をしています。

実際の優先度付き対応ステータス分類表

横山:例えば、「アポ調整中」ステータスのリードは商談を実施する事自体はすでにOKもらっていてあとは日程調整するだけであったり、リスケになって再調整するだけであったり、という状態です。その状態のリードはまだコンタクトがとれていないリードよりも確度は高いですし、お客様を待たせるわけにはいけませんよね。こういうリードにすぐ対応していくために、CRM上で常にステータス管理を行っています。

横山:ステータスにおける優先度を決めることで、各担当者が今どのリードから対応していかなければならないのかを常に明確にしているのです。

ベルフェイスが心がける3つのオペレーションルール

初回コールは3分以内

――次に、実際のオペレーションについて聞いていきたいと思います。まず、スピードが重要という話でしたが、具体的にどのくらいのスピードを意識しているのでしょうか。

横山:弊社ではリード発生から3分以内の初回コールを心がけています。これは「3分ならかけていい」というわけではなく、できるだけ早いに越したことはないのですが、コールする際にその企業について調べたり、過去接触した履歴などを調べたりする時間も必要なので、現実的なラインとして3分を目指しているというものです。

横山:今初回コールまでに時間がかかってしまっている企業の方は、この部分の見直しは成果に直結すると思います。体制や仕組みの観点で初回コールをいかに速く行える環境を作れるか、という点にこだわると良いですね。

1リード”5C2M”

――1つのリードにどのくらいの数アプローチしますか?

横山:これはPDCAを回している最中なのでベストプラクティスというわけではないのですが、弊社では5回のコールと2回のメールと定めています。

重要なのは基準となるルールを設けることです。このルールがないと、各担当者で対応にばらつきができてしまいます。1回電話して不在だったらすぐ諦めてしまう担当者がいたり、10回以上粘り強く同じリードに電話し続ける担当者がいたり、といったようなことです。

1回電話しただけだとタイミングが合わないケースも多々あるので何回か接触することは必要でしょうし、あまり何回も接触を試みすぎると忙しい方からは不快に思われることもあります。なのでいい塩梅にすることが重要でして、一旦弊社はコール5回とメール2回と定めています。

ルールを定めることでみんながこのオペレーションで実施するようになると効果検証もしやすくなるので、これは今後変更していくかもしれません。

追客は2週間のうちに

――1つのリードにどのくらいの期間アプローチしますか?

横山:これもこの数字に特に根拠はないのですが最長「2週間」としています。対応の量と同じでルール自体はPDCA前提ではありますが、定めることが重要だと考えています。

あまり長い期間だらだらと接触すると、どうしてもリード発生から間もないリードに対応する時間が減っていきます。弊社ではマーケチームのナーチャリングの仕組みも整ってきているため、2週間を超えた場合はステータスを潜在化してそちらに回すようにしています。

インタビュー中の横山の写真

アポ獲得率を上げる5つのテクニック

とにかく事例の引き出しを増やす

――ここまでマネージャー向けの体制・オペレーション構築的な内容がメインでしたが、次にインサイドセールス担当者向けの実際にアポ獲得率を高めるテクニックを教えてください。

横山:はい。では弊社がインサイドセールスの心得として挙げている5つのテクニックを紹介します。1つ目は「具体的な事例を伝え、興味喚起しアポ取得につなげる」ということです。

横山:BtoBサービスでは事例ほど貴重なコンテンツはありません。企業の担当者の方は大抵「うちと似た事例はあるかな」と気にされます。事例はマーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセス全てを加速させるコンテンツですよね。

インサイドセールスにおいては、コール時に「御社と近い業界の〇〇社にもご活用いただいています」「◯◯社ではこのような実績が出ています」など、とにかく具体的に事例を語れるよう心がけてもらっています。

横山:弊社のハイパフォーマーはもはや歩く事例集みたいになっていますね(笑)。新人が横で「この業界の事例って何かあります?」と聞いたらすぐに「それなら〇〇社だね」と回答してくれます。

インサイドセールス主導でなるべく直近の日時を提案

横山:次に、商談OKをいただいた際は、こちら主導でなるべく直近の日時を提案する、という点です。

横山:「ご都合のよろしい日にちはございますか?」と聞いている方、いらっしゃいますよね。これはあまり良くありません。なぜなら、インサイドセールスとして成果を最大化するためにはなるべく直近の日時にアポを設定すべきだからです。

それは、ユーザーの興味がなくならないうちに商談を実施したいという考えもあるのですが、リスケを防止したいという考えもあります。商談の日にちが遠ざかれば遠ざかるほど、リスケになる可能性は高まります。

ちなみに、弊社では当月のアポ設定数ではなく、当月の商談実施数をインサイドセールスのKPIとして追ってますが、これもなるべく近い日にちでのアポを設定してもらうためです。このあたりはKPI編で詳しくお伝えできればと思います。

ちなみに、弊社は商談の大半を自社製品ベルフェイスを通して行います。オンライン商談の良さは商談数の増加や商圏拡大・コストカットという点だと思っている方が非常に多いと思うのですが、実はリードタイム短縮という効果がある点も見逃せません。

移動時間が削減されることで、インサイドセールスからセールスへの商談パスが最短即日で行えるのです。商談を大抵1週間先に設定している方は、ぜひオンライン商談をご検討ください。

戻り時間・再コール日程を先方と握る

横山:3つ目は、担当者不在時やつながっても「今は忙しい」「今移動中」など断られた際のテクニックです。当たり前のことではあるのですが、その際先方の戻り時間やお手すきの時間を確認するなどして、再コールする日時を先方と握りましょう。細かいテクニックですが、ただ闇雲にコールするよりはコンタクトを取れる可能性が高まります。

リスケを放置せずすぐに再調整日時を設定する

横山:直近の日時で商談を設定しても、もちろんリスケは発生します。このリスケは何よりも速く対応することが重要です。すでに一度商談のOKをいただいた方なので、ここで待たせてしまうのはお客様にも失礼です。

上手くいかなかったコールを社内共有

横山:何かしらのツールを使ってコールを録音している場合に限りますが、「上手くいかなかったな」と思ったコールは隠さず社内に共有しましょう。1人で改善を図るより、全員で改善を図った方がアイディアにも幅が出ますし、チーム全体の成果になります。

横山:全て上手くいくことを最初から期待している人はいません。改善こそがビジネスの礎です。改善のタネは、全員に共有していきましょう。

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まとめ

いかがだったでしょうか。インサイドセールスのポイントはスピードと優先度付け。そのために体制を構築しているとのことでした。テクニックやルールはすぐに取り入れることもできるものだと思うので、「いいな」と思ったものはぜひ参考にしてみてください。

次回はKPI・目標管理編です。

  • ベルフェイスがたどり着いたインサイドセールスのKPI
  • Salesforceのダッシュボード活用
  • チームのKPI意識を高める方法

などをご紹介します。ぜひ次回もご一読ください。

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