この商談はインサイドセールス? 訪問? 最適な使い分けとは

インサイドセールスを効率的に導入するためには、利用する上での「ルールづくり」が大切です。とくに大切なのは、この商談は「インサイドセールスにするか? 訪問にするか?」という見極めです。ルールを設けることで現場の混乱を防ぎ、業務効率化ひいては生産性の向上につながっていきます。本記事では、事例をまじえてインサイドセールスと訪問を切り分ける基準を紹介していきます。

※「インサイドセールス」についてより詳しく知りたい方は、当メディアの記事「インサイドセールスとは?800社の事例をもとにメリットを徹底解説」をご覧ください。

1. インサイドセールスとは?

営業活動にはさまざまな手段がありますが、顧客と直接対面せずメールや電話などの内勤型の営業活動でアプローチするのがインサイドセールスの特徴です。

インサイドセールスでは、新規顧客の獲得も行う場合もありますが、現在は見込み客の育成や既存顧客のフォローを行うのが主流の活用方法です。商談をした際に、見込み客の購買意欲がどれだけ高くなっているかが受注の可否に繋がります。また、既存顧客になった後も継続して取引して貰うために、契約締結前後のフォローやヒアリングなどがインサイドセールスの役割になります。

近年では、時間や場所を取ることなく営業コストも削減できるインサイドセールスが、企業の働き方改革の推進や人員不足に対処できる手法として、多くの企業で導入されはじめています。ここではインサイドセールスを導入するメリットと主な手法についてご紹介します。

1.1インサイドセールスを導入するメリット

インサイドセールスを導入することで生まれるメリットのうち、代表的なものを3つご紹介します。

1つ目は、効率的な営業活動が実現できる点です。

フィールドセールスの場合は見込み客のもとへ出向く移動時間がかかりますが、インサイドセールスでは移動時間がかからず、その浮いた時間を利用して、より多くの見込み客とのやり取りが可能になります。また、見込み度の高い顧客にはフィールドセールスを行い、見込みの低い顧客へはインサイドセールスを行うなどの優先順位をつけることで、さらに効率的に営業を行うことができます。

2つ目は、経験が積みやすいことです。

インサイドセールスは1日で多くの見込み客への対応ができるので短期間に多くの経験が積みやすい特徴があります。また、社内で商談ができるため、新人でもベテラン社員のサポートを受けながら行うことができる点も、教育のスピードアップに貢献します。

3つ目は、見込み客を育成できることです。

フィールドセールスでは、確度の高い顧客に絞ってアプローチを行うため、顧客の育成まで手が回らないことが多くありました。しかし、インサイドセールスによって見込み客に対し定期的な情報発信をすることで、購買意欲を高め契約締結に至る確率を高めるリードナーチャリング(見込み客の育成)を行うことができます。

1.2インサイドセールスの手法

インサイドセールスは企業によって利用するタイミングが異なり、利用には3つのパターンが存在します。

・アポ獲得型

一般的なインサイドセールスの役割がアポ獲得型です。アポ獲得型の目的は、マーケティングと営業の間をつなぎ、商談の機会を生み出すことです。企業内では、商談件数や商談金額を重要経営指標(KPI)として運用します。

・クロージング型

クロージング型では、直接訪問しなくても商談ができる「Web会議システム」などを使用して、インサイドセールスチームが契約締結までを行います。遠方の場合や、何度も訪問してコストがかかる場合にはクロージング型の活用をおすすめします。

・既存アップルセル型

既存アップルセル型は、既存顧客に対しアプローチをすることを主とするタイプです。営業活動を新規・既存に分けて行っていない場合や、既存顧客に対してフォローが回っていない場合には既存アップルセル型が適しています。

2. 組織にインサイドセールスをどのように組み込むか

ここでは、インサイドセールスを導入することで組織体制にどんな変化があるのかについてご紹介します。

2.1インサイドセールスの営業活動における役割

今までの営業活動では、アポイント獲得から契約までを1人の営業担当者が担っていました。しかし、見込み客の商品・サービスに対する購買意欲が不透明な状態で商談を行う点や、見込み客1人に対する営業コストがかかりすぎてしまう点が課題でした。

そこで、インサイドセールスと分業することで、インサイドセールスが見込み客の獲得・育成から商談の提案を行い、マーケティングとフィールドセールスの間を結び付けて効率的に営業活動を行う重要な役割を担ってくれます。

マーケティングとは、顧客に対し商品を選んで貰うための過程全般を指しています。マーケティングの目的は、ターゲット層に対して、いかにして自社商品に興味を持って貰うかです。マーケティングをする際は、事前準備としてターゲット層の選定やどのように宣伝すれば効果が期待できるかなどの仕組みづくりが重要となります。

インサイドセールスの主な役割は、見込み客の育成です。見込み客を獲得するのであればマーケティングでも可能です。しかし、見込み客と関係性を強める活動をマーケティングで担うのは難しいでしょう。インサイドセールスでは、メールや電話で継続的な情報提供をすることで、見込み客のニーズを把握し、信頼関係を築くことで購買意欲を高めていきます。見込み客の育成によって見込み客の購買意欲が高くなれば、商談からクロージングを行うフィールドセールスに渡します。

フィールドセールスでは、見込み客のもとを訪問し、見込み客に対しサービスの提案や商談によって契約締結まで導くのが役割です。商談の際は、インサイドセールスで得た情報とフィールドセールスで得た情報を組み合わせた提案や商談を重ねることがポイントです。そのためには、インサイドセールスとフィールドセールスの連携をスムーズに行えるような仕組みを構築しておく必要があります。

2.2インサイドセールスから商談へ引き継ぐ条件

インサイドセールスを通じて見込み客を育成し、商談につなげるためには、一定の条件のもと商談に引き継ぐオペレーションにしておくことをおすすめします。条件を設定する際は、「BANT条件」と呼ばれる考え方をもとに仕組化すると良いでしょう。

BANTには4つの項目が存在し、項目は以下のとおりです。

・Budget(予算の有無)

・Authority(決定権の有無)

・Needs(企業としての必要)

・Timeframe(導入時期の判断)

見込み客に対して上記4つの項目がすべて高い基準かどうか、インサイドセールスがヒアリングの段階で見極めます。

「Budget(予算の有無)」については、自社の商品を提案した場合に見込み客が商品を購入することができる予算を確保できているかどうかの確認が必要です。予算の確認を怠ると、提案できるプランを誤ってしまい契約のチャンスを逃してしまいます。

「Authority(決定権の有無)」では、意思決定権を持つ見込み客かどうかを見極めます。決定権のない担当者との商談は、決定権を持つ担当者への確認に時間を要したりするため、契約締結までに時間がかかります。

「Needs(企業としての必要性)」では、見込み客の要望が個人ではなく企業全体としての要望であるかの確認が必要です。企業の要望にずれが生じてしまうと、商談でいくら素晴らしい提案を行っても、企業にとって必要のない提案であればまったくの無駄となってしまいます。そのため、現状の課題やその課題が生まれた背景など、可能な限り細かくヒアリングをしておきましょう。

「Timeframe(導入時期の判断)」では、具体的な導入時期を判断します。導入時期が明確だと、受注確度や売り上げが立つ時期が判断しやすいため、非常にスムーズな案件管理ができます。

BANTの4つの項目は、すべて重要な判断材料です。フィールドセールスの商談が成功するかどうかはインサイドセールスでのヒアリング次第なので、すべての項目を漏らさずヒアリングするようにしましょう。

3.インサイドセールスを使い分ける基準は会社によってさまざま?

訪問とインサイドセールスを使い分ける基準には「顧客の特性」や「ステータス」が挙げられることが多いです。顧客の特性の分け方として、よくみられるケースは「新規/既存フォロー」です。この基準で分けるときには以下のようなポイントがあります。
新規顧客の場合は「時間をかけて質の高いコミュニケーションを行い、じっくりと売っていく」、対して既存顧客の場合は「できる限り訪問せずに数をこなしてコミュニケーションの量を担保する」という方針を立てることが良いでしょう。その結果、インサイドセールスと訪問という行動をより効果的に利用することができます。

またステータスでの分け方では「ヒアリング/提案」などがよく挙げられます。事前にインサイドセールスでヒアリングし、訪問時に最適な提案ができるというストーリーが前提にあります。
場合によっては「クロージング」のみ訪問する企業も多いです。訪問は「信頼感」や「詳細な情報」を与えることには向いている方法です。そのため、注文書に判を押してもらうための“最後の一押し”に利用することで効果を発揮してくれるでしょう。

4.重要なのは「自社に適したルール作り」

インサイドセールスと訪問を使い分ける際にはさまざまな基準があります。そのなかでも実際にインサイドセールスを導入して成功を収めている企業が大切にしているのは「自社に最適なルール」を意識しているところです。
たとえば、訪問を主体としている企業では「時節のご挨拶」のために顧客訪問することがあります。
この挨拶のための訪問に関しては、「とくに売上に貢献できないがムダではない」という肯定する考え方と「売上に貢献できないからムダ」と否定する考え方があります。これは、どちらが間違っているというわけではありません。
その企業にとって「どんな顧客にどんな商品を販売しているか」が違うからです。会社ごとのベストプラクティスはそれぞれなので他社を参考にしつつ、自社でインサイドセールスと訪問を使い分けるルールを設定していきましょう。

5.自社の状態を振り返ろう! 棚卸しのポイントは?

それでは、どうしたら自社に適したルールを決めることができるのでしょうか?
まずは一週間の行動を棚卸ししてみましょう。一般的に、日本企業は「顧客と接している時間」に全労働時間の4分の1しか使えていないと言われています。(参考:『第71回 「営業マンの有効活動時間の拡大ポイントとは」/株式会社 日本能率協会コンサルティング』)

まずはムダなミーティングや会議がないか確認しましょう。その会議やミーティングが本当に必要なものかを精査し、絶対に外せない会議だけを残すようにしてください。もちろん、絶対に外せない会議の直前直後には訪問のアポイントを入れることはできません。しかしそれがオンライン商談なら、さして問題はないかもしれませんね。
次に「移動している時間」はどの程度あるかを確認しましょう。訪問の際、行き帰りに30分かかるとしても、週に5回アポイントを入れれば全部で5時間のロスです。商談に使った時間とほぼ同じだけ、移動に使っているかもしれません。遠方の顧客がいる方なら、もっと多くの時間を移動に使っています。そしてそれが自分の総労働時間の何%に値するのかを割り出してみましょう。
だいたい何件程度商談しているのかを割り出せたら、それぞれの商談について「誰に」「何を」の2軸で中身を洗い出すことで、その時間の必要性を明確に出すことができます。「誰に」の軸が必要なのは「顧客の重要さ」を明確にするためです。たとえば「時節の挨拶」を目的とした訪問でも、相手が「口コミで自社の製品やサービスを広めてくれて、自身も優良顧客である人」と、「一定額毎年購入してくれるが、アップセルの見込みはまったくない人」では重要度が変わってきます。もちろん営業マンにとっては、全てのお客様を大切にしたい気持ちがあります。しかし「先の売上につながるかどうか」を冷静に判断することは重要です。過去を振り返って、「訪問するまでもなかった商談」を抽出することで、自分自身やチームの行動量を大きく増やすことにつながるのです。

6.まとめ

インサイドセールスと訪問を上手に使い分けるためにはルール作りは欠かせません。ただ闇雲にインサイドセールスをはじめるのではなく、しっかりと自社にとっての最適なルールを作るようにしましょう。そのためには自社の商材や環境、時間を費やしている作業を精査して、どのような基準を設けるべきか考えていくことが大切になってきます。
インサイドセールスシステム「ベルフェイス」を提供する弊社では、2018年11月現在約800社のクライアントにインサイドセールス導入のサポートやコンサルを行っています。これからインサイドセールスを本格的に導入しようと考えている方は、ぜひベルフェイスの導入もお考えください。

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