インサイドセールスを加速させるルール作りとは

本記事では、インサイドセールスを社内に定着させるため、また成功に導くために必要な「ルールづくり」についてご紹介していきます。

1.フィールドセールスとの切り分け

インサイドセールスは新しい営業手法のため、分野としてまだ「こうやったら成果につながる」という定石が少ないと言えます。会社に新しく導入する場合、もともと会社にある訪問営業を行っている部隊との役割の住み分けを行う必要があります。そうした際に重要になるのが「ルール作り」です。

従来、営業マンは「アポを取る→訪問する」というサイクルを繰り返していました。ですが、インサイドセールスという手法が生まれたことで「このお客様とのこの商談は、訪問する必要があるのか?」「そもそも、メールや電話だけでも良かったのではないか?」といった疑問が生じるようになったと言えます。

そうした疑問は、営業マンの行動力を制限しパフォーマンスを落とすことにもつながりかねません。できる限り明確なルールを設けることが大切です。ルールの設け方は実際に提供している商材や、これまでの営業サイクルなどが影響関わってくるため、会社独自のものを築いていく必要があるかもしれません。それでも参考にできるルールというのはいくつもあります。たとえば、実際にインサイドセールスを成功させている会社では、下記のようなルールが設けられています。

  • 同じ都道府県内のお客様であれば訪問する。他県などの遠い場所のお客様はオンラインで商談を行う
  • 初回は挨拶をしたいので訪問する。しかし二回目以降のお客様にはオンラインで商談を行う
  • お客様の温度が温まりきっていないうちは、オンラインでの商談をする。契約書に押印を頂く際には、御礼も兼ねて訪問する

……などです。

以上のように営業活動の効率化を目指した様々なルールがあります。こうしたルールをスムーズに設定するためにも、まずはインサイドセールスを導入する前に、一度自社の営業サイクルを棚卸しすることをおすすめします。

また「訪問」または「商談回数」を営業のKPIに設定している企業も多いことでしょう。ですが「外へ出ての訪問」と「オンライン商談」に評価上の差を設けてしまうと、必要以上に外出する営業マンが増えてしまうという失敗例も……。「商談」はお客様に何を伝えることができたかが重要ですから、営業手段においてインサイドセールスなのか、フィールドセールスなのかで差が生じるような評価基準は避けたほうがいいでしょう。

実際にインサイドセールスに成功している会社では、マーケティング部門やアポインターなど「設定できた商談の数」を目標にしているところもあります。「訪問>インサイドセールス」という評価にしてしまうと、何がなんでも訪問アポを取ろうとしてしまうものですから、営業部門だけでなく他部署のルールも含めて「訪問こそが営業」ということ前提で作られているルールは改める必要があるでしょう。

1.1 重要なのは「連携ルール」

インサイドセールスよりフィールドセールスを重視する構図を改めるためには、インサイドセールスがどのような場面において優れているのか、明確に提示する必要があります。インサイドセールスとフィールドセールスの役割を明確にし、連携しやすいルールを作成するためには、インサイドセールスで対応している顧客が一体どれほどの興味を持っていて、どのような状態になった時にフィールドセールスに引き渡すのかという線引きを決めておくことが非常に重要です。

この線引きは感覚によるものではなくて、段階でしっかりと区分けを行ってフィールドセールスに引き渡すという基準を社内で統一して決めておくとスムーズです。感覚に頼った線引きを行うと、個人で基準が異なるため、スムーズに連携を取ることができません。

例えば商品のカタログを見てみたいなどの要望の初期段階なら、フィールドセールスが実際に出向くまでもなく、ネット上での案内や電話でのヒアリングで済むという判断をします。反対に、見積もりを提出してもらいたいなどのより踏み込んだ内容の相談についてはフィールドセールスに引き渡す、などと決めておくとスムーズに連携がとれます。

また、段階とは別に、顧客の確度によってフィールドセールスに引き渡すフローも決めておきましょう。フィールドセールスが顧客のもとへ出向く際は、すでに顧客に商品やサービスを購入したい意思があり、契約の段階まで来ている状況だと望ましいです。そのためには、フィールドセールスへ顧客を渡す前に、インサイドセールスによって確度を推し測ります。スコアリングによって確度の判別精度を上げることができれば、必然的にフィールドセールスの努力が徒労に終わる可能性を下げられます。インサイドセールスがしっかり機能することは、フィールドセールスの確実性を上げることにも繋がり、売り上げアップに直結していきます。

さらに、データを蓄積し、業務の改善に活かしていく姿勢も必要です。日々インサイドセールスを行っていくうえで、成功もあれば失敗するケースもあります。その際、成功事例と失敗事例をよく考察して、フィードバックを行い、PDCAサイクルを回しましょう。

部門内だけでなく、インサイドセールスとフィールドセールスの連携をスムーズにするためにも、両部門で連携するデータの粒度や内容を定期的に精査し、フィードバックし合って同じ目標に向かって協力できるような体制を作っていくことがインサイドセールスの成功の鍵を握っています。

2.商談の記録を徹底する

「フィールド」が「インサイド」になったことで得られるのは、何も時間やコストの削減効果だけではありません。これまで訪問した営業マンとお客様との間で、どのような話し合いやコミュニケーションが行われていたかはブラックボックスになっていました。

営業マンを育成するためにロールプレイングを行う企業は多くありますが、実際にお客様と1対1になった時にロープレ通りの行動ができるかはわかりません。その点、電話やメール、そしてオンライン商談ツールを利用してのインサイドセールスならば記録をとることができます。具体的には「お客様とどのようなコミュニケーションをとったか」「どの資料を見せて、どのような反応だったか」などをSFAやCRMに記録でき、マネージャーはそれをきちんと見てフィードバックを行うことが可能になります。

オンラインを利用した商談であれば、商談自体の様子をそばで見守ることも、ツールによっては録画することもできるので、より細かく適切なフィードバックが行えるようになります。結果、訪問だけで商談をさせているよりも、営業マンの成長は早くなり、成功した手法の共有も迅速にできるようになるので、営業を改善するPDCAを回しやすくなります。

もちろん分析には正しいデータがあることが最重要です。現場のインサイドセールス従事者には「必ず記録をとる」ことを徹底させるルールが大切になってくるでしょう。上手くデータを収集することができれば、社内のインサイドセールスの組織は目覚ましいスピードで進化するはずです。

2.1 行動ログも全て残しておこう

営業活動において、行動ログを残しておくことは顧客の状況を把握するために重要です。インサイドセールスでは、担当者がいつどのように顧客に対してアプローチをしたのかというのを記録として残しましょう。記録を蓄積することで見えてくる情報や、フィールドセールスが訪問をする際の新しい切り口が見つかるかもしれません。行動ログを残す際は商談に限らず、全てのアプローチにおいて行動ログを残した方がより正確な記録となります。

記録を残す際は、営業支援ツールのSFA(セールスフォースオートメーション)を利用することが有効な手立てのひとつです。SFAは、案件管理から行動管理までを行えるだけでなく、インサイドセールスとフィールドセールスの連携強化に効果的なツールです。また、リードの反応や問い合わせ内容なども記録しておけるので、リードを引き継いでフィールドセールスが実際に訪問する際のやり取りをスムーズにしてくれます。先方の企業の情報やステータスも記録しておくことができるので、商談前にフィールドセールスが企業についての情報を調べるという手間も省けます。

SFAの1番のメリットは、営業活動における定性的な情報を定量的に表してくれる点です。営業マンのブラックボックス化しがちな個々の行動を可視化して数値化します。

商談後1時間以内には必ずお礼のメールを送信しているとか、初回のコンタクトからクロージングまでかける期間はどんなに長くても1か月など、営業マンの行動パターンも記録できます。このように、良い営業成績を残している営業マンの行動パターンを記録し数値化することで、新人教育などに使える良い教材にもなります。

2.2 属人化を防ぎ、全体で効率・受注率アップを狙う

営業において業務の属人化を防ぐことは重要です。営業は個人のスキルに依存しがちで、スキルアップするのは容易ではありませんが、行動ログを残しておくことが属人化を防ぐために役立ちます。行動ログを残すことで誰もが対応ができるようになれば、担当者不在でも対応が可能となり、営業の効率がアップしていくことは明白です。

また、トップセールスの営業マンのノウハウや行動パターンを共有することで、営業部門全体のスキルの底上げに繋がっていくので、営業成績が芳しくない営業マンは、積極的に上手い営業をしている人の真似をしていきましょう。

情報の共有化を図るうえで気を付けたいことが、自身の築き上げてきたノウハウを他の営業マンへ提供してしまうことによって、トップセールスを上げている営業マンのモチベーションが低下してしまうことです。会社の戦力となっている貴重な人材が、情報の共有化によってモチベーションが下がってしまう事態は、極力避けなければなりません。

そのため、情報を共有させてもらう営業マンには、会社全体の受注率のアップに繋がっていくということを説明し、理解をしてもらうなどの手厚いフォローが必要になってきます。トップセールスを上げている社員であれば、会社に貢献したいという気持ちは人一倍強いでしょうから、会社の全体の底上げになるという説明をしっかりすれば理解をしてもらえるでしょう。

3.他部署との連携は「改善することが前提」に

インサイドセールスをリードナーチャリングに利用している企業も多くあります。リードを育成する際にはインサイドセールスのチームと営業マンとが「お客様がどの程度まで温まった状態にあるのか」「ヒアリングする情報は足りていないか」などの細かな情報を常に共有する必要があります。リードナーチャリングで利用するインサイドセールスの重要ポイントは、他部署との連携については決め打ちするのではなく、徐々に改善することを前提に設計するべきという点です。

たとえば「競合他社が新しいオプションをリリースしたなどで差別化が図りづらくなっているとき」「お客様の求めるニーズが変わってきたとき」「新しい顧客層にリーチしていきたいとき」など、営業の仕方や方向性が変わるたびに、インサイドセールスが求められることも変わってきます。

リードナーチャリングを担当する部署はできるだけ密にセールスと情報交換を行うことで、「営業の求めているリード」と「実際に獲得できるリード」の差が縮まってきます。またインサイドセールス側から営業マンへのフィードバックも重要です。電話やメール、オンライン商談を行った際に得たお客様の声を、営業チームに反映させることで、その後の営業活動がスムーズになります。

個別の顧客に関する情報だけでなく、全体的なお客様の声もデータ化してみると良いでしょう。インサイドセールス担当は、セールスよりも数多くのお客様と接するはずなので、より多くのサンプルから製品やサービスの改善点を見出すことができます。

3.1 マーケティング部門ともしっかり連携しよう

リードの獲得を目指すうえで、営業部門は営業の畑だけで個々に仕事を進めるのではなく、他部門、特にマーケティング部門との連携を図ることが非常に大切です。共に改善し合える体制作りをするところから始める必要があるでしょう。

マーケティング部門は基本的にリードの獲得に特化している部門です。そのため、マーケティング部門でリードがどのくらいまで成長したら営業部門に引き渡すのか、という認識のすり合わせや、どのような施策を行っているのかというのは共有しておきましょう。

どの企業においても、はじめは「営業の求めているリード」と「実際に獲得できるリード」の認識の差は必ず生まれてしまいます。しかし、営業の欲しいリードと実際に獲得できるリードの差を縮められることができれば、新規顧客の獲得率は確実に向上します。

4.まとめ

様々なパターンをご紹介しましたが、まだまだ新しい営業手法であるインサイドセールスを社内に根付かせるためには、ルールを整備することが重要だとご理解いただけたかと思います。インサイドセールスシステム「ベルフェイス」を運営する弊社は、2018年11月現在約800社のクライアント様を抱えており、そのそれぞれにインサイドセールスを根付かせるためのオンボーディングやコンサルを行っております。これからインサイドセールスを定着させていきたい方は、ぜひ一度弊社にご相談ください。

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