電話やメール、Web会議システムなどを使い、企業に訪問することなく営業を行うことを「インサイドセールス」と言います。ビジネススタイルが多様化する近年、顧客の購買行動の変化にも柔軟に対応し、営業を効率化、売上にも貢献するセールス手法です。
本記事では、インサイドセールスを学びたい方におすすめの実践に役立つ本をご紹介します。
まずインサイドセールスの基本をまとめて確認したい方はこちら
【事例付き】基礎からわかるインサイドセールスとは?定義や社会背景、メリット・デメリットを徹底解説
インサイドセールスを本で学ぶべき理由
新たなビジネススキルを身につけたいと思ったとき、インターネットを使って独学で勉強したり、ワークショップやセミナーに参加したりと色々な勉強方法がありますが、インサイドセールスについて学びたい方は、まず数冊の良書を読んでみることをおすすめします。
その理由は、本で学ぶことはリスクがなく効率的だからです。BtoB事業であれば取引金額や事業規模も大きく、関わる人も多くなるため、自身の実践や経験だけに頼ってスキルを身につけていくには大きなリスクがあります。一方で、本はマーケティングを学んだ著者や大手企業での経験を積んだ著者の成功例や失敗例、具体的な実例を元に執筆されています。
はじめてインサイドセールスを学ぶ方は、まずは本を通して経験者のノウハウを学んでおくことが最も効率的と言えるでしょう。
本の選び方
インサイドセールスを学ぶためにはどのような本を選べば良いのでしょうか。ここ数年で大きく変化した顧客の購買行動や次々に登場する新たなビジネスモデルに対応すべく、多くの企業がインサイドセールに注目をしており、ノウハウ本や専門書籍もたくさん出版されています。
これから初めて学ぶ方は、まず手に取るべき本に悩んでしまうかもしれません。そこで、本を選ぶ際にチェックすべきポイントをご紹介します。
全体像⇒具体例の流れで説明されている
まずはインサイドセールスを学ぶ上で知っておきたい基本知識や全体像を解説し、事例を交えた具体的な説明がされているものがおすすめです。
インサイドセールスとは何か、なぜ必要とされているのかといった全体像から、セールス組織の立ち上げ実例、効果的なテクニックまで書かれているものを選べば実務レベルで役に立つでしょう。具体例については、導入事例だけでなく失敗例や人材採用、マネジメントなどフェーズ別の事例が詳しく書かれているものを選ぶのがポイントです。
著者がインサイドセールス経験者
本を選ぶ際には著者のプロフィールも重要です。著者が経験者かどうか、どのような事業領域での経験を積んできたのかがわかればより実践的な情報が得られます。自身の事業領域に近い経験を持つ著者であれば実例も理解しやすく、すぐに実務に転用することができます。
著者の実体験だけではなく、インタビュー形式でインサイドセールスにおける先駆者の経験談が紹介されているものや共同著書という形もあります。こうした形式のものを読めば、複数の視点による実体験に基づく豊富な知識を得ることができるでしょう。
組織形成の視点が含まれている
インサイドセールス組織を立ち上げるためには、マーケティング視点・営業スキルに加えて組織形成の視点も必要です。
営業とマーケティングをつなぐ役割となるインサイドセールスを新たな組織として立ち上げるのであれば、採用や人員配置など組織の構成バランスを考える必要があります。テクニックだけではなく、マネジメントや組織形成の視点での解説が書かれているものを選びましょう。
本の冒頭を読んで読み進められそうだと思ったもの
インサイドセールスに関する本に限らず、本の文体が合わなければ途中で読む気を無くしてしまうこともあります。本の冒頭を読んでみて、引き込まれるように読み進められるかどうか、書いてある内容がスムーズに理解できるかも大事なポイントです。
まずは目次で、これまでに挙げたポイントをクリアしているかをチェックし、冒頭を試し読みしてみることをおすすめします。とくに初めてインサイドセールスを勉強しようとしている場合、できるだけシンプルな構成になっている本が読み進めやすいでしょう。
実務に生かせる!おすすめの本6冊
では、初めてインサイドセールスについて学ぶ方のために、実務に生かせるおすすめの本を6冊ご紹介します。
インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド(茂野明彦著)
『インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド』は、株式会社ビズリーチにて、インサイドセールス部門の立ち上げ、セールスフォース活用の推進を担当した茂野明彦氏が著者の本です。
インサイドセールスの種類と役割などの基礎知識から、セールス組織の立ち上げ方法 、オンライン商談におけるテクニック、他部門との連携など、具体的な行動レベルに落とし込んだテクニックが解説されています。
これからインサイドセールスを学ぼうと思っている方にも読みやすいおすすめの1冊です。
【著者・茂野明彦氏のインタビューはこちら】
・2021年のインサイドセールスはどうなる?『インサイドセールス』著者・ビズリーチ茂野明彦氏に聞くコロナ禍で変わったこと・変わらなかったこと
・ビズリーチ茂野氏が語る「明日から変わる」インサイドセールスの極意
THE MODEL(福田康隆著)
セールスフォース・ドットコムの営業スタイルを体系化し、世に広めたのが本書『THE MODEL』と言われています。インサイドセールスの原点となったこの「THE MODEL」を基に、さらに現代に最適化した「レベニューモデル」を提案しています。
マーケティング、インサイドセールス、営業、カスタマーサクセスの4つのプロセスを解説し、詳細な数字を根拠にした分析や営業テクニック、マネジメントの考え方まで著者自身の経験を基に語られています。
インサイドセールスを学ぶ上で、まずは読んでおきたいベストセラーの1冊です。
インサイドセールス 究極の営業術(水嶋 玲以仁著)
『インサイドセールス 究極の営業術』は、Google、Microsoftなど最前線の外資企業で20年以上に渡り、経験を積んだ著者、水嶋 玲以仁氏がインサイドセールスについてまとめた1冊です。
インサイドセールスにおける先進企業、セールスフォースやユーザーベースなどの実例も紹介されています。インサイドセールスに適した人材の育成手法や、効果的なKPIマネジメントの在り方など、実践に役立つノウハウまでを網羅したおすすめの本です。
インサイドセールスの実務(沼澤 拓也著)
『インサイドセールスの実務』は、インサイドセールスにおける組織づくりと人材育成について中心に書かれた本です。企業における営業の現状と課題など、インサイドセールスの全体像から始まり、導入と運用、評価、実例集など実務に転用しやすい知識がまとめられている1冊です。
(株)PALTEKにて、インサイドセールス責任者を経験し、その後にコンサルティング会社を設立した著者、沼澤 拓也氏がインサイドセールスを体系的に解説しています。
デジタルインサイドセールス(吉田 融正著)
『デジタルインサイドセールス』は、AIを駆使したデジタルインサイドセールスについて書かれた本です。
インサイドセールスにおける基本的な知識、導入テクニックに加え、デジタルを活用したセールス手法にフォーカスした営業戦略についても解説しています。デジタルトランスフォーメーションの導入を検討する方にもおすすめの1冊です。
インサイドセールススペシャリスト教本(ベルフェイス株式会社著)
『インサイドセールススペシャリスト教本』は、近年、急速に広がりつつある「働き方の多様性」に柔軟に対応し、さらに成果を出すためのインサイドセールスについて書かれた1冊です。
オンライン営業システム「bellFace」の開発、提供を行うベルフェイス株式会社が出版しています。800社以上のインサイドセールスチームの立ち上げ、導入に携わってきたノウハウを公開、解説しています。
これからインサイドセールスを学ぶ方に向けて、わかりやすくシンプルに書かれているので、初心者にもスムーズに読み進めることができます。
インサイドセールスのニーズやメリットなどの基礎知識に加え、組織形成、導入の際に必要なツール、整えておくべき営業環境、運用方法などの実践的なテクニックについてもわかりやすくまとめられています。
インサイドセールスを本で学ぶ際のコツ
最後にインサイドセールスを本で学ぶ際のコツをご紹介します。
全体像から詳細へ
本の選び方の部分でもご紹介しましたが、まずはインサイドセールスの全体像を理解することが重要です。
現状の営業手法の課題や、顧客の購買行動の変化からみるインサイドセールスの需要や、注目される理由、背景などのマーケット全体像について理解し、その後に組織形成のノウハウや企業の実例など、実務に転用できる知識、情報を集めましょう。
実務に落とし込みながら読む
本で得た知識、情報を自身の実務に転用できるかどうかが重要です。これからインサイドセールスを始めるのであれば、本の内容を自身の実務に落とし込みながら読み進めてみましょう。
そのためには、自身の事業領域に近しい経験を持つ著者が執筆した本が役に立つでしょう。
【無料ダウンロード】インサイドセールスを成功させるために必要な3つのポイントとは?
Q&A
Q.何故、インサイドセールスを本で学ぶべきなのでしょうか?
A.いきなり実践で学ぶにはリスクが伴います。本を通して、基礎知識から運用テクニックなどを学んでおけば、実践での落とし込みもスムーズに進めることができるので、まずは本で学ぶことが効果的です。
Q.インサイドセールスの本を選ぶ際のポイントは?
A.本を選ぶ際には、以下の4つのポイントを押さえておきましょう。
- 全体像⇒具体例の流れで説明されているかどうか
- 著者がインサイドセールスの経験者であるかどうか
- 組織形成の視点が含まれているかどうか
- 本の冒頭を読んで読み進められそうかどうか
Q.インサイドセールスを学ぶのにおすすめの本は?
A.以下の6冊の本がおすすめです。
- インサイドセールス 訪問に頼らず、売上を伸ばす営業組織の強化ガイド(茂野明彦著)
- THE MODEL(福田康隆著)
- インサイドセールス 究極の営業術(水嶋玲以仁著)
- インサイドセールスの実務(沼澤拓也著)
- デジタルインサイドセールス(吉田融正著)
- インサイドセールススペシャリスト教本(ベルフェイス株式会社著)
Q.インサイドセールスを本で学ぶ際のコツは?
A.まずはインサイドセールスの全体像を理解してから実践へと落とし込みましょう。なぜインサイドセールスが必要とされているのか、インサイドセールスへのシフトが進む理由など、マーケットを理解した上で、組織形成や導入の際の注意点をおさえつつ、得られたテクニックを実践へと落とし込みましょう。